ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 15分のお楽しみ ━
 

─ 『君の名は』(271) あの頃あの歌 ♪君の名は

2007-02-12 08:00:00 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(271)】 2月12日(月)


あの頃あの歌
君の名は

作詩・菊田一夫
作曲・編曲 古関裕而
唄・織井茂子

昭和28年 明治神宮での七五三
今と変わらず、親子そろっておしゃれの競演
この時期はカメラも一般に普及し記念写真を撮る光景もよく見られる
外国人の子供たちは日本のお祝いよりも千歳飴の方が楽しみ


▼『君の名は』 第6部 第46週(271)

2007-02-12 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
▼『君の名は』第6部 第46週

原作:菊田一夫『君の名は』より
脚本:小林政広
音楽:池辺晋一郎 演奏:東京コンサーツ

題字:篠田桃紅
考証:松平 誠   考証協力:天野隆子
方言指導:佐渡稔、山中篤

語り:八千草薫


出演


後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
多比良良作  蟹江敬三 
本間定彦   古舘伊知郎 
角倉信枝   佐々木すみ江

       劇団ひまわり
       劇団いろは

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
小野瀬綾   いしだあゆみ



制作:石井 愼

美術:藤井俊樹 技術:渡部浩和 音響効果:矢島清
撮影:川崎和彦 照明:高橋伴幸   音声:嶋岡智子 
記録・編集:田中美砂

演出:若泉久朗


解説(副音声)関根信昭




・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

ゴシップ記事を書くのはイヤだと仕事を投げ出す春樹
そんな態度を定彦にたしなめられ、真知子は出ていく‥‥

という夢を見た春樹

昭和28年11月

朝鮮戦争は終わり特需で活気を取り戻した日本は再び不況に‥‥


 綾の店  

 (株)レディースファッション アヤ
 
           千代田区内神田4-7-13  
           電話  25-6172

株式会社として新たに歩み始めた綾の店は、
信枝と悠起枝も動員され妙な活気を呈する。

綾と多比良が生地を運んで来る。
倒産の危機にあるレッド商事から卸値の3割7割引きだという。

最近売上も落ちているし商品もまだ倉庫に眠っているのに‥‥と渋るみんなに、
綾はだからこそ責めの姿勢でいかなくては、
服飾メーカーに革命を! と熱弁をふるう。


 長屋

書道教室では徳枝が誰にでも◎をつけ、
柳子に、それでははりあいがないんじゃございません? と言われる。
しかし、書は気持ちだから‥と徳枝。

電話がなり「百合の会でございます」と出るが、後宮への電話の取次だった。
「呼び出しは1回と決まっている」と柳子


後宮家

春樹が原稿を書いている。
「見違えちゃったよ春樹くん」とお茶を淹れる謙吾
「締め切りが重なって‥‥借金抱えているから必死なだけなんです」

謙吾は、犬張り子の親方からヒマを出されたと言う。
1年近くになるからそろそろ型の抜き型を教えてくれと言ったら、
それは俺が死ぬ時だと言われた、
俺は永久に型抜き教えてもらえないのかと気いたらそうだと抜かした、
カッと来て職人気質でもなんでもない、ただの秘密主義だってぶちあげちゃって‥‥
それでヒマ出されたのだと謙吾。

「悠起枝は綾さんところで働き出すし、俺も夜遊びはすれど職人街道まっしぐらで
 水沢家も安泰だ、あとは子宝にめぐまれるのを待つだけだと思ってたんやのに。
 どうして人生は起伏ばかりで平坦な道がないんだろうねぇ」
「わからないのは自分自身か」
「ホント」
「ま、だから楽しいってこともあるだろうし、
 親方だって本気でヒマ出したわけじゃないんじゃないだろうし
 そんなに深刻にならなくてもいいんじゃないでしょうか」
「そうだね。しかし春樹くんに励まされるとは思わなかったな」

お茶を飲む二人

「うまい!」
「浜口さんからいただいたんです」
「えっ、ここんとこ毎日来てるだろう」

「嫁さんとの不和だろ?逃避だよ」と謙吾
「それもあると思うけど、ここに出入りしてあけすけな生活を目の当たりにして、
 惹かれるものを感じているんですよ」
と話しているところにまた徳枝がやって来る。


綾の店の近所

綾が良作を見送り礼を言う。
「僕は綾さんの店の後見人ですからね。
 仕事がらみでの他人行儀はよして下さい」
「これからも適切なアドバイスよろしくお願いします」
「わかっております」

ピンク色の生地の山を前に途方にくれる一同
「いいアイデアない?」と綾が聞いても
「このまま売りに出した方がいいんじゃないか」と真知子と悠起枝、信枝。

「おばさんまでそんなこと言うんですか~
 何の為に株式会社にしたのかわからないじゃない~
 もう少し知恵絞ってよ、みんなの会社でしょう?
 みんなで力をあわせて大きくしようよ~」

うつむいてしまう一同


(つづく)




『君の名は』(270) 蘭子の告白と映画制作中止

2007-02-10 01:20:36 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(270)】2月10日(土) 蘭子の告白と映画制作中止

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
木村吾郎   大沢樹生
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
美村千枝子  川田美香
水沢悠起枝  田中好子
本間定彦   古舘伊知郎
昔の千枝子  小川京子

       鳳プロ

美村蘭子   佐藤友美
多比良良作  蟹江敬三
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 綾の店

春樹は蘭子と一緒に「自由クラブ」を手に、綾の店に急ぎ、映画化のことを話す。

「最悪のことを考えるしかないんじゃない?」と綾

あさと梢は覚悟を決めたと言う
「あたしなら大丈夫だよ? 
 一度、死にかけたんだし、俊樹のことはいろいろあるし」
「あたしたち、最低のとこ、やってきたじゃないの。
 親もなにもないんだもん、ねえさんと一緒に泥水ぐらいかぶるよ」

「あとは、千枝子ちゃんね‥」と綾
「ねぇ、里親のところにしばらく預けるっていう手もなくもないわよ」

しかし蘭子は、千枝子と真っ正直に話す、と決心する。

 日劇

綾は、定彦のところに映画化しないように口をきいてくれと頼みに行くが
定彦は、自分には無理だと言う。

多比良が映画界にコネがあるのを思い出し、多比良に電話する綾

 蘭子の家

「お母さん、千枝子に聞いて欲しい話があるの。
 どうして一緒にお風呂にいかないか話すわ」
「バラの刺青のこと?」
「知ってたの? いつ?」
「この前、脚を拭いてたとき‥。 昔、悪いことしてたの?」
「いいことか、悪いことか、千枝子が判断して。
 言葉で言えないから、紙に書くね」

