ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

『君の名は』(284)

2007-02-27 15:19:30 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(284)】 2月27日(火)

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博 
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
水沢悠起枝  田中好子
角倉信枝   佐々木すみ江
浜口美子   とよた真帆
小松       小池榮:バー・ピースのマスター

        劇団いろは
        鳳プロ
        早川プロ

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

パーティーの翌日の朝
信枝は悠起枝の赤ちゃんが早とちりで残念だったが
本当にできたら倍喜べばいい‥‥と真知子に話す。
真知子は「そうでうすね」と言いながら、嬉しそうにしている。

春樹は「半年かかる」何かを考えているらしい。
真知子も「折り入って話がある、今じゃなく今夜話す」と、
ふたりは駅前のピースで会う約束をする。
  「もったいぶりたいんです」


 綾の店

山田医院の200着が完了し、
まだ年内に500は縫わなくてはならないと忙しくしているが
真知子は「今日だけ早く帰りたい」と頼む
「春樹さんとデート‥‥」

「真知子さーん朝からノロケるつもり?」
「仕事山ほどたまっているのにそんなのだめっちゃ」
小姑ですから‥‥ふざけると悠起枝と信枝。

 後宮家

春樹が出ようとすると勝則が柳子の家から出てくる。
徳枝が柳子と話し、「そんな不景気な顔なさらないで、歌いましょう」
と何やら励ます。
「しばらく、おらっしゃればいいじゃないですか。
 クリスマス、暮れ、お正月‥‥
 いつもはそんなこと感じないですが寂しいでしょう?  一人だと‥‥
 お相手が欲しかっったの」

 後宮家

「閉め出された?」
夕べ家に帰ったら美子が鍵ごと取り替え、
「開けろ」と怒鳴ったが美子はうんともすんとも言わず、
徳枝も腹に据えかねて、結局ホテルに泊まったのだという。
朝になり徳枝は一言も喋らず、こっちに歩いて来たのだという。

「生意気言うようですがキチンとで話し合った方がいいんじゃないでしょうか。
 僕から連絡とってみましょう」と春樹


 バー・ピース

春樹と勝則が待っている。

「来ますよ、確かに伺いますと確約いただいたんですから」

美子が入って来る。
初対面の挨拶をする春樹と美子。

勝則の向かいの席に座る美子、帰ろうとする春樹に「いて下さい」と頼む。

「俺と話ができないのか」
「後宮さんとお約束したんです。 どなたかがいらして下さった方が‥」


「夕べはどちらに泊まられたんですか?」
「帝都ホテルに」
「お母様と仲良くお二人で? 随時高級な所に泊まられたのね」
「閉め出しといて高級も何もないじゃないか」
「閉め出されるようなことするからです」
「なに?」
「‥‥浜口さん」と、少しとりなすように春樹。
「昨日はクリスマスイブよ? 忘れてたの? 
 今年は二人で過ごすって約束したじゃない。
 あなたまで後宮さんのパーティーに行くことないじゃない」
「僕が誘ったんです、奥さんにも来てほしかったんです」
「待ってたのよ、一人で」
「だから三人で一緒に行こうって言ったじゃないか」
「三人って‥‥たまには二人になりたかったの。 
 あたしはあなたのこといつも思ってる。
 だからあなたにも大事に思ってほしいの」

「僕だって大事に思ってるよ‥‥
 でもオフクロのことも大事なんだ
 僕をそう思ってくれるなら君もそう考えてくれないか、家族だろう
 三人は家族じゃないか」

泣く美子、春樹は席を立ち店を出る

「家族か。子どもができればあの二人もうまくいくだろうな」


真知子がちょうど来る
「春樹さん? どうしたの?」
「お店いっぱいなんだ」

真知子を抱き寄せる春樹

「ずっと二人がいい。この先ずっと、僕たちは二人がいい」
それは真知子へのいたわりから出た言葉だったが‥‥

真知子にはショックな言葉だった



(つづく)

─ 『君の名は』(283) あの頃あの歌 ♪東京の恋歌

2007-02-26 08:00:00 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(283)】 2月26日(月)

あの頃あの歌
東京の恋歌

作詩・   石本美由紀
作曲・編曲 平川英夫
唄・    鳴海日出夫


クリスマス・イブを迎えてダンスホールはどこも満員
いろいろと趣向を凝らすパーティーは、現在と変わらない。
盛り場を行く人の波も深夜まで

昭和28年当時
クリスマスケーキはおよそ350円だった。

▼『君の名は』 第6部 第48週 (283)

2007-02-26 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
▼『君の名は』第6部 第48週

原作:菊田一夫『君の名は』より
脚本:小林政広
音楽:池辺晋一郎 演奏:東京コンサーツ

題字:篠田桃紅
考証:松平 誠   考証協力:天野隆子
方言指導:佐渡稔、山中篤

語り:八千草薫


出演


後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博 
角倉信枝   佐々木すみ江
木村吾郎   大沢樹生
石上梢     河合美智子
加瀬田和子  羽田美智子
あさ      伊藤嘉奈子
美村蘭子   佐藤友美
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
住職      鈴木清順
加瀬田岸枝  中原ひとみ
町田医師   山崎 満 :真知子の妊娠を告げた医師
美村千枝子  川田美香
石上俊樹   ジョージ・ネルソン  梢の息子、俊樹
少年      鮎川昌平 :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
         杉浦明彦 :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
         上村裕樹 :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
         古原鉄平 :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
少女      常松めぐみ :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
         勝又祐子 :吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
 
        鳳プロ

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
加瀬田修造  橋爪功
小野瀬綾   いしだあゆみ



制作統括:石井 愼

美術:藤井俊樹 技術:渡部浩和 音響効果:太田岳二
撮影:中村和夫 照明:高橋伴幸   音声:佐藤勝彦 記録・編集:田中美砂

演出:三井智一


解説(副音声)関根信昭




・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 長屋の多比良の家

吾郎と子どもたちが部屋の飾り付けをしている。
千枝子は台所の信枝を手伝うと言い、真知子が来るのを待っている。

春樹が買い出しの荷物を抱えてやって来る。
多比良からの差し入れのワインを春樹に渡す吾郎。
入りきらないんじゃないかと心配する
住職とともに徳枝もやって来て、徳枝は台所を手伝う。

