ダイジェストで振り返る
サクラ大戦1(DC・PC版)
【第9話】
サクラ大戦1のダイジェストも佳境。
ラスト目前のこの回は濃密でチェックすべきワードも頻出。
終盤をコンパクトに纏めるのは難しいけど、好き勝手書いて推敲したものを旦那様に監修してもらいつつ、サクラ大戦の思い出の記録をこれからも増やして行きます!
【サクラ大戦】
ストーリーダイジェスト
第9話【現れた最終兵器】
守りたいものでも守れないことはある。
それが大切であればあるほど、絶望する。
降魔・猪との戦いの後、花組は2月公演「マイフェアレディ」を公演、無事千秋楽を迎え3月公演「大恐竜島(※1)」公演へと入っていた。
しかし大きなタライだな!
イタタタ・・・と、ふてくされるアイリスは可愛い。
葵叉丹はこの間表立った行動を見せなかったが、ついに降魔の軍団に地上侵攻を命じる。そして「最強の降魔」と「聖魔城」の復活を目指し動き始めた。
上級降魔・黄昏の三騎士より強力な「最強の降魔」は叉丹にとって重要な存在(※2)であるようだ。
帝国華撃団副司令・藤枝あやめは度々夢の中で妙な幻影を見たり、自身の体に自制出来ぬ存在を感じ、不安を感じていたが誰にも打ち明けられずにいた。
帝国華撃団創設から深く関わり、華撃団員全てから慕われる藤枝あやめ(※3)。その彼女に過酷な運命が迫っていた。
「大恐竜島」公演の盛況中、大神は米田司令と藤枝副司令から降魔について説明を受ける。降魔は数百年前から出現を繰り返し、その度に人は戦い「魔神器(※4)」をもって封印してきた。
今、降魔は「六破星降魔陣」の発動(※5)により復活したが、魔神器での封印には「破邪の力(※6)」の血統者とその命が必要となる。
しかし6年前の降魔戦争で、破邪の力の血統者でさくらの父親・真宮寺一馬が魔神器で封印を行い、落命。その血を受け継ぐのはさくらのみだが、本人はその事実も破邪の力の使い方も知らない。
「陸軍対降魔部隊」米田一基、真宮寺一馬、山崎真之介、藤枝あやめ。生身の4人で降魔の群れと巨大降魔に立ち向かい、最後は真宮寺一馬の犠牲と引き換えに封印した。山崎真之介は戦後行方不明となった。
米田中将はこんなものは絶対に使ってはならない、と強く語る。魔神器は聖邪に関わらず用いた者の力を増幅させる。
どちらにも使わせない、この帝劇で厳重に保管し守り抜かねばならない。
魔神器警護の命を受けた大神は大帝国劇場を襲撃された際の防衛についてあやめと対策を練る。
その夜、あやめは前後不覚の状態で帝劇内を地下へと降りていく。
見回り中の大神が発見し様子がおかしいと声をかけ近づくと、突如豹変したあやめに恐るべき力で首を締めあげられるが、花組の1人が来たことであやめは去って行った。
鬼気迫る表情と狂気の双眸。一体何が?
あやめから逃れた矢先、帝劇内に敵襲来の警報が響く。その場に来ていた花組隊員に先に作戦司令室に向かうように命じ、大神はあやめの後を追い、地下倉庫であやめを発見。
何かに苦しむあやめは、構わず敵を倒しに行くように命じる。躊躇う大神にあやめは拳銃を手渡す。
自分に何かあったら、これで自分を撃てと。これは大神にしか頼めないと懇願するあやめに、大神は拳銃を受け取るしかなかった。
黄昏の三騎士・降魔「鹿」は大帝国劇場外壁を破壊し、降魔の軍勢で包囲して内部への侵入を仕掛けようとしていた。
帝劇内部への侵入を防ぎつつ、降魔「鹿」と専用魔操機兵「氷刃」を撃破。最強願望の塊だった鹿はあえなく爆散し、叉丹から使えぬ奴と唾棄された。
危地を脱したかに思えたが、事態は最悪の方向へ進んでいた。あやめが「魔神器」を奪い姿を消したのだ。
鹿の死にも興味無し。叉丹はあやめを待っていた。
赤き月が不気味に輝く中、叉丹はあやめと共に花組の前に姿を現した。あやめの腕の中には魔神器がある。
あやめは苦しみながらも大神に私を撃ちなさい!(※7)と叫ぶ。
だが撃つか撃たないか、大神の決断も無意味だった。叉丹があやめに口付けをした直後、あやめの姿が光と共に変化していった。
赤い月の夜、美しき降魔・殺女(あやめ)が覚醒した。
あやめは人ならざる者へと変わった。
黒き翼を持つ最強の降魔・殺女(※8)へと。
事態を理解出来ない花組をよそに、叉丹と殺女は互いに恍惚とした悦びを交わす。
2人の会話からは読み取るべき部分が多い。単なる主従関係ではない。
大神達の叫びは届かず、殺女は嘲り笑って叉丹と共に姿を消した。
米田中将以下、帝国華撃団の面々は意気消沈しきっていた。誰もが藤枝あやめの喪失に打ちひしがれた。
大神自身も同様だったが、花組隊長として花組隊員を、そして米田中将を励まそうと一人一人と言葉を交わして回った。