蘭子は、千枝子が出したノートに鉛筆で、何か書き、見せる。
(何と書いたかは、映らない  )

「この言葉、知ってる?」 「うん」
「どんなことをする人か‥」「うん」

「お母さん、それやってたの。 しっかり聞いてちょうだい。
 戦争で家が焼けて何もかもなくなって、飢え死にする女の人いっぱいいた。
 千枝子とはぐれたでしょ?
 死んでたまるかと思った。生きて、生きて、生きぬいて、千枝子と会うまではと
 歯、くいしばった。
 どうしても辛くて死のうと思うと、千枝子の声が聞こえるの。
 おかあさん って呼んでるの 」

千枝子の目から涙がこぼれる

「千枝子はもっとツライと思って、頑張ったの。
 喧嘩もしたし、ピストルで撃たれた。 そういう暮らし」

「あたしもパン、盗んだ」と千枝子は、泣きながら言う。
「お腹が空いて、どうしようもなくて。 誰にも言わないで。
 一度じゃないの」
「しょうがないじゃないの。
 だから、千枝子とお母さん、会えたんじゃないの」

「お母さん!」「千枝子」 抱き合って泣く二人

その晩、二人は梅の湯に行く。
番台にいた悠起枝は、うまくいったのだと察知する。

 後宮家

悠起枝が、二人で来たことを話に来る
「梅の湯、長屋の人も来るから、大丈夫かしら」と真知子
「言わしときゃいいのよ」と悠起枝

「姉さんも強くなったなぁ」と春樹
「そーよ、道楽モノの夫がいるからね」

 蘭子の家

多比良と綾が、映画中止を訴えてきたと報告に来る。
今の事情を話して来たのだと言う

「綾さんなんて、『私の親友が、私の親友が』って、泣いてましたよ」

昭和28年、4月

蘭子のところに、電報が届く 「エイガセイサク、チュウシ タヒラ」

「春樹さんに見せてくる!」と吾郎

喜ぶ、真知子と春樹
「原稿、ムダになっちゃったわね」
「知ってたのか」
春樹が告発記事を書いていたのを知っていた真知子だった。


桜の舞う中、千枝子の入学式

セーラー服を着た千枝子と蘭子が歩く


吾郎は長屋の角で、ハーモニカを吹いて見送る
「バンザーイ   」


2階の窓から見ている真知子と春樹。



(つづく)

『君の名は』(269) 楽町のお蘭、映画化?

2007-02-09 01:19:46 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(269)】2月9日(金) 楽町のお蘭、映画化?

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
浜口勝則   布施博
本間定彦   古舘伊知郎
木村吾郎   大沢樹生
美村千枝子  川田美香
美村蘭子   佐藤友美
加瀬田岸枝  中原ひとみ
住職      鈴木清順
角倉信枝   佐々木すみ江
多比良良作  蟹江敬三
江垣      綾田俊樹  ダイト映画監督? 楽町のお蘭の映画を作りたい
鳴海      田嶋基吉  ダイト映画P? 楽町のお蘭の映画を作りたい
佐藤喜志子  武藤まき子:長屋の住人
叶さつき   平野早苗 :長屋の住人

        劇団いろは
        劇団東俳
        鳳プロ
        早川プロ

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
加瀬田修造  橋爪功
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 浜口の家

昭和28年の3月の半ばを過ぎた日曜日、綾は多比良と勝則を訪問。

綾の店を株式会社にするにあたって、筆頭株主に浜口の知り合いのクボヤマ氏を
紹介してくれないかと依頼に来たのだった。
父の知り合いなので、紹介はできるがもう引退している方で、いいのかと勝則。

多比良は、クボヤマ氏は最近ファッション業界のある団体の名誉顧問になったので
うってうけと説明
勝則は安心し、さらに自分も発起人に名前を連ね、書類に署名・実印を押す。

 後宮家

勝則のところからそのまま長屋に来る綾と多比良

春樹、真知子、蘭子も7人の発起人になっていたのだった。
真知子は、「昨日、区役所行って来たの。社会人って感じで嬉しい」と話す。

蘭子は
「あたし、株主になるんだー、ねぇ株主優待とかないの?
 3割引で、洋服つくれるとか!」
と言うが
「ないない、そんなの」と綾

多比良が思い出したように
「映画の優待券ならあります、みなさんでどうぞ」と
懐から『ライムライト』のチケットを出す。

蘭子は「こんな頼りになる人、どこで知り合ったのよー? 」と睨む
教えない綾

「あたし、もう帰るわ、今日吾郎の発表なの」

 蘭子の家

吾郎が住職に付き添われて帰って来る。
不合格だったので、「ここで雇ってください」と言いにいったのだった。

「吾郎‥」

押入に入って泣く吾郎、蘭子はなぐさめ方がわからないからと春樹に
「半荘つきあって」と頼みに来る。

長屋の噂好きな喜志子とさつきは「ダメだったんですって」と言いふらす

ちょっと笑ってしまった、あの芸能リポーター二人が、言いふらすんだもの (^^ゞ


 寺

吾郎、蘭子、春樹、住職で麻雀をはじめる

真知子はお茶を淹れ、千枝子は近くで本を読む。
そこに修造が「聞いたよ、だめだったんだって?」と、コッソリ入ってくる。
そして「さし入れ、おせんべい」と、紙袋を渡す。

そうこうするうち本間がひょっこり入ってくる。

「やってるね~」と言い、なんと「春樹くん、楽町のお蘭って知らない?」と訊く

こおりつく事情を知る面々

「どうしたんですか?」 平静を装う春樹
「今度、ダイト映画で映画つくるんだって、で、本人捜してるんだけど。
 春樹君、あの頃あの辺り取材してたから、知ってるかと思ったんだけどな」
「そんな映画つくっても、つまらんでしょう」
「いや~、太ももにバラの刺青があって刺激的らしいよ」

千枝子がぴくっと反応する

 後宮家

「どうしよう」
「本人の身元さえわからなければ、そのうち忘れるよ」
「そうね」


しかし、数日後、春樹のもとを二人の男が訪問する。
以前、春樹が書いた記事と写真の載った「自由クラブ」を持っている。
( 春樹が取材したのは、【第1部(32)】 5月9日(火) の放送)

「こんな時、署名入りの記事は便利ですよね」
「役作りのために、是非会いたいと思っています」
「記者会見には、是非本人にも出て欲しい」

「今は全く付き合いはありませんから‥」と春樹


(つづく)