「住職がクリスマス祝うのってどんなかなぁ」
「耶蘇だろうが仏さんだろうがめでたいのはかわらないんだ」

そこに、綾、梢、俊樹、あさ
「メリークリスマス!」

「お客さん、あとどれくらいだよ」気にする吾郎


 町田産婦人科

産婦人科近くの道、真知子が歩いている
診察券を出して見て、涙ぐみお腹に手をあて妊娠の喜びをかみしめる。
粉雪が舞っている。

勝則が通りかかり話しかけるが、上の空の真知子。

「勝則さん。今日はパーティーに?」
「ええ、しばらくぶりにみなさんの顔を拝見しようと」
「美子さんは?」
「一緒に来る予定だったけど急な用事が」
「そうですか。‥‥‥‥こんなキレイな雪見るの初めて」

真知子は本当に嬉しそう。

 長屋

人数が多くなりやはり場所が変更、蘭子の家にゾロゾロと移動する一同。
通りかかった柳子も住職に誘われる。

徳枝の姿を見つけた悠起枝と謙吾が、先日の無礼を詫びるが
徳枝は
「あら何のことかしら、年とったせいか忘れっぽくなって‥‥」と言い
赤ちゃんができたんだから早いけどお祝いだと、
悠起枝たちが返そうとした金を受け取らない。

妊娠してはいなかったことをまだみんなに言っていない悠起枝だった

真知子が勝則と一緒に帰って来てパーティーが始まる。

 加瀬田家

岸枝が熱を出して寝ている。
「お母さんならあたしが見ているから大丈夫よ」

和子に言われて修造はパーティーに向かう。

パーティーがはじまった。

真知子は妊娠のことを春樹に伝えたいが、慌ただしくなかなか伝えられない。

春樹の挨拶のあと、修造の乾杯の音頭。
食べて飲んで盛り上がっている中、 謙吾と悠起枝が立ち上がり
「あの~子どもできたと思ったの、あれ違いました~!」と報告
「申し訳ありません、お騒がせしました」と謝る。

真知子はいまここでみんなに伝えたい衝動に駆られた。
しかし春樹とまず分かち合いたい と思った

(つづく)


『君の名は』(282) 真知子、妊娠!

2007-02-24 14:26:30 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(282)】 2月24日(土) 真知子、妊娠!

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
水沢悠起枝 田中好子
木村吾郎  大沢樹生
石上梢    河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
加瀬田和子 羽田美智子
多比良良作 蟹江敬三
角倉信枝  佐々木すみ江
本間定彦  古舘伊知郎
加瀬田岸枝 中原ひとみ
町田医師  山崎 満  真知子の妊娠を告げた医師
丸山邦夫  青柳文太郎
丸山豊子  井上牧子
美村千枝子 川田美香
子供たち  鮎川昌平  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        杉浦明彦  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        上村裕樹  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        古原鉄平  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        大豆生田信彰   吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        常松めぐみ  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む
        勝又祐子  吾郎が連れてきた孤児、多比良ルームに住む

        鳳プロ
        早川プロ

加瀬田修造 橋爪功
美村蘭子  佐藤友美
小野瀬綾  いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 長屋の路地

吾郎がまた男の子二人を連れて来る。
試験まで2ヶ月なのに人がいいと自分で言っている。
年の瀬なのにガード下や地下道で越すのはかわいそうだから‥‥なのだ。

春樹はクリスマスパーティーを企画していて、吾郎の使っている部屋を借りたいと頼む。
借金の返済も全て終わり、感謝の意味もこめ、
みんなと大いに盛り上がろうということのようだ。

謙吾さんのところの赤ちゃんのお祝いも兼ねればどうかと吾郎。
多比良さんに頼んでおくと言う。

 綾の店

営業がうまくいっていて、ピンク色の白衣は、
看護学校から50着、新設の病院から200着の発注をもらった。
さらに、150着を見込める病院のクマガイ理事長から電話が入る。

生地の手配、縫製など嬉しい悲鳴の綾たち。


 長屋

多比良が歌いながら来る

   窓に明かりが灯る頃~ いつものみ~ちを歩きま~す~

 後宮家

「クリスマスまであと8日かぁ、そろそろ準備しないとな」と春樹。
真知子は沢庵を切りながら指折り数え「2ヶ月‥‥」とつぶやく
信枝はキリスト教徒でもないのにパーチーかいと気が乗らないようだが、
「宴会でにぎやかにやるだけですよ。
 借金の返済が完了した記念に集まってもらいたいんですよ
 姉さんに子どもができたお祝いもしたいし、感謝の意味で」
「わかったっちゃ」

真知子は食欲がないが、もしや‥‥でも‥‥と考えるふう


 多比良の借りている部屋

子どもたちが遊んでいるところで吾郎と千枝子が勉強している。

遊んでくれ~とまとわりつく子どもたちに
「勉強中なんだ。
 戦争を繰り返さないために歴史を勉強するんだぞ、
 未来のために過去を勉強するんだ」と吾郎。

多比良が差し入れを持って入って来て、子どもたちと遊んでやる。

 加瀬田家

定彦がいつまでも居候しているので和子はイヤミを言うが、4人で夕飯を食べる。

「お前、まだ浜口さんの写真持っているのか」
「持ってるわけないじゃない。
 ‥‥聞いたのね? じゃ喋っていいってことなのね?」

嫌悪するような挑戦的な目で修造を見る和子。

「浜口さんとは会うな、二度と会うな」
「知らない」と出ていく和子を追う定彦

「僕も浜口さんとは会わない方が良いと思う。
 奥さんのいる人を好きになるなんて‥‥いやそれはいいけど‥‥
 それは自由だけど」
「なら‥」
「僕のことも少しは見て欲しい!
 浜口さんよりずっと君のこと思っていると思う、100倍ぐらい」

井戸の前で告白する定彦

「照れちゃうなぁ、見つめられると‥‥照れちゃうなぁぁ」


 後宮家

ラジオから流れるジングルベルを聞きながら、悠起枝と謙吾の子どもの名前を考える春樹。


 産婦人科

医者は、内診を終えて「おめでとう、3ヶ月だね」と告げる。
「出産予定日は7月20日ということになるかな」

嬉しさがこみ上げてくる真知子

「一度流産したことがあるけれど運よく授かったわけだしね、
 頑張ってみなさい」

「でも」(できないと思っていたのに‥ と言いたげ)

「必要なのはなんとしても産もうとする強い意志だ。
 あとは十分な栄養かな。
 母親が痩せ細っていちゃ元気な赤ん坊は産めんよ」

「ありがとうございます」


(つづく)


『君の名は』(281) 昭和28年12月16日、蘭子別れを切り出す

2007-02-23 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(281)】 2月23日(金) 昭和28年12月16日、蘭子別れを切り出す