帝国華撃団はあやめさんに救われ、支えられてきたメンバーばかり。あまりに受け入れ難い現実だった。
あやめを取り戻す決意を固めつつ、帝国華撃団は作戦指令室で今後の対策を練る。魔神器が奪われ、聖魔城の復活は目前。聖魔城は強力な神器「霊子砲」を備える危険な存在、復活を阻止するべく出撃を決定した。その時、帝劇を大きな衝撃が襲い、降魔・殺女の声が響き渡った。
叉丹の命令を受け帝劇を急襲してきた降魔・殺女と三騎士・蝶。殺女を取り戻そうと大神隊長は必死の呼びかけを繰り返すが殺女は嘲笑し一方的に大神に攻撃を加える。
叉丹への恋慕から殺女の存在を疎ましく思う蝶は、元のお仲間だから手ぬるいと殺女を制止、叉丹の歓心を得るべく配下の降魔と共に帝国華撃団に殲滅戦を仕掛ける。
聖魔城の復活は目前。蝶は殺女に対抗心を剥き出しにするが叉丹と殺女は蝶を歯牙にもかけていない。
蝶は強力な雷を操り奮戦するも花組総力には及ばず、叉丹の名を絶叫しつつ専用魔操機兵「紫電」と共に爆散した。
三騎士全てを討滅したが、事態は最悪の状況にまで進んでいた。
帝劇襲撃により帝国華撃団の動きを封じる間に時は満ち、魔神器で力を増幅した叉丹によって聖魔城の封印がついに解かれたのだ。
封印を解かれ浮上した聖魔城は帝都に巨大な影を落とす。
東京湾からその姿を現した聖魔城は桁外れに巨大だった。叉丹は聖魔城を幻の大地・大和(※9)と呼びここが新たな帝都、そして自らを新たな支配者「天帝(※10)」叉丹と名乗り高笑いするのだった。
次回【ダイジェストで振り返る④】
サクラ大戦(DC・PC版)
~第10話(最終回)~
に続く!
※1 【大恐竜島】
李紅蘭とアイリス主演の笑劇。紅蘭得意の笑劇に10才のアイリスが体を張って共演。
わざとらしい台詞回しにベタなオチのコントだが侮るなかれ。オチのタライ落としは巨大で推定直径は約150cm
高所から落下加速したこんなものの直撃を連日受けるアイリスの根性よ。成長期のアイリスの身長に悪い影響が出ないことを願う。
アイリスはフランスの大富豪・名門貴族シャトーブリアン伯爵家の令嬢だが容赦無し。
※2 【「最強の降魔」は叉丹にとって重要な存在】
そのアオリなのか黄昏の三騎士は全く重用されていない。
※3 【藤枝あやめ】
才色兼備を極めた人。
帝国華撃団花やしき支部長・帝国華撃団副司令兼司令長官秘書。階級は陸軍中尉。
陸軍対降魔部隊に16才で所属。魔を滅する4振りの剣「二剣二刀」の内の1振り「神剣白羽鳥」の所有者。
射撃・合気道の達人、生け花は免許皆伝の腕前で日本舞踊を嗜む。
英語・中国語・フランス語、その他語学にも堪能で華撃団創設時のメンバー集めを行い、マリア、カンナ、すみれ、紅蘭、アイリスをスカウトした。特にマリア、紅蘭、アイリスからは入団前までの人生の経緯から、人生をあやめに救われたことへの強い恩義と絶大な信頼を寄せられている。
華撃団の精神的支柱で母性溢れる大人の女性の佇まいだが、花組年長者とさほど年齢差は無い。黒之巣会との戦い当時で23才。
所作たおやかで抜群の美貌を持ち、花組が嘆息する程の人物。さくらはあやめを大人の女性として憧れ目標としている。
その美貌・所作・距離感の近い気遣い等々は、数多の男性を虜にする色気と破壊力バツグン。本人にその自覚は多分無い。
シリーズ通してニブちんで女性に好意を表すのが下手な大神さんが、一目惚れで終始メロメロになった唯一の女性。
対降魔部隊時代の同僚・山崎真之介と恋仲で、その後行方不明になった彼のことは今も気にかけている。
期待をかけて導き叱咤激励してきた大神への信頼は厚く、自分が望まぬ何かへと変化していく未来を悟った時、自分の命を終わらせる役目を大神さんに託した。
※4 【魔神器】
剣・鏡・珠の3つの祭器。
聖魔双方の力を秘め、聖なる者が使えば魔を封じ魔の者が使えば災いが起きる。
3つ揃わなければ効力を発揮できない三器一体の存在。
聖なる者とは破邪の力の血統者で、その生命力を犠牲にすることで如何なる強大な魔も封じる。
一方、魔の者は相応の魔力を持っていれば使用可能で、生命力を奪われるリスクを負った描写は無い。
ここから、勝手な考察。
以上から、魔神器とは聖魔併せた祭器とされるも、人の心と同じく魔の力に寄り易く聖に寄り難い祭器なのだろうか。
魔の力と比して聖の力発動条件は厳しい。それは人の心が聖に寄るには相応の困難と犠牲の洗礼あってこそという皮肉にも見える。対価として絶対的な魔の封印という完璧な力をを与えるものの、魔を滅する効果では無いのが計算高い。
封印と消滅は全く違う。そしてその封印は人の手で解くための手段も存在する。
魔神器とは人の善性と魔性を試し続けるための存在なのだろうか?