『君の名は』(268) 多比良、綾に交際を申し入れる

2007-02-08 01:19:07 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(268)】2月8日(木) 多比良、綾に交際を申し入れる

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
木村吾郎   大沢樹生
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
美村千枝子  川田美香
美村蘭子   佐藤友美
多比良良作  蟹江敬三
従業員     ペコちゃん  小野瀬綾洋裁店の従業員
        柏木みどり  小野瀬綾洋裁店の従業員

       鳳プロ
       劇団ひまわり
       劇団いろは

浜口徳枝   加藤治子
深野柳子   樹木希林
加瀬田修造  橋爪功
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 綾の店

梢やあさ、他の従業員は、多比良が持って来てくれたケーキを
喜んで食べる
「こんなに夢みたい 


多比良は、妻がいながらお見合いをしたわけを話し出す。

多比良の妻は入院して6年目になる。

本間ちゃんとは、夜のつきあいだった、あるとき、ボタンが取れているのを見て
「奥さんに大事にされてねぇな?」と言われ
「そんなのいねぇよ」と言ってしまい、
そのままずるずると独身ということになってしまった。

本間ちゃんには、「お見合い」といわれたわけじゃなく、
いい女を紹介すると言われただけだ と言う

そして、ガール・フレンドは女房公認だと続ける。
「入院して2年目、女房が離婚届にハンコを押して待っていた。
 俺は破り捨てたが、女房、泣くんだ‥
 長いこと話しあって、今の形になったんだ」

「会いに行ってるの?」と綾
「週末に行って、その週にあったことを話す。
 庭にあんな花が咲いたとかね、他愛もないことだが、女房はニコニコして聞いてる」

そして、綾に交際を申し入れたいと言う

綾は
「かる~く考えてくれるなら、お茶ぐらい。
 お友達になりましょってことなんでしょ?」と承諾し
「さっきの株式のこと、詳しく教えて下さい」と頼む。

多比良はうまくいったことを喜び、ガッツポーズして帰る

 長屋・書道教室

蘭子は、柳子のやっている書道教室に千枝子を入れようと見学に来る。

「子育てに自信がなくて」と弱音をはく蘭子に
「どんなにしっかり育てたつもりでも、子どもはかわっていきますしね」
と徳枝。


深野家から蘭子が出てくると、吾郎と千枝子にばったり会う。

「試験はどうだった?」 「バッチリ!」

「書道教室に通わせようと思うの」と千枝子に言うと
千枝子は「お金かかるんじゃないの? すきにすれば?」とつっけんどんな態度
蘭子は「子どもがお金の心配なんてしなくていいの!」と言うが、
千枝子は返事もせずに家の中に入っていってしまう。

負い目をもっていること常に感じ、千枝子に一歩ひいてしまう蘭子
それを微妙に感じ取っている千枝子


「なんでお母さんにあんなこと言うんだ!」
「悪いことして稼いだお金かも知れないじゃん」

夕飯の後、ノラ猫に牛乳をやる千枝子
通りかかった加瀬田に「お母さんって昔、何やってたの?」と訊く

「今のように、宝石を扱ってたよ」
「ふ~ん」
「ああ、それからお店もやってな、アメリカの兵隊さん相手にお土産屋さんをね」
「ふ~ん」

 後宮家

多比良が綾の店にきたことを話す真知子

「へ~、それで綾さんOKしたのか?」
「そうなのよ。
 でも多比良さんって、調子がいいようでそうでもないかも」

春樹は「借金、年内に返せるかもしれない」と帳簿を見せながら言う



(つづく)


─ 『君の名は』(267) あの頃あの歌 ♪さいざんす・マンボ

2007-02-07 01:16:09 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(284)】 2月7日(水)

あの頃あの歌

 さいざんす・マンボ

作詩・   トニー谷、 宮川哲夫
作曲・   多 忠修
歌 ・   トニー谷  宮城まり子


昭和28年、空前のジャズブーム
ステージも壊れるほどの熱狂振り
キャバレー、ダンスホールも連日、超満員
大学生ダンス大会も数多く開かれた
子供達のバレエ教室も流行
高まる開放感とともにダンスブームは頂点に達した

 

『君の名は』(267) 蘭子の刺青、多比良は女房持ち?

2007-02-07 01:15:09 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(267)】 2月7日(水) 蘭子の刺青、多比良は女房持ち?

後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
木村吾郎   大沢樹生
石上梢     河合美智子
あさ      伊藤嘉奈子
美村千枝子  川田美香
多比良良作  蟹江敬三
角倉信枝   佐々木すみ江
従業員     ペコちゃん  小野瀬綾洋裁店の従業員
        柏木みどり  小野瀬綾洋裁店の従業員

        鳳プロ

美村蘭子  佐藤友美
小野瀬綾  いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 蘭子の家

蘭子の太もものバラの刺青を見てしまった千枝子‥寝ているフリをする
千枝子の寝顔を見る蘭子だった

3月の寒さも緩んできたある夜のできごとだった

翌日は、吾郎の受験日
「全力つくして」と吾郎を送り出す蘭子、千枝子にも「車に気を付けて」と言うが
千枝子は返事もせず、出て行ってしまう

途中、真知子にも「がんばって」と励まされる吾郎
千枝子は、やはり様子が変

「待てよ」と吾郎に追いかけられ
「お兄ちゃん、刺青、見たことある?」と千枝子は訊く
「何でするんだろうね」
「誰かの見たのか?」
「女の人でもする?」
「何でそんなこと訊くんだよ」
「ううん、もういいの」

 後宮家

真知子は千枝子の様子がなんとなく変だった と話をする
「反抗期かしら」
「考えすぎだよ」

そこで春樹は
「浜口さんの紹介以外にも仕事入れたから、そのうち1つが前払いだった」
と茶封筒入りの現金を渡す

「春樹さん、ありがとうございます! もっとちゃんともらいたかったわ」
「そんなに入っちゃいないよ」
「だって嬉しいわ、三方(さんぼう)にのせて、拍手うちたいぐらい 
 おばさん、おばさん! 春樹さんが!」

階下に走り降りる真知子

鴨居の上の仏壇にあげて、拝む二人。

「私、初めてよ。 はいって渡されるの。
 男の人が自分のために稼いでくれる、こんな幸せないわ」
「あんただって働いてるだろうに」と信枝
「直にもらうと嬉しいわ、ああ、こんな贅沢いいのかしら。
 どうやって使おうかしら。 おばさん、帳面につけて考えよう」
「喜びすぎじゃないか?」と信枝は言うが、信枝もとても嬉しそうだった。

