みなさんは課題の資料を調べるとき、どのような方法で探されていますか?
【yahoo!やGoogleで検索】
ヤフーやグーグルで、企業名や商品名から検索される方も多いのではないでしょうか。
【公式ホームページを参照】
宣伝会議賞の場合、課題のページから協賛企業の公式サイトにリンクが貼られているので、まずはホームページを見に行かれる方もきっと多いですよね。
もちろん、私も企業の公式HPは必ず見に行きます。商品やサービスだけではなく、会社概要や事業内容、商品ごとのコンテンツや動画、CSRなどもすみずみまで見て、気になった言葉はコンテンツノートに書いていきます。
【採用サイトもチェック】
さらに、採用情報のページもチェックします。特に新卒サイトは「会社を知る」「事業を知る」などのコンテンツがわかりやすくて、おすすめです。
第56回宣伝会議賞の課題では、パナソニックが人材募集、FIXERが「クラウドエンジニアが日本のなりたい職業ランキング第一位になるためのアイデアを募集」とあるので、採用サイトは大いに参考になります。
【図書館に行こう】
今はインターネットでも必要な情報が手に入りますが、私のおすすめは図書館です。
写真は東大阪市役所のすぐ向かい側にある「大阪府立中央図書館」3階の中庭です。
建物内にレストランやカフェもありますが、すぐ目の前にイオンもあるので、一日中ゆっくり資料を探すことができます。
【子ども向けの本がわかりやすい】
図書館のなかでも、見やすい資料が見つかるのが、子ども向けの本棚です。
例えば、「中学生が本物の「仕事」をやってみた!職場体験学習に行ってきました」(発行:株式会社学研プラス 2016年第1刷)の13巻は、「伝統工芸の仕事」。
2018年の協賛スポンサー「一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会」の課題に役立ちそうだと思いませんか?
同じく子ども向けの本では、「キャリア教育支援ガイド お仕事ナビ」(発行:理論社 2017年10月第1刷)の12巻「ITに関わる仕事」で、yahoo!JAPANのAI研究者の方がインタビューに答え、仕事内容や1日の流れ、仕事に就いたきっかけ、やりがい、仕事で大変なこと、こだわりの7つ道具について詳しく紹介されています。
今年のヤフーの課題「世の中の技術者が、yahoo!JAPANの技術者たちと共にはたらきたくなるキャッチフレーズ」のヒントになるキーワードがここから見つかるかもしれません。
ほかにも、子ども向けの本には、建設の仕事や金融・保険について、そば打ち職人、インターネット、ものづくりについてなど、わかりやすく書かれた本がたくさんあります。
こうした本からオリジナルの言葉、インタビューからキラッと光るメッセージを見つけることができれば、それが「発見のあるコピー」「独自性のあるコピー」につながる可能性は十分あります。
【専門雑誌は情報の宝庫】
大きな図書館には、普段は書店であまり目にしないような専門誌も、最新号からバックナンバーまで揃っています。わからない専門用語も多いのですが、「AIの技術はここまで進んでいるんだ」「そうか、業界にとってはここが最重要課題なんだ」と発見の連続。ものづくりや建築、飲食の業界誌を見ると、一歩踏み込んだ資料が見つかります。
「現代数学」(現代数学社 発行)という雑誌には、数学者へのインタビュー、数学こぼれ話などの興味深い記事もありました。これは今年の課題「日本数学検定協会」のキャッチコピーを書くのに役立ちます。
【専門書にもコピーの種】
図書館の棚には、あらゆる専門書が並んでいます。一つのことについて長年研究されている著書も多いので、目からウロコの情報が見つかります。
しょうゆ、チョコレート、焼酎、そば、日本茶、パラチノース、ホース、コンタクト、リフォームについて、専門書を探してみるのも面白いと思います。インターネットよりもさらに詳しい情報に出会えることがよくあります(ただし、発行年の古い本は情報が今とは違っている場合もあるので確認が必要です)。
【蔵書検索もおすすめ】
図書館内には、OMRISという端末があり、キーワードで資料を探すことができます。そのまま借りることができる本もあれば、館内閲覧のみの本もあります。
インターネットでも検索できます。
◆大阪市立図書館 蔵書検索
http://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?page_id=266
大阪市立中央図書館だけでなく、大阪市内の図書館でも本を受け取ることができます。
◆大阪府立図書館 蔵書検索
http://www.library.pref.osaka.jp/central/taimen/search/
大阪府立中央図書館と大阪府立中之島図書館で本を受け取ることができます。
大阪以外、全国の公共図書館はこちらで検索できるようです。
◆日本図書館協会
http://www.jla.or.jp/link/link/tabid/172/Default.aspx
私は取材をするときは「準備が7割」と考えていて、これはコピーを書くときにも共通しています。どれだけその商品やサービスについてよく知っているか、独自の見方や考え方を持っているか、金脈に辿り着くほど深掘りできたかが、コピーの奥行きにも関係してきます。
やさしい短い言葉で表現されるだけに、「思いつきでも書けそう」と思われがちですが、コピーの世界は深いです。だからこそ、一度ハマると夢中になり、無我夢中で出口を見つけて走り続けたくなります。
どの資料を見つけるか、何を発見するかは、大御所のコピーライターもアマチュアも平等だからこそ、面白いコピーの世界。ぜひ、資料探しも楽しんでください。