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
本間定彦   古舘伊知郎
加瀬田和子  羽田美智子
小松      小池 榮:バー・ピースのマスター

        劇団いろは
        鳳プロ
        早川プロ

美村蘭子   佐藤友美
角倉信枝   佐々木すみ江
加瀬田修造  橋爪功

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 綾の店

真知子は営業に出るようになり、信枝も働くことに目覚め張り切っている。

悠起枝は「後で話がある」と真知子に言う。


 ガード下の駅

伝言版を見に行く修造、12月16日(木)の日付
「このところすれ違いが多いな」と呟きながら修造が振り向くと
柱の後ろから蘭子が微笑みながら出てきた。

 路地

「何ですか? 話って」
「あたしね、子ども勘違いだったのよ。ぬか喜びだったってわけ」
「まぁ‥‥ 謙吾さんには?」
「まだなの。やっと親方のところに復活したでしょ? 話しにくくって。
 でも今日中には絶対」
「春樹さんも残念がるだろうな」
「あたしまだ若いでしょ? だからきっとできるわ。
 真知子さんもそうよ? 諦めちゃダメよ! 
 昔、伊豆のお医者さんに何を言われたか知らないけど、諦めちゃダメ

真知子は頷いたが、自分にはこどは無理だろうと諦めていた。

 後宮家

勝則と定彦が来て、先日の話の続き。
勝則は、和子とはなんでもない、と説明するが、定彦は
「あなたが和子さんに対してどう思っているか聞かされたって仕方ないです、
 問題は和子さんの気持ちなんだから」
とくってかかる 

     恋するオトコだのう

「とにかくボクには特別な感情はありませんから」と勝則
「あんまりこの辺をうろつかないで下さいよ。
 それから、和子さんから連絡があったら会って下さい。
 そして、君のことを本当に思っているのは身近にいるとかなんとか
 ボクのことをそれとなくほのめかしてください」

      いじらしいのう

外、春樹が勝則を贈りに出る

「本間君、だいぶいかれているみたいだね」と勝則
「熱気を感じます」と春樹
「しかし、人を好きになっている時っていいよな」

「お母さん、お元気ですか?」
「最近、こちらにお邪魔していないからそわそわしてますよ」
「クリスマス・パーティ開く計画あるんです、
 良かったらお母さんと奥さんと3人で来てくださいよ」春樹は誘う。

 水沢家

悠起枝が帰ってくると、謙吾が晩御飯の支度をしている。
「どうしたの?」
「生活をきちんと重ねることしたくなってな」

悠起枝が、子どものことを言いあぐねていると
「子ども、ダメだったんだろう?」と謙吾
「どうして、それ‥‥」
「亭主だぞ? それぐらいわからんでどうする。今度がんばろうな。
 しかし長屋のみんなに知れ渡ったちまったしなー、どうしようか」

 バー・ピース

蘭子と修造が並んで座り飲んでいる。

「なんだか久しぶりね」
「この前、俊樹に会ったよ、大きくなったなんてもんじゃない、
 『おじいさん』って呼ばれたよ」
「つらいこともいっぱいあったけど、思い出っていいことしか残らないのね。
 梢にもいい人、見つけなきゃ」

笑顔で話す二人だったが、
「あのね、言うつもりなかったけど」と蘭子は、和子が勝則と会っていることを話す。

「和子さんに交換条件出されたの。
 あたしたちのこと言わない代わりに、自分達のことも言わないでって」

修造の笑顔が凍る。

「伝言版のことも知ってる。ここのことも。 会うの、最後にしましょ」



(つづく)

─ 『君の名は』(280) あの頃あの歌 ♪高原列車は行く

2007-02-22 08:00:00 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(280)】 2月22日(木)

あの頃あの歌 高原列車は行く

作詞・丘 十四夫 作曲・古関裕而  唄・岡本敦郎

昭和28年、師走
東京 日本橋では靴磨きコンクール
24人の選手により日頃の腕が競われた
上野には高さ33メートルのクリスマスツリーが登場
この頃になると歳末の風景も現在と変わらなくなる。

『君の名は』(280) 

2007-02-22 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(280)】 2月22日(木)

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
小松      小池 榮:バー・ピースのマスター
佐藤時彦   橘家二三蔵:長屋の住人(大工)
重松糸子   大坪日出代:長屋の住人
佐藤健二   日高圭智:長屋の住人

       劇団ひまわり
       劇団東俳
       早川プロ

角倉信枝   佐々木すみ江
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

春樹が謙吾に殴られた。 
「明日になったらもっと痛くなるんだから」と信枝に言われ、手当てをする真知子。

「どうしたんだろう謙吾さん、このままじゃ眠れないから理由を聞いてくる」と
穴に入ろうとする春樹

 水沢家

こちらは悠起枝が謙吾責めるが、謙吾は
「当然や! 殴られて当然や、あんなヤツ!」と語気が荒い。
「殴られていい人なんて、いないのよっ!」
「へぇー、俺が何してもじーっと耐えてきた悠起枝さんが、
 かわいい弟が殴られたとなると、そんなに怒るんやな。
 だったら春樹と一緒になれば良かったんや」
「見損なったわ!」
「ふん、どうだったってんだ!
 人畜無害の空気みたいな、誰からもいい人 と言われるような人生にうんざりしたんだよ!
 やなヤツに見られたいよ!」

「だったらなればいいじゃない! 勝手になりなさいよ! 私はゴメンするわ」
荷物をまとめて出て行く準備をする悠起枝

「ま、待てよ‥‥」 急に弱気になる謙吾。
「姉さん!」と春樹も穴から出てくる。

「もう別れるわ。せっかく子どもができたってのに、やってられない!」
と言い残し、出て行く悠起枝。

「春樹君、聞いたよな?」
「ええ」
「悠起枝、悠起枝~~~~~っ」 追いかける謙吾

 後宮家

祝杯をあげる一同。 悠起枝は無事戻ってきたようだ。

「春樹君が歌うの聞いたことないなぁ、お祝いでぱーっと歌ってくれよ」
「ああ、めでてぇなぁ」と信枝も嬉しそう

「あたしの産む子はみんなの子どもよ」と悠起枝

春樹と謙吾は、酔っぱらって二人で調子っぱずれの銀座カンカン娘を歌う

翌朝から、謙吾は犬張子に復活し、悠起枝は綾の店に出勤後
「現在、ワタクシ懐妊中なのでございます」と発表する


しかし数日後‥‥

悠起枝はしょんぼりと帰ってくる

謙吾が
「そんなところでどうした、風邪ひくぞ、もう少しで母親になるんだ、しゃきっとしろ」
と話し掛けると
「わかってる」と返事をする。


 バー・ピース

綾と真知子が来ている。

「ステキなお店ですね、今度春樹さんと来ようかしら」
「真知子さん、強くなったわね。悠起枝さんの妊娠のこと‥。
 他人のことで心から喜んであげられる人、いいわよ」

本題は、ピンクの白衣のことで、営業はうまくいかなかった。

「看護婦さんたちには評判良いんだけど、上に話すとダメ。
 患者さんから何か言われたらおしまいだ‥‥って。
 病院と言えども、客商売ってことよね」
「でも患者さんのいない病院なんて‥ありませんものね」