 綾の店

綾に「少しばかりだけれど」と、お金を返す真知子
「いいのに」と言う綾だが
「大丈夫、春樹さん、たくさん仕事入ってるの」
「そう、やる気出したんだ、良かったじゃない、じゃ遠慮なく」

「それから、昨日はごめんなさい、お見合いのこと‥」
「いいのよ。あたしこそせっかく心配してもらったのにごめんね」

「蘭子ねえさん、元気?」とあさが訊く
「元気」
「千枝子ちゃんも?」
「ちょっと反抗期かな?」
「まだ早いんじゃない? うちの子もそうなったらどうしよう!」とあさ
「それこそまだまだでしょう」
「それにしても、あたしが子どももつなんてね。
 ラクチョウ(有楽町)流してるころ考えたら」と言いかけて
綾が「その話はナシ」と止める

そこに「大変、税務署の調査だって」と梢が慌てて入ってくる

「え?」
「綾さん、脱税したの?」
「してないわよ」
「帳簿、隠しましょうか?」
「真知子さんまで、何いってんの」

表に出てみると、そこには多比良が立っていた。

「ウチは正直に申請してますけど?」
「でもドキッとしたでしょう? うしろぐらいところありますか?」
「ありません」

真知子も出てきて、「多比良さん‥」と驚く

多比良は、どのぐらいお土産を買っていいかわからなくて
店にあったケーキを全部買って持ってきたのだった

「あのー、うち零細で、こんなに食べる人いなんですけど」と綾
「そのようですな、看板に株式記者の文字もないし」
「株式会社?」
「小さいといっても、これだけの店なんだから、ちゃんとしないと」
「わかってますけど、面倒で」
「ダメダメダメ!
 そういうこと言ってるから税務署に怯えて暮らすことになるんです。
 今、忙しいですか?
 その忙しさを削って訊いてよかった という話があります。
 何なら、1着オーダーします、それなら客だ」

なかなかに強引な多比良

奥の部屋で、
「是非、法人化して、経営者として従業員のことを考えるべきだ」
と多比良

さらに、洋服のオーダーは、真知子の洋服だと言う
「綾さんと結びつけてくれたお礼」


「私、あなたと縁なんて結んでいません」
「これから結べばいいじゃないか」
「結婚なんかしませんよ?」
「私もしませんよ。 女房いるんだから」


 ‥‥ へ?



(つづく)


『君の名は』(266) 遭遇! お蘭 VS マリー

2007-02-06 20:09:53 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(266)】 2月6日(火) 遭遇! お蘭 VS マリー


後宮真知子  鈴木京香
後宮春樹   倉田てつを
木村吾郎   大沢樹生
加賀沢時子(マリー)伊佐山ひろ子
水沢悠起枝  田中好子
水沢謙吾   平田満
叶 哲司   でんでん :長屋の住人(畳屋)
佐藤時彦   橘家二三蔵:長屋の住人(大工)
美村千枝子  川田美香
昔の千枝子  小川京子

       鳳プロ

美村蘭子   佐藤友美
角倉伸枝   佐々木すみ江
小野瀬綾   いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

綾の店

「紹介させて下さい」と綾が言った相手、それは思わぬ人物で、
ラクチョウのマリーだった。
マリーはかつて蘭子が夜の女をしていた頃、蘭子に激しい憎しみを抱いていた。

「コーヒーお持ちいたします」と綾がはずし、蘭子とマリーの二人になる。

「驚いたわね」
「いつか、でくわすんじやないかと思ってたよ」 声がかわるマリー
「たいそうなご変身ぶりじゃないの。重役の奥様だって?」
「相手は4人の子持ちだわよ」
「再婚か」
「見ればあんたも堅気になったようだ、
 あんな時代だったんだ、イロイロあったけどお互い水に流そうじゃないか、
 ラクチョウのお蘭さん
 このスカートの下にバラの入れ墨があるなんて誰も思いやしない」

コーヒーを沸かしながら、台所で話を聞く綾。


ミシンの上の裁ちバサミを手にとり、マリーの首すじに当てる蘭子

「動いたらズブリといくわよ?
 済んだことじゃないのよ、あたしは今でも引きずっている。
 昔のことはお互い様だわ、でも許せないことがある!」
と、闇市で撃たれたことを質す。

「千枝子を見つけたのにあと数歩のところであんたがあたしを撃ったのよ。
 そのあとも探して探してやっと巡り会えた。
 一番大事な時期を離れ離れに暮らしたのよ、
 子どもが一番母親を欲しい時期にあたしは‥‥
 なくした時間、どんなに大切か、どんなに切実か。
 今日会って、今日からはい親子でございとはいかないのよ。
 娘とギクシャクするたびあんたを憎んだ。
 一度恨みを言いたかった、それだけ。

 幸せに暮らしてんの?」
「(うん)」涙を流しながら頷くマリー
「そう。だったらこれが最後。
 あんたの暮らしに立ち入るような真似しないから。
 今日っきり忘れましょ」
「わかったわ」と立ち去るマリー



コーヒーを飲む蘭子と綾

「あたしいつまで過去を引きずるのなか‥‥
 千枝子にいつばれるかって、心開けないところがある。
 あの子もそれ感じてる‥‥」

「千枝子ちゃんと暮らしてんの不幸せ?」
「ううん」
「少々のことがあっても、親子一緒がいいんでしょ?
 離れてた時間あるけど、これからの方が長いんだもの、いつかなんとかなるって。
 あたし子どもいないから、ちゃんとしたこと言えないけど。」
「ううん」
「結婚の経験はないし、恋人はいないし、ないない尽くしだわ。
 ね、あたしって哀れっぽく見える?」
「え?」
「寂しい女だなーって思う?」
「何言ってんの」
「あたし今日お見合いしてきたわよ」
「え~っ? どういうこと?」

急に目を輝かす蘭子
「あたしのことを考えて仕組んだ人がいるのよ」
「どうだった? いい男? お金持ち?」
「あんまり印象がないわ、で、断ったわ」


後宮家

吾郎と千枝子が一緒に夕飯。
「おじさんなんか大学出てなくて苦労したんだ、吾郎くんは恵まれてるんだぞ」

吾郎はせめてものお礼だと缶詰やチョコレートを出す。
「お米は福島のお父さんから送っていただいたし、
 食費は蘭子さんからいただいてるのよ、気にしなくても」と真知子。

しかし、それはパチンコの景品だった

「パチンコなんかして~」
「不良になる」と信枝
「息抜きっすよ」
「いいなぁ~、青春を楽しんでいるんだね~
 おじさんなんか田舎だったし貧乏だったし青春はなかったね~。
 さて散歩にでも行くかな」
出ていく謙吾

