刺すような鋭い硝子の欠片は、
長い間、潮の満ち引きにさらされて、
次第に丸みを帯びて宝石のようになる。
わたしのなかにも、たくさんの鋭い欠片があって、
時に乱暴にわたしを刺して苦しめた。
けれども、時にさらされてその欠片たちも、
丸みを帯びて美しい宝石になりつつある。
あの苦しみがなかったら、
今のわたしは存在せず、
大切な人たちに会えることもなかっただろう、と。
未だに尖っていて、そしてまた新たに粉々にされた欠片が増えて、
わたしを苦しめることがあるが、
それらを棄てようとは思わない。
「わたし」が「わたし」でなくなるのだから。
Sophie