「あ、そっか! そこ、当たればいいのか、患者さんいないところ」
「‥‥? 学校? 看護学校!」
「そうよ! それに実習に出たら本当の看護婦さんと区別がつくじゃないの。
 こっちはまだ見習いですって」

綾だけでなく真知子も明日から営業に出ることにしたのだった。


(つづく)
 


『君の名は』(279) 謙吾、春樹を殴る!

2007-02-21 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(279)】 2月21日(水) 謙吾、春樹を殴る!

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
加瀬田和子 羽田美智子
吉井勇    及川ヒロオ:犬張子の親方
多比良良作 蟹江敬三
角倉信枝  佐々木すみ江
住職     鈴木清順
小松     小池 榮:バー・ピースのマスター
酒井     速見 領  春樹に原稿依頼にきた白鷺出版の編集者

       早川プロ

深野柳子  樹木希林
美村蘭子  佐藤友美
加瀬田修造 橋爪 功

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 犬張子・吉井の家

春樹は吉井を尋ね、義兄・謙吾をもう一度働かせてくれるようにと頼む。
吉井はダメだ!の一点張りだったが、春樹も承知してくれるまで動かないと言い張る。
「あんた池にはまった姿三四郎みたいだな」と吉井。

 長屋の路地

住職が柳子を「柳子ちゃん」と呼び止める。
「私、ふかの と申しますの」とつれない柳子

住職は
「あなたがどういう儲け方をしようと関係ありませんから。
 でも、集団見合いの時にはうちの本堂をタダで開放しようと思ってね」
と言う。

 犬張子・吉井の家

吉井は、昔惚れていた女性が浅草でもぎりをしていたので、映画をよく見ていたと言う。
春樹と映画の感想を話し込む。
「羅生門」はわからなくて寝てしまった、などと言う吉井。

「謙吾も三四郎とは言わないが気風もいい、ガンコだし。
 イマドキ犬張子に興味を持つやつもいねぇ。
 職人は、親方の手元を見て技を盗むもの、
 馬鹿正直に『型抜き教えて下さい』と言われてもなぁ」
「謙吾さんもわかっていると思います」
「顔出すように言ってくれ、なんだかんだ言っても、後継ぐのは謙吾の他いねぇんだよ」

柳子が家賃の催促に来て、笑顔の吉井を驚いて見ているが
家賃は「ねーものはねーんだよっ!」と、払ってもらえなかった。

 駅 & バー・ピース

伝言版の前で蘭子を待ち伏せる和子 話があると言う

ピースでは、修造が1人飲んでいると、多比良が入って来て隣に強引に座る。




「話って何? こんなところにいたら風邪ひいちゃう」
「だったら、暖かいところに行きます? バー・ピースってお店知ってるんです」

ぎょっとしたように和子を見る蘭子

「お父さんに、浜口さんと会っていたこと、黙っていてほしんです」
「知ってたの? 交換条件ってコト? ‥‥ 会っちゃいけない?」


ピース

柱時計をみる修造に、多比良は話し掛ける。
「長屋のあの辺、いいですね。
 1人になりたくて寝転がりに行くと、大根を切る音とか布団をパタパタする音とかね。
 ほしい物は手にしてきた私だが、あの音は手に入らない。
 ‥奥さんに娘さん、もう1人の女性‥‥ いいよね」

 後宮家

出版社の酒井が春樹に来年の分の原稿を依頼に来ているが、
「ちょっと考えていることがあるから‥」と断る春樹。

悠起枝は、謙吾を待ちながら「食べちゃお!」と食べ始める。
しかし、新聞の「昭和28年12月6日」の日付に目を止め
指折り数え「むふっ、まさか」

酔って帰ってきた謙吾は、春樹が原稿を断っているのを聞き、
「いいご身分だなぁ」と話し掛ける。

春樹は、犬張子の親方が顔を出すように言っていたと伝えると
余計なお世話だと怒り、春樹を殴る


(つづく)

『君の名は』(278) 謙吾の反乱

2007-02-20 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(278)】 2月20日(火) 謙吾の反乱

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博 
本間定彦  古舘伊知郎
木村吾郎  大沢樹生
石上梢    河合美智子
あさ     伊藤嘉奈子
美村千枝子 川田美香
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
住職     鈴木清順
角倉信枝  佐々木すみ江
飲み屋の女 幸田菜穂子 :謙吾のツケを取立てにきた酒場の女
        富田三千代 :謙吾のツケを取立てにきた酒場の女
飲み屋の女 上田博美  :謙吾のツケを取立てにきた酒場の女 
        千田みき   :謙吾のツケを取立てにきた酒場の女

        早川プロ

加瀬田修造  橋爪功
美村蘭子   佐藤友美
深野柳子   樹木希林
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 水沢家

年末になり、謙吾のツケを取立てに来た酒場の女たち、事態を収拾したのは徳枝だった。

覗いていたヤジウマたちも帰っていき、様子を見に来てた定彦は、勝則に話があるからと
春樹も同席してくれと場所を移す。

悠起枝がお礼を言い、謙吾にも「浜口さんにもみんなにも謝りなさいよ」と言っても
謙吾はソッポを向いたままである。

徳枝は謙吾にも悠起枝にも一言いいたい‥‥と言い、
ここに私が最初に来た頃のような仲のよさがない、と諭す。

しかし、謙吾はよけいなお世話だ、山手の奥様が家での不満で長屋に来てるくせにと反論。
「おばさんだって、いい迷惑だって言ってる」とまで言う。

 後宮家

定彦は、春樹君のところしかないだろう、と上がりこんだはいいが
なかなか話し出せない。
「何なんだよ」 つい語気が荒くなる勝則、定彦は半分泣いて飛び出していってしまう。

