使い慣れた竿は、自然と竿にあった釣り場で使っていますが、新たに竿を手に入れる時、釣り場・釣り方・水深などを考慮します。竹竿を心地よく使うには、調子が釣り場に合っていることが大事です。
〈私は、調子と硬軟を下記のような分け方で見ています。〉
- 先調子(軟式先調子・本式先調子・硬式先調子)
- 本調子(軟式本調子・本式本調子・硬式本調子)
- 胴調子(軟式胴調子・本式胴調子・硬式胴調子)
- その他に、全体調子(ためている時、引きに合わせ曲がりのポイント移動する)が存在する。
この分類方法は、月刊へら専科に、山田鮒友さんが書かれておられ、非常に理解しやすく、この分類方法利用しています。
〈その他の分け方〉
- 先調子・胴調子の二種類に分類方法
- 先調子・胴調子・本調子の三種類に分類方法
- 参考:一見の価値有”もじりわーるど”(http://homepage3.nifty.com/mojiri/)”へらは和竿で釣るもんや”
〈釣り場に竿の調子を合わす〉
12尺の竹竿を例にすると、仕掛けの長さは3.6メートルと少々です。この長さが狙える棚になります。
- 水深1.5メートル迄を狙う場合:先調子竿が適当、カッツケ釣り、浅だな釣り。
- 水深2.5メートル迄を狙う場合:本調子竿が適当、本調子竿で狙える最低必要な水深は、50センチぐらいからです。1メートルの浅だな釣りが、可能
- それ以上を狙う場合:胴調子が適当、(胴調子竿で狙える、最低限必要な水深は、2メートルぐらいからです。チョウチン釣り
もちろん、竿の硬軟・使用穂先(合わせ穂・一本穂先)の違いにより狙えるタナは、少々変わります。硬式で、合わせ穂を使った竿のほうが、使用できる幅が広いと思います。
〈竿の見方〉
初めての竿に出会ったとき
・竿と竿袋には
- 作者銘・竿の長さ・脇銘(竿の調子・素材など)・竿デザイン・製作年が書かれています
- 作者銘:その竿を製作した人が使用している製品の名前です。一人で複数使用されている場合もあります。
- 竿の長さ:尺に換算されています。
- 脇銘:これは非常にややこしく、脇銘が意味するものも、各竿師さんがそれぞれ付けられており、統一的なものはないようです。(基本的には、各竿師さんが、調子分けされ、素材・目的別に脇銘をつけておられるようです。)
- 竿デザイン:表示は、口巻き・段巻き・笛巻き・総塗りなど
- 製作年:その竿師さんが製作されたすべての竿に記載されている方は少数です。一般敵に製作年が記載されている竿は、竿師さんがある程度自身を持っておられる竿だと思います。
参考:現在インターネット上にホームページをお持ちの竿師さんで、脇銘内容を表示されているのは、壮士さんのみだと思います。
アドレス:http://www12.ocn.ne.jp/~soushi12/ の”作品の数々”のページを参照
・竿・竿袋には書かれていませんが、グレードによる分け方があります。
- 特上竿:その竿師さんが自信を持って作る最高の竿、通常、釣具店には並ばない、オーダー竿の場合、特上を希望し、特上に対応できる竹があれば作っていただけます。
- 上竿:並竿よりも、厳しい基準で選ばれた竹を使用。
- 並竿:基本グレードになります。
・竿の全体を見てみる(穂持ち野竹を基準)
- 生地・節が揃っている?
・絶対揃っている必要はない。 - 握りが手にしっくりくる?
・これは結構大事 - 竿の口栓外し、穂先・穂持出す。
・口栓が適度な堅さで着脱出来ること、
・ごそごそは、失う可能性がある。 - 口の厚さが均等で、適当な厚さ?
・均等でない場合、薄い側が弱い。 - 竿先から、竿を継いで見る。
・軽く差し込んでから、もう一度、少し力を要れ差し込む。
・最初、差し込む時、軽く先側を回し、探ってみると、収まりがいい部分がある場合がある。 - 継いだ竿に、曲がりがないか確認する。
- 伸ばした竿の形状。
・竿のオチが強い?(先調子が多い)
・強くない?(胴調子多い) - 持った感触を感じる。
・軽い?
・重い?
・先が重い?(胴調子に多い) - 竿を軽く振ってみる。
・軽い?
・重い?(一般的には、重い竿のほうがパワーがある。)
・先が重い? - 竿を少々強く振って見る。
・しなった頂点(ピーク)が竿のどのあたりに作られるか?
・一般的に、ピークが竿の中央あたりに作られる竿は、胴調子
・一般的に、ピークが竿先側に作られる竿は、先調子
・本調子は、その中間、しかし見極めは難しい。
・竿は、実際は使ってみないと分りません。なるべく希望する竿を見つけたいものです。
画像上:鉄心斉 白蛇峰 13尺 本式本調子 穂先1本物 平成14年作
(対応状況:2.5メートルまでの底釣り・1メートルぐらいからの宙釣り)
画像下:京樂 瑞祥 13尺 本式胴調子 合わせ穂先 1997年作
(対応状況:2メートル以上の水深)