【第6部(298)】 3月15日(木) 岸枝の家出
後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹 倉田てつを
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾 平田満
木村吾郎 大沢樹生
本間和子 羽田美智子
本間定彦 古舘伊知郎
加瀬田岸枝 中原ひとみ
屋台の店主 今西正男 :長屋近くのおでんの屋台
美村千枝子 川田美香
子供たち 浦野裕介
岩崎智裕
後宮千景 渡辺亜里沙 :春樹と真知子の娘(赤ちゃん)
美村蘭子 佐藤友美
角倉信枝 佐々木すみ江
加瀬田修造 橋爪功
・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★
加瀬田家
「お父さん、蘭子さんと会ってるわ」 和子が言う
「吾郎くんのことで何かご相談でしょ」
「御母さん、いつまでそうやって目をつぶっているの! 浮気してるわ」
「何もないわよ。あるにしても気持ちだけよ」
「‥‥もっとみじめじゃない! 気持ちが通い合ったら浮気以上じゃない!」
「それぐらいでやめとけ。
事情は良く知らないけど、お義母さんだって考えてらっしゃるよ」
定彦がとめる。
「恥ずかしい話聞かせちゃって。 あの人のこと軽蔑しないでやってください」
「身内じゃないですか」と定彦はいい、「お義父さんの気持ちもわかる」とつけると
和子は「なによそれ、あなたも浮気するの?」とつっかかる。
今度は岸枝が
「いい加減なさい、夫婦喧嘩してないで赤ちゃんを早く。
千景ちゃん見てると、ほんとうらやましいわ」と言う。
そこに修造が帰宅、「吾郎くんとちょっと‥」と言い訳すると、
和子が「蘭子さんって人がついてるんだから任せたら?」とピシリ
蘭子の家
布団に横になりながら、屋台で聞いた修造の話をする蘭子と吾郎
「あんたも仕事で悩みがあるの?」
「あれは、加瀬田さんを引き止めるためだよ、たいしたことないよ。
自分で始末つける」
「大人になったのね」
長屋の路地
朝、岸枝は出勤前の吾郎に話し掛ける。
「昨日は、ずいぶんゆっくりだったわね、どんな話をしたの?」
吾郎は、蘭子から聞いた話をした。
「紙芝居のセリフを忘れたとか、朝はやく目がさめるとか、人の名前を忘れるとか。
年とるってのも大変ですね、うちの親もああなっちゃうのかな」
岸枝は、ショックを受ける。
修造に老いの兆候が見えたことではなく、
自分には話してくれないのに蘭子にはうちあけた‥‥ということに である。
後宮家
春樹は家での仕事なのをいいことに、飽きずに千景の顔を見る。
そこに修造が「うちのが来てないか?」と訊きに来る。
昼ご飯の用意はしてあるのだが、岸枝がいないというのだ。
加瀬田家
昼ご飯の用意された卓袱台の上に、封筒。
それは岸枝からの手紙で
「考えたいことがございます、しばらく家に戻りません、申し訳ございません」と
あった。
後宮家
久しぶりに5人で食べる夕飯
謙吾は、犬張子を売るためにおもちゃ屋をまわっているうちに、
メインは犬張子の、郷土玩具の店を開こうと考えたと言う。
信枝も、佐渡のおもちゃなら商いをしているひとがようけおるから紹介するという。
そして、悠起枝も謙吾も、その店に本腰を入れたいから
養護施設には参加できない という。
春樹も真知子も、それに賛成する。
すると信枝と悠起枝が「駅で加瀬田さんの奥さんを見かけた」と言い出す
旅行カバンを持っていた、旅行かな、と信枝。
顔を見合わせる真知子と春樹は、修造の家に行ってみる。
加瀬田家
「加瀬田さーーーん!?」 外で真知子たちは呼ぶ
修造は電気もつけずに一人、横になっていた
(つづく)
後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹 倉田てつを
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾 平田満
木村吾郎 大沢樹生
本間和子 羽田美智子
本間定彦 古舘伊知郎
加瀬田岸枝 中原ひとみ
屋台の店主 今西正男 :長屋近くのおでんの屋台
美村千枝子 川田美香
子供たち 浦野裕介
岩崎智裕
後宮千景 渡辺亜里沙 :春樹と真知子の娘(赤ちゃん)
美村蘭子 佐藤友美
角倉信枝 佐々木すみ江
加瀬田修造 橋爪功
・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★
加瀬田家
「お父さん、蘭子さんと会ってるわ」 和子が言う
「吾郎くんのことで何かご相談でしょ」
「御母さん、いつまでそうやって目をつぶっているの! 浮気してるわ」
「何もないわよ。あるにしても気持ちだけよ」
「‥‥もっとみじめじゃない! 気持ちが通い合ったら浮気以上じゃない!」
「それぐらいでやめとけ。
事情は良く知らないけど、お義母さんだって考えてらっしゃるよ」
定彦がとめる。
「恥ずかしい話聞かせちゃって。 あの人のこと軽蔑しないでやってください」
「身内じゃないですか」と定彦はいい、「お義父さんの気持ちもわかる」とつけると
和子は「なによそれ、あなたも浮気するの?」とつっかかる。
今度は岸枝が
「いい加減なさい、夫婦喧嘩してないで赤ちゃんを早く。
千景ちゃん見てると、ほんとうらやましいわ」と言う。
そこに修造が帰宅、「吾郎くんとちょっと‥」と言い訳すると、
和子が「蘭子さんって人がついてるんだから任せたら?」とピシリ
蘭子の家
布団に横になりながら、屋台で聞いた修造の話をする蘭子と吾郎
「あんたも仕事で悩みがあるの?」
「あれは、加瀬田さんを引き止めるためだよ、たいしたことないよ。
自分で始末つける」
「大人になったのね」
長屋の路地
朝、岸枝は出勤前の吾郎に話し掛ける。
「昨日は、ずいぶんゆっくりだったわね、どんな話をしたの?」
吾郎は、蘭子から聞いた話をした。
「紙芝居のセリフを忘れたとか、朝はやく目がさめるとか、人の名前を忘れるとか。
年とるってのも大変ですね、うちの親もああなっちゃうのかな」
岸枝は、ショックを受ける。
修造に老いの兆候が見えたことではなく、
自分には話してくれないのに蘭子にはうちあけた‥‥ということに である。
後宮家
春樹は家での仕事なのをいいことに、飽きずに千景の顔を見る。
そこに修造が「うちのが来てないか?」と訊きに来る。
昼ご飯の用意はしてあるのだが、岸枝がいないというのだ。
加瀬田家
昼ご飯の用意された卓袱台の上に、封筒。
それは岸枝からの手紙で
「考えたいことがございます、しばらく家に戻りません、申し訳ございません」と
あった。
後宮家
久しぶりに5人で食べる夕飯
謙吾は、犬張子を売るためにおもちゃ屋をまわっているうちに、
メインは犬張子の、郷土玩具の店を開こうと考えたと言う。
信枝も、佐渡のおもちゃなら商いをしているひとがようけおるから紹介するという。
そして、悠起枝も謙吾も、その店に本腰を入れたいから
養護施設には参加できない という。
春樹も真知子も、それに賛成する。
すると信枝と悠起枝が「駅で加瀬田さんの奥さんを見かけた」と言い出す
旅行カバンを持っていた、旅行かな、と信枝。
顔を見合わせる真知子と春樹は、修造の家に行ってみる。
加瀬田家
「加瀬田さーーーん!?」 外で真知子たちは呼ぶ
修造は電気もつけずに一人、横になっていた
(つづく)