「この寒いのに散歩っすか」
「うしなわれた青春を探しに行ったのよ」
「?」


外では長屋の哲司と時彦が待っている。
「フクモトかワイキキ、どっちにすべって言ってたんだけど」
「ワイキキがいいなぁ」と謙吾
「ワイキキのアケミちゃん、ポッポポッポしてんだよな」
「何言ってんのよ。しかし楽しいなぁ。東京って。
 こんな人生もあったんやな」

謙吾は浮かれて歩く。


後宮家

台所で片付けをする悠起枝と真知子

「春樹が一段落したと思ったら」
「せっかくお給料入るようになったのに‥‥」
「生活費だけは入れてくれるから」
「そんなこと言ってると続くかもよ、お義兄さん」
「いいのよ。今まで良いことなかったんだもの。華やかなことなかったんだもの」
 と悠起枝
「お姉さんと一緒になれたわ」
「恋愛なんてつかの間よ、結ばれるまでか花なのよ」
「そうかしら」
「捨て鉢で言ってるんじゃないのよ。長いわよ、暮らし。
 その間に別の花咲かせばいいと思ってるの。
 一人の男と死ぬまで付き合う楽しさってあると思うの。
 あたし最初の結婚では早くに戦死されて、相手が本当はどんな人かわからないまま。
 夫婦なんだもの、性根のところで付き合いたいわよね」

微笑みあう二人

美村家

蘭子がそっと帰って来る。千枝子も吾郎も眠っている。

蘭子は洗面器のお湯で脚を拭いている。
物音で目をさまし、太もものバラの入れ墨を見てしまう千枝子




(つづく)

▼『君の名は』 第6部 第45週 (265) 綾のお見合い(2)

2007-02-05 21:42:02 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
▼『君の名は』 第6部 第45週


原作:菊田一夫『君の名は』より
脚本:井沢満
音楽:池辺晋一郎 演奏:東京コンサーツ

題字:篠田桃紅
考証:松平 誠   考証協力:天野隆子
方言指導:佐渡稔、山中篤

語り:八千草薫


出演


後宮真知子   鈴木京香
後宮春樹    倉田てつを
本間定彦    古舘伊知郎
加賀沢時子(マリー)伊佐山ひろ子  夜の女時代の蘭子の天敵
角倉信枝    佐々木すみ江
住職       鈴木清順

         鳳プロ
         早川プロ

美村蘭子   佐藤友美
多比良良作  蟹江敬三
小野瀬綾   いしだあゆみ



制作統括:石井 愼

美術:藤井俊樹   技術:沖中正悦  音響効果:太田岳二
撮影:安田熙男   照明:阿部周一    音声:坂野伊和男
記録編集:田中美砂

演出:三井智一


解説(副音声):関根信昭



・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★
 寺

勘次の法事と称して集まった一同

「綾さん、こちら多比良さん」
「ええ、名前はさっき‥」
「横浜で海運会社をやってんのよ」と定彦も紹介する。


「まずはご住職どうぞ」と声をかけてから、多比良にお酌しつつ
「綾さんは洋裁だけでなくお料理も上手なんです、以前はお店やってましたの」
と真知子が話し掛ける
「単なる飲み屋です~」 と、綾
「それはそれは、お邪魔できたのに残念です。洋裁の方はちょっと縁が‥」
と多比良

「横浜じゃ、わざわざ奥さんに来ていただくわけにもいきませんねー」
「奥さんなんか、いませんよ」と春樹
言葉に詰まる多比良、「あ、そ?」と綾

「角勘さんもこうしてもらってお幸せですね」と定彦
「おかげさまでね、草葉の陰で泣いているでしょう」と信枝
「角勘さんとはどういう(知り合い)?」と多比良に訊く綾、
「特に‥‥」と答える多比良、ちょっと妙な空気が流れる

「綾ちゃんはこう見えて和服が似合うよね」と定彦が言い出す
「洋服も和服も似合う人、珍しいわ」と真知子
「面倒見もいいし性格も明るいし」と春樹も続け
「気風がいいのよね」とさらに真知子

「あ、それ多比良ちゃんも同じ。
 目上にはかわいがられて、目下には慕われるしね。
 それでいて、稼ぎもいいしね~、よくぞ今まで1人でいたもんだ」と定彦。
「綾さんもだわー」と真知子

「‥‥お互い、誉めまくられてますね、お見合いみたい」と綾

「仲人口でいいことばかり誉められすぎたんで訂正します。
 マイナスして聞いて下さいね。
 戦争中は南方で女一人、きわどい生活をしてきました。
 タバコの吸えば大酒ものむし、けんかっぱやいです。
 ほら、春樹さん、あなたの頭から水ぶっかけたことあったじゃないの」

目をシロクロさせる多比良良作


廊下で、多比良の帰り際、定彦が話し掛ける
「妙な雰囲気になっちゃってごめん」
しかし多比良は
「まずい女に会ったかもしれない  惚れちゃうかも」


逆に綾は静かに怒っていた 「2人に話があるんだけど?」


 後宮家

「あたしがどうしてお見合いなの?」
「あたしたちいつも綾さんにお世話になるばっかりで」
「2人で話し合って」
「幸せになってほしかったんです、今度は綾さんが幸せになる番だわ」

「お見合いが幸せってコトなの?」
「幸せって結局は結婚なんじゃないでしょうか、通俗的なこと言うようだけど」と春樹
「一生一人でご飯食べるなんて侘しいし、壁に愚痴言うより相手がいた方がいいし、
 病気にでもなったら心細いし」

「そりゃさびしいわよ、でも承知で1人でやってるのよ。
 幸せとは思わないけど、とりたてて不幸とも思わないわ?
 正直に言わせてもらうわね、ちょっと無礼じゃない?」
「無礼?」「どうしてでしょう‥‥」

「いろんな思いかいくぐってやって来たのよ。あたしも安く見積もられたものね。
 男あてがえば幸せだなんて、そういうことでしょ?
 結婚ごときで幸せになる孤独だなんて思われてたなんて‥‥。
 さびしかったら、自分努力するわよ。
 それに結婚が何よ? あたし、家庭って好きじゃないの」

「でも歳とったら‥」

「あなた、老後のために結婚したの? 違うでしょ?
 あたしはあたしでのたれ死ぬわよ。
 動物って、死期が近いことを悟ると、自分からどっか行くじゃない? 見事よ」

「1人じゃかわいそう、不幸だ、って今までを全部否定されたみたいだわ。
 亭主持って家庭持っていっちょ前と思うこともあるけど、
 一人じゃないとわからないこともあるのよ。
 お気持ちだけ今回はありがたくちょうだいしておく」

