ヘリからのテレビ映像を固唾をのむようにして見守ったが、自然の計り知れない猛威にただ恐れを覚えたのでした。
東日本大震災のとき、大津波が集落や大都会や港湾を蹂躙して、家、車、船などをひとたまりもなく押し流してしまった。あの時の映像も人間の無力さをまざまざと思い知らされた、その感じが今、再現されたみたいに目に突き刺さったのでした。
濁流の中で電柱にしがみついて救助を待つ男性。
瓦屋根の上に犬を抱いて、そしてその家は上流から流れてきて、鉄筋の建物に引っかかって止まっている家。
ヘリで助けに来た自衛隊員も、用心深く現場にロープを伝って降りる。苦心しながら慎重に一人づつ抱き取って釣り上げる。
老いも若きも子供も犬までも苦労しながらヘリに回収する。
日が暮れるまでそうやって救助したが、7人ほどは行方不明になってしまっている。
助かった人も、家を失くしてしまったのだろう。農業だって大打撃のはずだ。
それでも、東日本のときよりも、僅かな救いは、放射能が飛散していないことだ。
福島の原発では、いまだに放射能で汚染された地下水が1日200トンも湧き出しているので、毎日汚染水をタンクに収容せねばならない。メルトダウンしてしまった燃料棒は放射能を発散したまま、炉心に残されていて、人力では取り出せない。
そういう途方もない後始末が残るのだから、原発は本当に続けるべきではないのだ。
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