中央アジアから見た、国際情勢。
日本クラウセヴィッツ学会主催の、廣瀬陽子 慶應義塾大学
総合政策学部 准教授による、「国際関係の十字路としての
“旧ソ連”」
-21世紀国際社会の紛争と民主主義を読み解く
セミナーに参加してきました。講師は、私の妻と同じ年の1972年生まれ。
美人。講師が留学したことのある、アゼルバイジャン等の中央アジアの
民族紛争、ロシアから見た国際関係。つまり、旧ソ連から見ると、
国際関係はどう見えるか、
というもの。
アゼルバイジャン、アルメニア、キルギス、グルジア等の中央アジア諸国
には、日本にあるような自由はありません。
旧ソ連の時にも恐怖政治だったけれども、民主化が進んだ今も、民主化に
よる「不安定な政治」によって、99%の国民は貧しい。
恐怖政治、拷問、世界トップ10に入る悪環境、人身売買、子供の教育
悪等、悲惨な状況が続いています。たとえば、賄賂は当たり前なのですが、
交通違反で捕まえた警察官が、見逃すために賄賂を要求します。
(これだけでもあり得ませんが)
しかし、捕まった人は、賄賂の要求に対して、「今、お金を支払ったら、今晩の
子供たちや家族に食べさせる食事代がなくなってしまいます」と言うと、賄賂を
要求した警察官は、「それは分かるが、あなたからおカネをもらわないと、私
の家族の今晩の食事代がないんだよ」というような、悲惨な状況にあります。
日本は幸せです。
このような悲惨な状況にあるため、今も紛争は絶えません。中央アジア、
ロシア、NATO、アメリカの情勢、特に中央アジアを中心に国際情勢を
考えると、見方がまったく変わってきます。たとえば、2010年11月に
NATOリスボンサミットにメドヴェージェフ大統領が参加し、新たな協力体制
が築かれ、協調路線に入りました。そして、アメリカの国際的影響力の低下、
ロシアが西側に対してそんなに力が要らなくなったとの呼応して、日本の
領土問題に影響してきています。
つまり、中国の横暴な尖閣問題での振る舞いや、ロシアの北方領土政策の
強硬化につながっています。日本とアジアだけを見ていると、分からなかった
ことが、中央アジアやロシアの動向を見ることによって、より大胆に
日本の状況が浮き彫りになってきます。
(詳しくは、また紹介します)
小島一郎