ちびた君の話。
ちびた君は、わが家に来た当初、ガリガリではげちょろけで風邪引きでムシダラケのばっちいちゃんでした。
腰のあたりに渇いた血液がついていました。
獣医さんが『多分助からない』と思ったほど弱っていましたが、幸いご飯には反応してくれて。
みるみる元気になってくれました。
人の顔をみると一生懸命寄ってきて、オヒザの上でグーグー言う甘えん坊で、
怖がって段ボールに入れなくて、
何度教えてもなかなかトイレでおしっこが出来なくて、
小さい時の栄養不足のせいか、がっついて食べるのでお腹壊してぴーぴーになったり、
今も牙以外の歯が小さいので、大きな固いものは苦手。
ちょっと冷えると目やにがでます。
兄弟たちと遊んだ期間が短かったのか、にゃんこ同士のコミュニケーションは苦手。
いつも一緒に遊びたくて走って行くけど、
ほくちゃんには猫パンチされて、シャーって言われて。
小鉄に甘えに行くと、小鉄はペロペロしてくれるからお返しにがぶがぶしたらやっぱり猫パンチされちゃって。
今日もグーグー甘えて来ながら私の首とか顎をかじってました
想像するに
ちびた君はもともと飼い猫で
兄弟にゃんこと段ボールに入れて捨てられて
もしかしたら兄弟にゃんこはカラスとかに突かれて
ちびた君はからがら逃げ出したけど
お腹すいて途方にくれて
うちにやって来たのかも。だからしつけも、にゃんこの礼儀も知らなくても仕方ない。
そう思うと、
時々お布団に粗相しちゃうのも、
しょっちゅうご飯を欲しがるのも
誰彼かまわず甘えていくのも
今まで不足分の埋め合わせ。
生きていてくれるだけでいい。
そんなふうに思わせてくれる存在として生まれてきたのかもしれないと。
そう思えるのです。
思い返せば、ちびた君を保護した帰り道、
自転車の前カゴのちびた君に、『幸せになるんだよ』と、通りすがりに三人もの人が声をかけてくれました。
がぶがぶするのは、ちびた君の愛情表現。
多少いたいのはガマンするかな。
小鉄の教育でペロペロに変わる日を待ちながら
やっぱりかわいい〓と胸が熱くなるのです。
この世に生まれた命が、みんな幸せに生きますように。