一般的に女性は占い好きだと言われており、
占いのお客さんの8割、9割がたが女性であることは、実際に占いに関わる職業の方はご存知だと思う。
また、大学(院)の心理学部に在籍している学生の性別は、大半が女性であるという事実がある。
なぜ、女性は占い、心理学好きなのか?
ジェンダー、セクシャリティの研究者で、
TVドラマや世相の鋭い分析を行っておられる、心理学者の小倉千加子さん。
小倉さんのエッセイ「シュレーディンガーの猫」に、
姓名判断を含めた「占いと心理学」について書かれてある。
![]() |
シュレーディンガーの猫―パラドックスを生きる |
小倉 千加子 | |
いそっぷ社 |
以下、小倉千加子さんの同著から、抜粋しようと思う。
「予め断わっておくが、私の専門は心理学である。大学で心理学を教えている。
日本心理学会の会員でもある。
その私が「占い」について書くことになった。
なぜなら、私は「占い」ができるからである。
姓名判断、四柱推命、気学などに、自分で言うのはなんだが、通じている。
赤ん坊の名付け親になった回数は数知れない。
最初に友人に頼まれてその甥の名前を付けたのは高校一年の時である。
もちろん、お金は貰わない。趣味である。
一体、占いを心理学はどう考えるべきなのか、それに答えるためには、
占いと心理学の両方を知っておかなければならない。(p172より引用)」
小倉さんは、本の題名となった「シュレーディンガーの猫」という章でこう書かれている。
手術を受けることになった友人に、小倉さんが医学書で色々調べて、
「手術中の事故で死ぬ確率は379例のうち1例だから、心配ない」と告げたそうである。
そのとき、友人から、
「確率論として、手術中の事故で死ぬ確率が379分の1であったとしても、
自分がそうならない保証はどこにあるのか?
死ぬ患者にとって死ぬ確率は100%ではないのか?」と問われ、
頭を金槌で殴られたような気がした、自分はなんと鈍感なのだろう、とお書きになっている。
(同著 p186~187から要約引用)
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恋愛がうまくいくかどうか、結婚できるか、
試験が合格するだろうか、就職(転職)の希望が叶うかどうか、
お金をきちんと得ることができるか、
子供に恵まれるか、病気が治るか、天変地異や事故に遭わないか、
世間一般の、全体の成功率とはまったく関係のないところで、
当事者からすれば、0%か100%の確率でしかない。
最近は、男女差はあまりなくなってきたかもしれないけど、
とりわけ女性は、自分の頑張り、努力とは関係のないところで、
人生の(一般的に言われている)サクセスは、持って生まれた素質や運に左右されるところがある。
美人に生まれるか、不美人に生まれるか、普通に生まれるか、
親が裕福で愛情豊かかどうか、
周りの環境が穏やかかどうか、面倒見のよい優しい人たちが周囲にいるかどうか。
時代、というのも考慮に入れないといけないだろう。
女性が心理学に興味を抱きやすいのも、
男性に比べ、女性の幸、不幸が、人間関係から影響される割合が高いからだと思う。
全体の確率論ではなく、自分にとってどうなのか、それが知りたくて、
女性は占いや心理学に興味を持つのだ、と思う。
実際、わたしもその一人である(^^ゞ
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