その近くでも、谷間に取り残されたような街もあって、そういうところの建物やたたずまいを見ると、古いゆえの懐かしさも感じられるのである。
場所は、地名でいうと千束とか松が谷というあたり。
私みたいな古手の人だから、そう思えるのかも知れない。
昔ながらの酒屋らしく、一流醸造メーカー、ビール会社の看板が一様に古い。
多分配達ばっかりで、店売りの客は来ないみたい。
歩いている爺様も、こうもりに荷物を引っ掛けて担ぎ、何のてらいもなく歩いているのだった。
剥げた代紋じゃないが、森永のマークがあったことだけは歴然とわかる斃屋。
牛乳のお店だったらしいが、シャッターが閉まっていて、壁の亀裂も目立つ。
なのに何故か緑に囲まれていて、そういえば冷房の室外機が三つ、うちひとつは新しいみたいなのだ。
写真が右肩下がりなのは皮肉じゃなく、写すときの構え方が傾いてしまったのである。
街に歴史と、住む人の物語りが刻まれたような雰囲気が感じられるのだった。
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