米田中将がこれの使用を拒むのは、体験者としての魔神器の本質に対する否定の表れなのかもしれない。
次作でも魔神器は存在感を発揮するが、こんなものいらない!となったある漢の大胆な行動でまさかの末路を迎えることになる。
※5 【「六破星降魔陣」の発動】
黒之巣会戦の時に米田中将が「発動すれば帝都は永遠の地獄と化す。」とは破壊力では無く降魔復活を指していた?
先に教えてくれれば良いのに。
叉丹を除く、黒之巣会の面々は六破星降魔陣の真の効力を知らなかった。
幕府の要職にあり、帝都の礎を作った1人の天海が降魔の存在を知らないとは考えにくそうだが、六破星降魔陣との関係には気づいてなかった模様。
六破星降魔陣の情報は、叉丹の思惑で情報操作されて天海に提供されたものなのかもしれない。
※6 【破邪の力】
破邪の血統に連なる者が持つ魔を狩る力。
破邪の血統は裏御三家と呼ばれる。
この裏御三家(真宮寺、藤堂、隼人)に連なるものには、魔物に対抗しこれを滅ぼす強い霊力と技が受け継がれていたが、太正の世に宗家としてその血をつたえるのは真宮寺家ただ一つとなっている。
破邪の血統は裏御三家と呼ばれる。
この裏御三家(真宮寺、藤堂、隼人)に連なるものには、魔物に対抗しこれを滅ぼす強い霊力と技が受け継がれていたが、太正の世に宗家としてその血をつたえるのは真宮寺家ただ一つとなっている。
過去に降魔が現れる度に、裏御三家のいずれかが人柱として1人の命を犠牲に封印を行なって来た。
現在は真宮寺家のみが持つ破邪の血統だが、それも真宮寺家直系の真宮寺一馬が人柱となったことで、その娘真宮寺さくらが唯一の継承者である。
また、藤枝あやめの藤枝家は藤堂に連なる「藤」の家系で、宗家にあった魔を狩る力とは異なる魔や怨霊を命をもって鎮める「神降ろし」「霊(たま)鎮め」の儀式を行う使命を持つ。
※7 【私を撃ちなさい!】
拳銃の有効射程は短い。ハンドガンなら20m程度なのでそれよりかなり遠そうなあやめさんに当てるのはあの極限の状況下では針の穴を狙うほど難しい。
実際に何度か撃ったことあるけど、20m離れると当たる気しません。
※8 【最強の降魔・殺女】
元があやめさんだけに魔性へ変化してもこの美貌。殺女となった彼女との戦いは大神さん達にとって、とても辛いものとなる。
最大の敵叉丹のパートナーとなった彼女だか、その存在は今作にある謎に包まれたままで終わった1つだと思う。作中に出てくる最強の降魔どうこうの説明だけでは、殺女の正確な情報が大いに不足していて、また矛盾を生じてしまう。
謎をそのままに捨ておくのも消化不良なので、100パーセント私見での考察をここから展開。
始めに、殺女について作中で叉丹が語るワードを羅列。
「最強の降魔」「赤い月の夜に蘇る」「我に最も近しく頼りとする者」「よくぞ目覚めた」
要約すると公私共に深く信頼するパートナー、というのがしっくりくる。
殺女は「前世の契り」「今度こそお側に」と覚醒時に語った。
互いにパートナー関係を過去に経験している発言から、過去にも叉丹・殺女としての主従関係があったと考えそうだが、これには実は無理がある。
叉丹の正体は次作で判明するが、彼は生来人間。ある時期を境に魔に染まりそして降魔の存在にまで堕ちたとされている。
その時期は今作の僅か数年前、そして彼には降魔であった過去や降魔の主としての過去があったと結び付けられる背景も皆無。
叉丹が降魔を従えたのは、六破星降魔陣を利用し黒之巣会壊滅後に魔の解放を行ない、降魔の解放者となったことと、降魔を従えるだけの実力を備えて居たからと考える方が適当だろう。
とすれば、殺女の存在も過去に降魔であったとは考えにくい。叉丹と殺女に過去に関係があったのは疑いようも無いが、それは降魔としてのものではないだろう。