「和子さんのことですよ」と春樹が言い、ハッとした表情になる勝則

そこに真知子、信枝、徳枝が戻って来る。
「健吾さんのことなら気にしないで、気が立ってただけらから。迷惑なんて思ってない」
と信枝がとりなしたが
徳枝は
「今日は帰ります。勝則さん、どこかでご飯食べて帰りましょう」
と、帰ってしまう。

 水沢家

悠起枝は食事をはじめる
「食べないの? このお魚、安くておいしいのよ」
「皮肉か? 甲斐性がなくて安い魚しか買えなくて、すみませんね」
と謙吾は言い、風呂行ってくる と出て行く

 後宮家

信枝は、徳枝がつくって行ったカキ鍋を見て「あらーおいしそう」とちゃっかりしている

「どうしたのかしら、謙吾さん‥‥」
「仕事やね、働かん人間はだめなんら」 ピシッと言い放つ信枝
「ぼくたちのせいもあるからな、責任感じます」
「そんな、もう1年も前のことら」
「親方にヒマ出されたのが、よっぽどショックなのよ‥」
「本気で怒ってるんだろうか」
「健吾さん、一途なところがあるから自分からは頭下げるのできないだろうし」
「戻るの、来年になっちゃうかな」
「年越すのまずいよ。 来年からはみんなで出直さないと‥」

春樹は、健吾を許してやってくれと頼みに行くことにする。

 柳子の家

集めた家賃のお金を数える柳子、住職が来ている。

「柳子ちゃん、商売、手広くやってるねー、あれ知ってるよ、結婚相談所」
「あら、ワタクシは何も‥‥」

「あの奥さん、若い頃は美人だったろうなぁ」と話をかえる住職
「そうかしら」
「それに、修羅場くぐってきたんだろうなぁ」
「そう?」
「そうじゃなきゃ、あんなタンカきれないだろう」

 長屋の路地

暗闇でばったり会った蘭子と修造が話をしていると、柳子の家から住職が出てくる
「明るいところで話せばいいのに」とチクリ

 綾の店

梢がミシンを踏み、ピンクの白衣の試作品を縫っている 直線縫いだったけど‥

縫い終わり、みんなに見せると、「これいいわ」「あたし着たい」と評判がいい。
真知子は鏡を見ながらあててみる。


(つづく)


▼『君の名は』 第6部 第47週 (277)

2007-02-19 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
▼『君の名は』 第6部 第47週

原作:菊田一夫『君の名は』より
脚本:小林政広
音楽:池辺晋一郎 演奏:東京コンサーツ

題字:篠田桃紅
考証:松平 誠   考証協力:天野隆子
方言指導:佐渡稔、山中篤
犬張子指導:飯田省三

語り:八千草薫


出演


後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博 
木村吾郎  大沢樹生
石上梢   河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
美村千枝子   川田美香
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
本間定彦  古舘伊知郎
角倉信枝  佐々木すみ江
飲み屋の女 幸田菜穂子 
        富田三千代 
飲み屋の女 植田博美 
        千田みき 

        早川プロ

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
小野瀬綾   いしだあゆみ



制作統括:石井 愼

美術:藤井俊樹 技術:沖中正悦 音響効果:田中正男
撮影:安田熙男 照明:阿部周一   音声:谷島一樹 記録・編集:田中美砂

演出:吉田雅夫
   林 可奈子


解説(副音声)関根信昭


・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 綾の店

綾が大量に買い込んできた布地の使い道について、みんなでアイデアを持ち寄った。
真知子は看護婦さんの白衣がいいのではないかと提案する。

「白衣って白って決まってるじゃない」と梢
「白衣の天使っていうでしょうが」とあさ
「だれが決めたの? それは心の問題です」

「看護婦さんの白衣が、白じゃなきゃいけないっていうきまりはないってことよね。
 で、けがれのない心で患者さんに温かく接していれば、
 着ているものが白い必要もない‥‥と」
「そうなんです」
「ずっと白衣は白に決まってるんだから、変えるの大変なんじゃない?」
「そうかしら真知子さん良いところに目をつけたと思うわ。
 これだけのものをさばくには制服や白衣いいと思う。
 1着や2着じゃないでしょ?
 単価は安いけど何百の発注になるし、
 デザインはかわらないからずっと売れ続けるってことも考えられる」と悠起枝
「作っても売れなかったらどうにもならないわ」と梢

「あたしが看護婦さんなら着てみたいわ。
 白がイヤだというわけじゃないけどたまには違う色を着てみたいし、
 この色目なら白とかわらないし‥‥
 顔が明るく見えて、病気の人も和らぐと思うの」

話し合った結果、
モードファッションを取り入れたデザインにしてやってみようということになり、
試作品の作成にとりかかる。

「ものを作るのは人を好きになるのとおなじなのよ。
 品物を愛して、愛した自分を信じて疑わないで」

綾はそう言い、外回りに出た。


試作品作りをしているうちに時は12月になっていた。


 後宮家

ある夜、定彦が来る。
今夜も徳枝が晩ご飯の準備、かき鍋にするという。

定彦は、真知子たちの様子を聞き
「みんな活気があるなぁ、オレも見習わなくちゃ」
と元気なくいう。

二階に移動した定彦は春樹に相談する。

「僕は和子さんに恋したみたいなんだ」
「恋?」
「二十歳ぐらいから知ってるだろ? かわいいとは思っていたが‥‥
 ここにきてググッと大いなる高鳴りを見せて、結婚の対象に考えはじめている」
「すごいじゃないですか、告白したんですか?」
「いや」
「どうして」
「今現在、彼女の家に住んでいるし、彼女の部屋にいるんだよ‥‥。
 二人っきりになるチャンスはあるわけで」
「じゃあ言えるじゃないですか。
 度胸決めて言えばいいんですよ」
「君は言えました? 正面きって、好きだ、結婚してほしい‥‥
 言えました?」
「したかな‥‥」
「確かに波乱にとんだ恋愛であった。しかしそんなこと言わんでしょう。
 言わなくてもいい状況で言われなくてもいい展開で、結果言わなかったでしょう。
 未だそういう状況に至らずということは、
 僕の恋愛は片思いの悲恋に終わる運命なんだ」
「そんなことありませんよ、本間さんには本間さんの」
「彼女、浜口さんに惚れてるんだ。
 よりによってあんな奴にさ‥‥やっぱりオレはだめなのかね」


