記事の要旨は以下。
安倍晋三前首相の突然の退陣による「急場の代打」のイメージが強い菅義偉新首相が、就任直後の内閣支持率調査で、読売新聞・74%、共同通信・66.4%、朝日新聞・65%と、いきなり高打率を記録した。といっても、安倍政権末期の低迷の反動、新首相登場の「ご祝儀回答」による一時的な高人気の可能性もある。
ただ、田中角栄元首相と並ぶ「たたき上げ人生」、自民党首相で初の「無派閥」リーダー、横浜市議出身の「地方議会経験首相」、自民党では海部俊樹元首相以来の「非世襲首相」(森喜朗元首相は祖父と父が町長経験者)といった点も、人気を呼んでいる隠れた原因で、多くの国民が久しぶりの「庶民派首相誕生」に好感を抱いたのかもしれない。
筆者は菅首相にはインタビューで何度も面談してきた。昔の手帳を見ると、「2008年4月14日午後4時~、自民党選挙対策総局長取材」というメモがある。
その後、12年12月に第2次安倍内閣の発足で官房長官となった。13年9月26日、官房長官の菅氏を初めてインタビューした。最近では、新型コロナウイルス襲来後の20年4月5日と6月21日に計2回、共に1時間余、コロナ対応、政治情勢、今後の課題などについて、幅広く質問し、回答を得た。※「東洋経済オンライン」7月10日(→記事)・11日(→記事)・12日(→記事)の公開記事「菅官房長官インタビュー・第1部~第3部」に収録。
ここまでのインタビューで得た発言の中から、菅首相の素顔、政治家としての原点、独自の考え方・発想・信念、政治リーダーとしての信条や構想するビジョンなどを知る手掛かりの言葉を拾い出し、等身大の姿を探った。