前世とは、降魔としてのものと捉えがちだが殺女には過去に降魔としての活動や存在が確認出来る情報や描写は無い。
殺女は直前まで人間だった。殺女は大神達に「お前達の知っていたあやめは、もう死んだ」と語っている。これは事実で殺女となったあやめは人へ戻ることは出来なかった。
殺女にとっての前世とは、人としての藤枝あやめの事を指し、人として叉丹とパートナー関係にあったことを指す発言だと推測する。
降魔・殺女の性質と語り口は藤枝あやめの頃とはあまりに違うものの、人間だった時の記憶はそのまま存在しており、発言の端々に見て取れた。
ここで不遇の三騎士・・・もとい黄昏の三騎士達にスポットを当ててみる。
我々プレイヤーに最強の降魔・殺女のワードが出現したのは猪が倒された後のこと。叉丹は三騎士・鹿と降魔の軍勢の前で最強の降魔の復活について語っている。
その時鹿は「自分こそが最強であると認めさせたい。」と考えている。
殺女の合流後、三騎士・蝶は殺女の存在を認めておらず、自身の望む叉丹のパートナーの立ち位置を新参者に奪われてなるかという対抗心を顕にしている。
また、殺女も蝶に対して「あなたのお手並み拝見させてもらう」と返しており、これは実力を知る旧知の間柄では出にくい発言だ。
作中で殺女を最強の降魔と呼称したのは叉丹のみ。三騎士は殺女の存在を以前から知っていた描写が無く、そして殺女合流後も仲間として認めている描写は無い。
以上のことから最強の降魔・殺女とは叉丹が独自に生んだワードであり、その本意は人であった時の大切な存在で、共に戦った実力を高く評価していたから。
そして彼女が降魔へと変化すれば自身に最も近い力を持つ最強の降魔になるという確信があったからではないだろうか?
叉丹は魔に堕ちていく過程の時に、あやめに「降魔の種」を植え付けたことが後に明らかにされている。
赤い月の夜に蘇る、とは自らの植えた種が芽吹く時期を知っていたからだろう。
そして殺女へと変化を遂げた時「よくぞ目覚めた!」と喜びを露わにした。藤枝あやめの降魔への覚醒が叉丹の望みだったからこその偽りない喜びの言葉だったのかもしれない。
※9 【聖魔城を幻の大地・大和】
ぱっと見分かりにくいが、とにかく巨大な城。ん、大地?
「聖魔城」なのか「大和」なのか、言い分ける意味があるのか結局最後まで説明が無く悶々としたがとりあえず聖魔城・大和と繋げることで私は思考を閉じることにした。
「霊子砲」という強力な神器が決戦兵器だが、その渾身の一撃はたった1隻の戦艦の特攻に弾き流されつつ押し切られるという痛恨の出オチを見せた。
その巨大さ・無数の降魔で、脅威感と戦力は十二分なので舐めてかかってはいけない。
聖魔城の大きさは数値として記録化されてないが、推測するための材料はある。
聖魔城に突き刺さった超弩級空中戦艦ミカサの図。ミカサについては次回の最終回ダイジェストで記すとして、ミカサは全長8000mという桁外れの巨大戦艦。
8000m級と言えばエベレストの海抜標高並。そんなものが刺さってるのにこのサイズの対比。聖魔城の正面幅はミカサの全長のゆうに10~13倍程はありそうだ、つまり約100km。
もう巨大な都市ですら収まらないが、同じサイズを探すと沖縄本島の南北直線距離と同じくらいだった。上空からの平面形状がほぼ円形なので、面積では沖縄本島の数倍にはなる、デカい。
今更思ったが、内部に突入して中枢まで移動するという表現では簡単に片付けられない距離があるのでは?
神武の最大稼働時間は4時間と、長期戦には向いてない。光武の2倍とは言え黒電池が初期型アルカリ乾電池になったくらいのものだから。
※10 【天帝】
厨二病か。
大仰な呼称を付けたがるのは突然力を得た者の性。自称したものの、これ以降この呼称が登場したことは無い。
これが、若さ故の過ちというものか。