そこに階下から真知子の声

「大変!春樹さん!大変なの」

「どうしたんだよ」
「謙吾さんのところに女の人が。
 一人二人じゃなくて乗り合いバスがいっぱいになるぐらいの‥‥!」

 水沢家

「今日こそ払ってもらう」だの
「黙ってたってわからないじゃないの」
「奥さん、なんか言ったらどう」
「あんた、おっかさんだろ、息子の責任をとりな」

謙吾の飲み屋のつけの請求書を持って来たのだ。

「スミマセン」と謝る謙吾
「スミマセンは聞いたわよ、それより全部あわせて7280円払ってよ」
「払えません」

「何だって? 師走はみんな苦しいの、払えないんだったら今すぐ首くくるかい!」

そこに割ぽう着をはずし、穴から出てくる徳枝。

「おやめなさい!
 なんですかあなちち、女だてらに大きな声出して。
 みっともないと思いませんか」
「部外者は引っ込んでな!」
「あたくしは部外者じゃございませんよ」

長屋の住人も覗きに来る。
ちょうど勝則も来て「にぎやかですね」とはなしかけ、水沢家を覗く。


「ご存知ないなら聞かせてさしあげましょう。
 ここに住んでいる人はみんな、兄弟なんですよ、
 部外者なんて一人もいやしないんです。
 だいたいなんですか、1万円ほどのお金のことで首をくくれだなんて
 住まいは粗末かも知れませんが、
 ここに住んでいる人の値打ちをお金で見積もられてたまるもんですか」

いつの間にか正座する女たち

徳枝は財布を出して払うというと、端数の280円は要らないと飲み屋の女が言う

顔を上げられない謙吾たち



(つづく)


『君の名は』(276)

2007-02-17 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(276)】 2月17日(土)

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
水沢悠起枝  田中好子
石上梢     河合美智子
木村吾郎   大沢樹生
多比良良作  蟹江敬三
本間定彦   古舘伊知郎
加瀬田岸枝  中原ひとみ
あさ      伊藤嘉奈子

        劇団ひまわり
        劇団いろは
        劇団東俳
        早川プロ

加瀬田修造  橋爪功
深野柳子   樹木希林
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 綾の店

真知子はいいアイデアがあるので早出してきた。
しかし綾の店はカギがかかっており、真知子は「綾さん?」と言いつつカギを開けて入る。
そこに、綾はかごいっぱいのバナナを持って、朝帰り。

「綾さん‥、お帰りにならなかったんですか?」
「そう 見つからないようにと思ったんだけど‥真知子さん早出だもの。
 
 ゆうべは楽しかったなー。 多比良さんとずっと一緒だったの。
 海見ないかって言うの。 夜中に東京湾、一周よー? 初めてよ、こんなの‥‥。
 風がびゅんびゅん! 飛ばされないように、こうやってつかまってね」
「多比良さんに?」
「ちがうわよ、手すり! 甲板のこう、あるでしょ? 
 海から東京の街見て、ちっちゃいような、いとしいような‥ね‥」
「綾さんらしいわ」

 長屋の路地

吾郎が、浮浪児の子どもたちを連れて来て、空家にこっそり入れようとする。


 加瀬田家

和子の部屋。
春樹が定彦のお見舞いにやってきて、修造がお茶を出す。

「ゆうべはエライ騒ぎでhしたねー」
「殺されちゃったらしいね?」と修造
「自転車は?」と訊かれ
「相手が示談にしてくれて、新品にとりかえてくれるって。
 で、紙芝居のネタも新しいのにしようと思って」と修造。

和子の机にある『ああ、無情』に手をのばす。
勝則の写真が挟まっていることを知る定彦は、読ませたくないので、ひったくる。
「何するんだ」

外から、なにやら大声が聞こえ、外に出る春樹、定彦、修造。


 長屋の路地

柳子と吾郎が、部屋に入っていた子どもたちのことで、もめている。
「ダメなものはダメ」と柳子は子どもたちを追い出そうとする。

「どこから来たんだい? おうちは?」と春樹
「家なんてない、そこで変なやつにやられそうになってた。 上野の方から流れてきたんだ。
 空いている部屋があるんだ、暖かい部屋で寝せてやりたいって思って 

しかし、「そういうことは警察に、偽善はキライ」と柳子

その返事に、大声を出す吾郎。
そこに多比良が定彦のお見舞いにと籠入りのバナナを持ち、やって来る。

そして「ちょうど、部屋を探していた」と、半年分の家賃だと金を払い
「今日からよろしく」と柳子に言う多比良。

そしていきがる吾郎にこっそり金を渡し「これでウマイもんでも食わせろ!」と言う。

「この辺じゃみかけない骨のあるオトコだ!」と感激する吾郎。
春樹、定彦、修造は、ちょっと小さくなる。

 綾の店

ピンクの生地の使い道について、自分の考えを発表する真知子。

「白衣?」 「看護婦さんの?」

「白衣って白って決まってるじゃない」と梢
「白衣の天使っていうでしょうが」とあさ
「だれが決めたの? それは心の問題です」


(つづく)

『君の名は』(275) 修造、ペッちゃんこ!?

2007-02-16 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(275)】 2月16日(金) 修造、ペッちゃんこ!?

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博
本間定彦   古舘伊知郎
加瀬田和子  羽田美智子
小松      小池 榮 :バー・ピースのマスター
多比良良作  蟹江敬三
水沢悠起枝  田中好子
住職      鈴木清順
加瀬田岸枝  中原ひとみ
角倉信枝   佐々木すみ江

        鳳プロ
        早川プロ

加瀬田修造  橋爪功
深野柳子   樹木希林
美村蘭子   佐藤友美
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 ガード下の駅

修造が書き、蘭子が消した伝言板の文字「缶ピース7個」は、強くなった雨に濡れている


 バー・ピース

約束したわけではないのに、鉢合わせしてしまった蘭子と綾。
「誰と待ち合わせ?」 「教えな~い」 「相手が来たらわかるんだから教えなさいよ」
言い合う二人。

7時を指した柱時計を見て「缶ピース8個だったかしら‥」とつぶやく蘭子
「何? それ」 「なんでもない」

ハイボールを頼む蘭子

「待ち合わせ、多比良ゴンベイ?」
「そんな名前だったかなー?」
「あんたのオトコの名前なんて覚えちゃいないわよ」
「オトコ? そりゃ男性だけど‥」
「ちがうんだ、友だち?」
「そう! 友だち」
「何にもないの? ご立派でいらっしゃること」
「誰が」
「どっちもよ」

そこに多比良が入ってくる。

 長屋

その頃、コンビーフご飯を食べようとしている柳子のところに電話が入る。
加瀬田修造が事故にあい、車の下に入りぺっちゃんこだという。
慌てて、岸枝に知らせに行く柳子、岸枝は聞くなり、気を失ってしまう。