綾は、一人帰っていった。

 綾の店

その日の午後、蘭子が訪ねてくる
「春の洋服、一着たのもうと思って」
「いいわよー」

そこに「近くまで来たらお店が開いてるのが見えたから」と客が入ってくる。

振り向く蘭子、そこにはかつて夜の女の時の天敵、マリーがいた。

凍りつく二人


(つづく)



『君の名は』(264) 綾のお見合い(1)

2007-02-03 00:05:02 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(264)】 2月3日(土) 綾のお見合い(1)

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博
本間定彦  古舘伊知郎
木村吾郎  大沢樹生
石上梢    河合美智子
加瀬田和子 羽田美智子
あさ     伊藤嘉奈子
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
角倉信枝  佐々木すみ江
住職     鈴木清順
加瀬田岸枝 中原ひとみ
佐藤章子  久我陽子:長屋の住人 喜志子の娘、女学生
美村千枝子 川田美香

        鳳プロ

浜口徳枝  加藤治子
多比良良作 蟹江敬三 :本間の知人、横浜の海運業の社長
加瀬田修造 橋爪功
小野瀬綾  いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 浜口家

「仕事のお礼に‥ 綾さん、しゃべっちゃったんだ‥
 出版社に伝手はあります、よろしかったら、紹介させていただいていいでしょうか」
「はい、お願いします。
 ボクも昔の知り合いはあります。地道にいきたいと思ってます」
「焦りすぎていたんでしょうな」と修造

「ところで」と、勝則に和子のことを聞く修造たち
「おはずかしい話ですが、本人に聞けませんで。まだお付き合いはあるんでしょうか。
 実は、定期入れにあなたの写真が‥」
「驚いたな。いや、何もありませんよ。
 食事に行ったりはありますが、参ったな。
 正直、和子さんの気持ちに、全く気付いていなかったわけじゃないんです。
 会わないようにすれば良かったんです、以後気をつけます」

修造たちが帰った後、勝則は鼻歌なぞうたい、ご機嫌
「俺もまだまだ捨てたもんじゃないんだな」

 加瀬田家

帰宅する修造と、春樹

「浜口さんだがな」と修造が言いかけると「何もなかったでしょ?」と岸枝
「これ、見てくださいよ」と、また和子の定期入れを見せる。

別の男の写真に「だれだ、この男は!」と修造
「映画スターでしょ?」と春樹
「じゃぁ、浜口さんの写真は‥」と訊くと、くずかごに捨てられていたという。

 後宮家

ことの次第を話す春樹
「くずかご? あらまぁ。儀式みたいなもんだったのかしらね」と真知子

和子の心配がなくなると、途端に「あとは綾さんだけだ」と
綾のお見合いを画策しだす二人。

 水沢家

晩ご飯には、吾郎と千枝子もまじるようになっていた。
おかわりをする吾郎。

考え込んでいる真知子と春樹に「今度は何?」と信枝たち
「おばさん、おじさんの法事をしよう!」と言い出す真知子

「この前(佐渡で)やったっちゃ」という信枝に「こっちでもやりましょう」と言う

 綾の店 & 日劇

真知子は、法事に出席してくれと綾を誘い、
春樹は定彦に、お見合いだとはさとられないように、多比良をさそってくれと頼む。

綾は角勘のおじさんにはお世話になったから‥と身内でもないのに出席を快諾する。

 寺

3月に入って間もない頃

吾郎と章子は境内でデートする。
吾郎は大学受験は二つともダメだったようだが、章子が「今ごろで悪いけど」と
お守りを渡す。

その日は、角勘の法事で、お勤めを終え会食の時間。


   住職

信枝    真知子
定彦    春樹
多比良   綾


と座る一同。

「意外だったわ、真知子さん、にぎやかにしたいって言ったのに少ないのね」



(つづく)


『君の名は』(263)

2007-02-02 07:55:55 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(263)】 2月2日(金)

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博
浜口美子  とよた真帆
リリー    小川美那子:日劇の踊り子
多比良良作 蟹江敬三 :本間の知人、横浜の海運業の社長
本間定彦  古舘伊知郎
角倉信枝  佐々木すみ江
踊り子    坂本由美  日劇の踊り子
        平沢敦子:日劇の踊り子

       劇団ひまわり
       劇団いろは
       鳳プロ
       早川プロ

浜口徳枝  加藤治子
深野柳子  樹木希林
加瀬田修造 橋爪功
小野瀬綾  いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

「ねぇ、綾さん元気だった?」
「忙しそうだったよ、徹夜だって3人で。 でも少しさびしそうだったなぁ。
 『そこそこ小金を手にしたところで、欲しいものなんてないし
 譲る子どもがいるわけじゃなし』なんて言ってた」
「綾さんも若いっていう年齢でもないし、誰かいい人いないかしらね」

「そうそう、加瀬田さんから相談されてたんだ。和子さんのこと‥」と
春樹は、和子の勝則への思いを真知子に話す。

翌朝、真知子とと春樹が二人揃って出かけようとすると綾がやって来る。

『混血児たちの新学期』というタイトルの書類を春樹に渡す綾

「これをルポするんですか?」
「あの頃産まれた子どもたち、そろそろ学校へあがるころでしょ?
 また新たな問題が出てるんじゃないかって。
 もしかして、とっても興味あるでしょ?」
「ええ。そりゃ、あるなんて(もんじゃない)」
「実はね」と、勝則からの紹介だと話す、綾。
勝則は、内緒にといったようだが、綾は独断でいずればれるんだからと話してきかせた。

「ひきうけます」ときっぱり言う春樹
「浜口さんの紹介でも?」と喜ぶ綾。

先日の春樹の家出の時に勝則に遭遇したことを話す綾。

そして、真知子にも「うち、手伝ってくれない?」と言う。
「こちらから頼みに行こうと思ってました」と真知子
「何で早く言ってくれないの」
「だって、あまりにもおんぶに抱っこで‥」

「ところで、喧嘩の原因なんだけど、定彦、からんでない?」
「ええ、そういう言い方をすれば、まぁ」
「やっぱりー。ゆうべ来たのよ、話聞いてひっくり返ったわよーー。
 でも、場合によっちゃ仲裁しなきゃと思って来たんだけど、安心したわ」

