西日の逆光を背に、すっくと立ち位置を決める一本の樹木のシルエット。 ファッションショーのステージ上のモデルみたいに、破綻をみじんにも感じさせまいとする樹木である。 街を彩る植木だから、植木屋が剪定したものと思う。 しかし、任意の地点から、任意の角度から眺めて、全く過不足のない、疎密の偏りのない立ち姿は、樹木に、完全無欠を見てもらいたいとの意思があるかの如くである。