そこに住職が通りかかる

 バー・ピース

蘭子は、悪い酒になってしまい、綾と多比良にからむ。
「半年もつきあってるのにまだ何にもないの~?
 お酒、のみに来るまで半年? じゃ、手 握りあうのが4年後かしら。
 その後は、また4年後。 がんばれ多比良 がんばれ多比良」

綾に「蘭子さん!」と言われた蘭子は、一瞬正気になって言う
「切れないのよね、腐れ縁って。切ろうと思っても、切れないの」

雨はますます強くなってくる

 加瀬田の家

真知子たちが岸枝を介抱しにやって来るが、柳子は
「こういうことはハッキリ言いませんとね」と、容赦なく「もう無駄」という言い方をし顰蹙を買う。
岸枝はそれを聞いてまた気を失ってしまう。

住職は病院に電話をして確認、
ペッちゃんこになったのは自転車で、修造は本人はカスリ傷だと知らせに来る。

安心して、泣き笑いする岸枝。

 通り

蘭子は、綾と多比良を残して先に店を出る。
雨の中、カサをさして歩く蘭子は、人にぶつかってしまう。

それは勝則と和子だった。

「蘭子さん‥‥」

酔った頭で二人を見て、にっこり笑う蘭子。
まずいところを見られた‥‥という表情になる和子。
「失礼」と蘭子は去る。

「また会ってくださいますか?」という和子に勝則は「いや、それは‥」と答える


 長屋の路地

夜中、修造が足を引きずりながら帰ってくる‥‥


 後宮家

翌朝。 真知子は「すごいこと考えたの!」と春樹に抱きつく 


偶然、通りかかった柳子、
「すみませんね、朝から買い物っていうのもなんですけど」


(つづく)
 

『君の名は』(274) 暗号は「缶ピース7個、専売公社」

2007-02-15 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(274)】 2月15日(木) 暗号は 「缶ピース7個、専売公社」

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
加瀬田和子  羽田美智子
美村千枝子  川田美香
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
本間定彦   古舘伊知郎
加瀬田岸枝  中原ひとみ
角倉信枝   佐々木すみ江
小松     小池 榮  バー・ピースのマスター

       劇団いろは
       早川プロ

加瀬田修造  橋爪功
多比良良作  蟹江敬三
美村蘭子   佐藤友美
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 加瀬田の家

定彦は、和子の部屋で目を覚ます。
「和子さんの部屋か‥‥」
机の上にある『ああ、無情』を手にとりぱらぱら開くと、勝則の写真を発見する。

 路地

和子は早出の出勤前に、真知子たちに路地で会う。
元気な挨拶に、「和子さんはいつも元気ね」と真知子たち
「そうでもないんですよ、昨日も母とやりあっちゃって。
 今朝なんか、母、口を利いてくれないの」
「あらー、和子さんたちがねぇ。あっちもいろいろ、こっちもいろいろ」と言いながら
信枝が歩き出す。
「何か、あったんですか?」

「浜口さんのお母さん、また真知子さんのところによって‥。
 おばさん、自分の居場所がないって」と悠起枝
「勝則さん、寄らないようにさせるって言ってるんだけどね」
「え、浜口さん、ゆうべ来ていたんですか? そうですか~ 

和子は嬉しそうに「じゃ、お先に」と早足に。

そこに朝帰りの謙吾
にっこり笑って「お帰りなさい」と言う悠起枝
「お義姉さんってエライのね」
「顔と心は大違いよ」

 加瀬田家

朝ごはんを食べる定彦、遠慮なくおかわりをしながら、ケンカの事情を話す。

定彦の知人が、歌手を呼んで興行を打った、自分も嫌いではないので手伝ったが
その知人は、ショバ代を払っていなかった。
東京のはずれだったが、大勢のお客さんがきたので、有り金持たせて謝罪に行かせたが、
知人は「全責任は本間定彦にある」と言って逃げた
それで、追われる身になり、運が開くかと浅草寺に行ったら、捕まってしまった

「本間君も危ない橋、渡ってるんだなー」と修造
「あなたも渡ってるんですか?」と、チクリと岸枝。

また答えられない修造。

とにかく、定彦はしばらく加瀬田家に逗留することになる。

 ガード下の駅

十一月二十日(金)と日付のある伝言版があり、修造は、

        本日、缶ピース7個、専売公社 
と書いて立ち去る。

それは蘭子と修造の取り決めだった

蘭子と千枝子がやって来て、千枝子を見送った蘭子は、伝言版を読み、消す。


 綾の店

ピンクの生地の使い道を考える一同

「来年のデザインで‥」と、
スカートの丈は短め、肩パッドの入ったファッション誌を見せる真知子

「垢抜けしすぎていて、ちょっと‥」という梢、あさ
「時代はディオールだから、少し先走るのがいい」という悠起枝たち
議論は白熱して、休憩に入る。

そこに多比良からの電話 

「昨日のトラックのお礼をしてもらおうと」と多比良
「ちょいと飲むのにつきあってもらえないかと」

「なんだ、早く言ってくださいよ。いいですよ、飲むの好きだし、おつきあいしますよ」

 後宮家

綾が、多比良の誘いにOKを出したことを話す真知子
「仲がいいところ、見せ付けられちゃったわ」

「ボクたちだってみせつけたろ? 
「そうだったかしら? 
「そうだったよ 
「そうね  」

 バー・ピース

綾が入ってくる。 壁の時計を見る 7時5分前

そこに蘭子も入ってくる

(つづく)

『君の名は』(273) 定彦、運び込まれる

2007-02-14 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(273)】 2月14日(水) 定彦、運び込まれる

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博
本間定彦   古舘伊知郎
木村吾郎   大沢樹生
加瀬田和子  羽田美智子
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満 
加瀬田岸枝  中原ひとみ 
角倉信枝   佐々木すみ江
美村千枝子  川田美香

       早川プロ

加瀬田修造  橋爪功
美村蘭子   佐藤友美
深野柳子   樹木希林
浜口徳枝   加藤治子

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

徳枝と勝則が帰るのを見送る一同、「また明日‥」とご機嫌な徳枝
「また明日、だって‥」と信枝は不機嫌
勝則は「ナントカ、寄らないように言っておきます」と言って帰っていく。

 ガード下

修造と吾郎が紙芝居を終えて帰宅途中。
「稼ぎはどうだったの」と吾郎に聞かれ、財布を見せる修造
「今日はこれでもいいほうだ、若いモンがいると違うね、少しとっておいてよ」