定彦のところへは、これから断りに行くという二人だった。

 日劇

衣装を持って返却に来た真知子たち。

多比良がたまたまバナナをお土産にやって来て、春樹と名刺交換する。
独り者だと聞き、綾のことを思い浮かべる二人。


 浜口家

その週の日曜日、修造と春樹が訪問していた。

徳枝は「勝則のお客さんなんだから、あなたがお茶を運べば?」と言うが
美子は「仕事の利害があるわけでもないので‥」と、接待する気はないらしい。




(つづく)




『君の名は』(262) 真知子・春樹 仲直り

2007-02-01 00:03:17 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(262)】 2月1日(木) 真知子・春樹 仲直り

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
木村吾郎  大沢樹生
佐藤章子  久我陽子:長屋の住人 喜志子の娘、女学生
佐藤時彦  橘家二三蔵:長屋の住人(大工)

      鳳プロ

深野柳子  樹木希林
角倉信枝  佐々木すみ江
加瀬田修造 橋爪功

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 長屋 後宮家

春樹は、てれ隠しで修造の紙芝居の終わるのを待っていた。

真知子は家で春樹の靴下やシャツの繕い物をしている。
信枝は「ゆうべ言ってたこととは大違いだっちゃ」とからかう

「帰ってきたらなんていう?」
「お帰りなさい‥ と言うわ」

昼ご飯の買い物に出た真知子は、ちょうど帰ってきた春樹にでくわす。
真知子は微笑みかけるが、春樹はそっぽを向く。

「どこ行ってたのよ 
「どこだっていいだろう? メシ、昼飯だよ!」
「ないわよ、これから買い物よ」

真知子は歩き出す。

修造は春樹にアドバイス
「男は負い目があると居丈高になるから、適当なところで白旗あげなさいよ」

帰ってきた春樹に、信枝も諭す
「さっきまで、真知子さん、ずっと繕い物しとったよ。
 喧嘩もいいけど、切り上げ時をはずさんように」

 深野家

真知子は、柳子の家の前で呼び止められ、お茶を飲んでいくように言われる
大工さんが「書道教室」の看板をつけていた時だった

「単刀直入に申し上げます、
 お仕事探してらっしゃるのよね、並大抵の収入でないお仕事」
「ええ、でもそんなのなくて」
「いいえ、お仕事、あります。
 小さい組織を‥百合の会といいまして、結婚相談所をね」
「でも、私、独身じゃありませんし‥、あ、電話番か何か?」
「電話番なわけがないでしょう」
「あの‥ おっしゃることが‥」

柳子は「さびしくしてらっしゃる殿方に、ご婦人を紹介する」と説明

え゛~~っ! それってそれって、所謂、売春? 

「真知子さん、会員になられたら、高収入をお約束します。
 今日一日、せめて今日一日を楽しく過ごしたい男の方と
 今日のお米が欲しい女の方の、気持ちを埋め合わせてお礼をいただいているの。
 あなたがたご夫婦の喧嘩が少なくなれば と思って」
「私にはできません」

柳子の家から出てくる真知子、お昼ご飯の買い物はせず、家に戻る。

 長屋のジャングルジム

吾郎と章子が話をしている

「明日、受験が終わったら、映画つきあってよ」
「どうしようかな~、お母さんに聞いてみる」と章子

 後宮家

真知子は帰ってくるなり、2階へ。
春樹の胸に顔をうずめて泣く真知子。

真知子の泣き声を耳にし、信枝は買い物篭を手に、外に出る。

「どうしたんだ? 悪かったよ、仕事探すよ、今、履歴書書いてたんだ」
「いいの。あなた、そんなことしなくて」
「どうした」
「私、あせってたんだわ」
「どうしたんだ」
「ショックなことがあったの」

うかつにしゃべると、蘭子や悠起枝のかつての仕事にふれてしまいそうだった‥
(と ナレーション)

お互いに謝りあうふたり。

「聞かないつもりだったけど、ゆうべはどこに泊まったの?」
「綾さんのところ」
「そうだったの…。
 私の知らないあなたがいるんじゃないかと思って寝れなかった。
 結婚しない方がよかったんじゃないかって考えて」
「結婚してよかった 良かったよ


その晩の後宮家は、スキヤキだった


(つづく)

『君の名は』(261) 真知子と春樹の夫婦喧嘩(3)

2007-01-31 00:02:04 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(261)】 1月31日(水) 真知子と春樹の夫婦喧嘩(3)

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
浜口勝則  布施博
石上梢   河合美智子
あさ     伊藤嘉奈子
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

かなり派手な夫婦喧嘩をやらかした真知子たち
悠起枝たちの質問は続く

「ねぇ、いかがわしい衣装がどうのこうのって言ってなかった?」
「日劇の募集がどうのって、やりあってたよね?」
「あたし、日劇のダンサーになおると思って」と真知子
「ダンサーって踊り子?」
「ええ」

  え゛? と絶句して真知子を見る悠起枝、謙吾、信枝

「あれ、写真で見たけど、きわどいんじゃ」
「やめたのよ。 お金、うんともらえるって聞いて、ふっと‥
 清水の舞台から飛び降りるつもりでいたんだけど、できなかった」

  安心する3人

「えっ? じゃ、春樹は何で怒ってたの?」
「ちらっとでも、そんなことを考えたのが許せないって。
 志が低いとか最低だとか。 思い出したらまた腹が立ってきた!」
「春樹君の気持ち、わからないでもないけどね、男としちゃ、メンツ丸つぶれ」
「今のあの子にそんなこという資格ないわよ」 悠起枝はきびしい。

「春樹さん、帰ってこんのかなぁ」
「威勢いいこと言ってとび出して行ったんだもの、意地でも帰ってこないと思うわ」
「泊まるあてはあるんやろか」
「あてなくて、帰って来ても、あたし入れないわ」
語気の荒い真知子

 綾の店

春樹は、足を洗ってもらい、下駄の緒のハギレをもらっていた。

綾が「お茶を飲む時間ぐらいはある」と奥にいれ、
梢とあさは「何があったんだろう?」と話す。
梢はまだ春樹に思いを寄せているので
「もしうまくいってないんなら、あたしにもチャンスがあるのよね」と言っている。

奥の部屋で綾に事情を説明する春樹

「よかったらここに泊まっていきなさい、すごすご帰れないでしょ?
 今日は、梢ちゃんもあさちゃんも徹夜で朝までいるし」
と綾

「タンカ切って飛び出すのは真知子さんの方だと思ってた。
 うちが実家のような実家のようなもんだし、
 人生って意表をついてくるから楽しいわね」
「綾さんはのんきでいいなぁ」
「よく言うわよ、今日も徹夜よ?」
「いや、心持ちのことですよ。のびやかで幸せっていうか、強くて‥」
「そんなことないわよ、ホトホトいやになることもある。仕事にも限度あるし。
 そこそこ小金を手にしたところで、欲しいものなんてないし
 譲る子どもがいるわけじゃなし」