お金は断って、吾郎は言う
「で、どうなの? 蘭子ねえちゃんと会ってんだろ? 喫茶店とかで」
「あ、いや‥‥」
「俺に言い訳してどうすんだよ、
 俺まだよくわかんないけど妻子持ちだから、それなりのつきあいがあるんだろ?」

修造は「やっぱりこれとっといて」とお金を渡そうとする。

       口止め料 (^_^;)


 長屋の路地

修造と吾郎が戻ってくると、人だかりができている
定彦がめっためたにやられて倒れていた。

「本間君!」

 修造の家

岸枝は、帰宅の遅い修造と和子をイライラしながら待っていた。

和子、帰宅 「何してたの?」
お友だちと夕飯を食べ乍らおしゃべりをして、そのあとパチンコに行ったと和子。
「お友だちって誰? なんですか、パチンコなんかして」
「誰だっていいでしょ? パチンコなんかって、遅れてるなぁ」
「普通の女はそんなことしません」
「普通の女って何?お母さんみたく何もしないで家にいる人のことなの?」

岸枝は和子の頬を平手打ちする

「あたし ぶって気がすんだ

和子が、そのまま外に飛び出そうとすると、ケガをした定彦をゴローと修造が運んでくる。
修造を睨む岸枝。

横にさせて、水を飲ませるゴロー。
「和子さんの汲んでくれた水、ウマイ 

「負けるぐらいなら、ケンカなんかしなきゃいいのに!
 若い頃から意気地がないのよ。だから本間さんって嫌い!」
「和子!」修造がたしなめる

 後宮家

春樹が原稿を書き、真知子はデザインを考え中。
「春樹さんがここまでやる気だしてるのよ、私だって。
 ただおつとめっていうだけじゃね」
「見せろよ 
「イヤよ 

にらめっこしあうふたり

「借金、あと少しだよ。 みんなが支えてくれたおかげだよ」
「いろんなことがあったよね。今までいろいろあって‥‥」

 加瀬田家

「和子と何かあったのか? 大きな声が聞こえたようだけど」
「何でもないです」

修造は、本間はただのケンカじゃないようだから、しばらくうちで預かりたいと言う。
「どこで寝るんですか?」 そっけない岸枝
「和子は私たちと寝て、和子の部屋にだね」
「あなたから和子に言ってくださいね」 再びそっけない岸枝

「蘭子さんとこっそり外で会うようなこと、しないでくださいね。
 あいびきととられます」

目を白黒させる修造、答えられない。


 長屋の路地

柳子がいい気分で帰ってきて、謙吾が遊びに出て行くところを目撃

「最近、この辺りの空気が汚れているのよね~~」


 後宮家

ラジオからテネシーワルツ が流れる中、うたたねをする真知子
春樹は自分が着ていた綿入れ半纏をかけてやる。

気がつき起きてデザインを続ける真知子、原稿を書く春樹


(つづく)

『君の名は』(272)

2007-02-13 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(272)】 2月13日(火)

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博
本間定彦  古舘伊知郎
浜口美子  とよた真帆
美村千枝子 川田美香
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
住職     鈴木清順
加瀬田岸枝 中原ひとみ
重松糸子  大坪日出代:長屋の住人
丸山豊子  井上牧子:長屋の住人
男たち   滝川健  定彦を襲ったヤクザ
        村上靖博 定彦を襲ったヤクザ

       悪役商会
       鳳プロ

深野柳子  樹木希林
角倉信枝  佐々木すみ江
美村蘭子  佐藤友美
浜口徳枝  加藤治子

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 仕事の帰り道

真知子たちは、3人で歩きながら生地の使い道を考え中。

「働く女としての自信がつけば人生かわるもんよ」と悠起枝。
真知子も
「みんなで考えよう って、みんなに可能性を持たせてくれたってことでしょ?」
と前向き
「何か、(いいアイデア)あるの?」
「ちょっと」

長屋に近づいてくると、糸子、豊子が
「洋服屋、手伝ってるの? 安くならないかなぁ」と近寄ってくる
適当にあしらう悠起枝

 後宮家

書道教室の帰りに徳枝がまた寄って、晩ご飯の準備をしている。
勝則が様子を見に、やって来る。

「あらか勝則、何しにきたの? 今日、まつたけご飯にしたの。
 あんたも食べていきなさい」
「毎日、ヨソサマの台所で‥」と勝則

機嫌よく台所に立っている徳枝を見て
「おふくろ、いつもこんなですか? 家では台所立てないんですよ‥‥」

そこに真知子が帰って来る、着替えてから徳枝を手伝う真知子
「なんだか不思議な感じがしますわね」

春樹と勝則は、そんな二人を見ながらお茶を飲む
「(お茶)お母さんにいただいたんですよ」
「宇治でしょう。まつたけもいただいたんですよ。
 どこに消えるのかと思ったら、こちらなんだ」

 水沢家

信枝が
「帰ったら、きちーんとなっているし、台所まで。あたしの居場所がないっちゃ。」
とちょっぴり愚痴る
悠起枝と謙吾は花をくんくんさせながら
「いいにおい、こっちもよんでくれるかなぁ」
などと言っている。

 寺

柳子がちらし寿司を作ったからと、持って来る。
吾郎がいないかと思っていた柳子だが、残念ながらおらず
住職は「柳子ちゃんも一緒に食べていきなさい」と誘う

 蘭子の家の前

蘭子が千枝子と帰ってきたところに、岸枝が話し掛ける

「今、お帰り?」
「ええ、そこでちょうど千枝子に会って。今日は外食にしようかと思って」
「いいわね、稼ぎのある人は」とチクっと言う岸枝。

「蘭子さんがお戻りになったって言うことは、うちの人もそろそろね」

 後宮家

「謙吾さ~ん、悠起枝さ~ん」と呼ぶ徳枝。

待ってました! とばかりに、壁の穴から出てくる二人
茫然とする勝則だが、みんなで一緒に食卓を囲む

「まつたけかぁ」と謙吾
「ダメよ、意気消沈してたら。
 そんなヒマがあったら親方のところ行って、頭下げてくる」と謙吾に言う悠起枝
「犬張子の親方から、ヒマだされちゃったんです」と説明する悠起枝

勝則は
「こんな風に、和気藹々と食事したことなんてないから‥」と言いながら
「いただきます!」

「うまい!」と一同


 浜口家

その頃、美子は、夕飯の準備をしたテーブルに座り、一人、マッチを擦っていた
「何してんのよ、勝則さんまで‥‥」


 飲み屋街

定彦が歩いていると、チンピラたちが近づいてくる
そして、定彦は殴られてしまう。


(つづく)