翌朝、ラジオ体操の音楽が流れる中、お茶を飲む3人

「どうにか終わった~」
「久しぶりで楽しかった」とあさ、しかしまだ乳飲み子がいるから、初中後は来れない。

梢が、春樹ねらいの朝ご飯を用意しかえった頃、勝則がやって来る。

「後宮君のことで‥」
「本人、来てるけど」
「仕事のことなんです。ひとつ持ってきたんです。
 ボクからだというとあれなんで、綾さんからと思って、おせっかいなんですけど」

そこに春樹が「棚、直しましたよー」と降りてくる

結局、あがってお茶を飲む勝則

「夫婦喧嘩? 家出?」
「ええ」
「いずれ荷物はとりに来る ってタンカ切って出てきちゃったのよね」
「ええ」
「本気なんですか?」と勝則
「なりゆきによっちゃ、そういうことも‥」
「別れるんですか?」
「あ、いや、そこまでは」

「別れてしまったらどうですか?
 そんなぐちゃぐちゃやってるぐらいじゃ離婚して下さい。
 聞けば君は仕事もしてないようだし」
「言葉が過ぎるんじゃありませんか? なんであなたにそこまで」
「言わせてもらいます、こっちには権利があるでしょ?」
「権利?」
「むかしの話し、むし返します。
 私が彼女と別れたのは、家庭が壊れたのは、今さら何だけど、
 君たちの結びつきはひとつの家庭を壊して成り立ったモンでしょ?」
「それは‥」
「君たちにも言い分も、その正当性もあるだろう、でもボクにも感情はあるからね。
 正直、ムッとするよ。
 あの騒ぎ! 結びつきまでの、あの思い出すだけで消耗するような‥
 何なんだ、これは。俺の立場は一体‥」
「しかし、いまは幸せに‥」
「どうしてわかるんです。 そりゃ不幸せではないさ。
 でも言わせてもらえりゃ、君がいなかれば、やり直せたかもしれない。
 結果はどうなったかはわからないが、いわば送り出した人間にしてみれば、
 うまくいってくれないと困るよ。
 おれだって、どうだった? と聞かれれば酷かったさ。
 でも女房に金の心配だけはさせなかった

一言も返せない春樹


店の外、綾が勝則を送って出る

「あんなふうになるなんてすみません」
「いいのよ、いい薬。でも人を責める時は、1ヶ所、逃げ道をこさえといて。
 正論、正論で追い詰めたら、息の根とまっちゃう」
「‥」
「でも、そうして出世したんでしょうね」
「え、こたえるなぁ」
「仕事はいいのよ? でも人間関係はね、遊びを持って‥」


 修造の紙芝居

春樹は、家への帰り道、修造の『怪傑ゾロ』の紙芝居を見ていた。




(つづく)

─ 『君の名は』(260) あの頃あの歌 ♪アジャパー天国

2007-01-30 23:59:26 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(260)】 1月30日(火)

あの頃あの歌


 アジャパー天国

作詩    石本美由紀
作曲・編曲 上原げんと
唄     泉 友子 ・ 伴 淳三郎


人々のくらしにゆとりがうまれ、ペットを飼う家庭が増えてきた
この家の飼い猫は計30匹、エサ代は月六千円
チンパンジーを飼う家も現れた しつけも完璧
温泉に熊が出現、実は旅館のペット
ビールが大好物で温泉の人気者である



『君の名は』(260) 真知子と春樹の夫婦喧嘩(2)

2007-01-30 23:58:26 | ’06(本’91) 46 『君の名は』
【第6部(260)】 1月30日(火) 真知子と春樹の夫婦喧嘩(2)

後宮真知子 鈴木京香
後宮春樹  倉田てつを
水沢悠起枝 田中好子
水沢謙吾  平田満
木村吾郎  大沢樹生
石上梢   河合美智子
美村蘭子  佐藤友美
角倉信枝  佐々木すみ江
加瀬田岸枝 中原ひとみ
加瀬田和子 羽田美智子
あさ     伊藤嘉奈子
佐藤喜志子 武藤まき子:長屋の住人
叶さつき  平野早苗 :長屋の住人
美村千枝子 川田美香
加瀬田修造 橋爪功
深野柳子  樹木希林
小野瀬綾  いしだあゆみ

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

 後宮家

日劇の衣装をめぐり喧嘩になった真知子と春樹
裸といえども芸術だ、いや志が低くて猥褻だと大声でやりあう。

「実入りがいいっていうから、ききにいっただけ、やめたんだから」と反論する真知子
「あなたがしっかりしてくれたら、こんなこと考えなかった」
「ちょっとでも考えたことが最低だ」と言う春樹に、平手打ちをくわせる真知子

「最低だなんてよく言えるわね 自分は朝から晩までチーポン、チーポン
 志が低いだなんてよくも言えたわね

穴から聞いていた悠起枝と謙吾も、激しさに壁から離れる

ついに外に出て行く春樹、「どこに行くのよ!」という真知子の声に
長屋の一同(加瀬田家、美村家、水沢家)も外に出てくる。

「止めに入らなくてもいいのね?」と修造
「春樹さんが真知子に手を出したりしたら‥」信枝も心配そうである
「手、出したの真知子さんなの」と悠起枝
「ピシッといい音だった」と謙吾

「ついてくるな!と言ってるだろう!」
「どこ行くのよ!」

二人は言い争いながら、ジャングルジムの前、深野の家の前に来る

「今日こそちゃんと話し聞かせてもらいます」
「うるさい! うるさんだよ! バカ」
「あたし、浜口のお母様からお小遣いもらったのよ?
 嬉しかったけど恥ずかしかったわ。
 1円だって欲しいの、切羽詰ってるのよ。
 お義姉さんたちにお世話になって、無収入なのよ」
「だからって、男たちの前で裸で踊るのか?」
「このままじゃ、借金かかえて、クビ吊るしかないのよ?
 死ぬ気で、なんだってするわよ、何だって! 
 なのにあなたったら」

柳子はその言葉を聞いていた 「何だってする‥‥」

「わかってるよ。死ぬ気で遊んでるんだよ、泣きながら遊んでるんだよ。
 それがわからにようじゃ、おれたち終わりだな。
 荷物はいづれとりに来るよ」

柳子宅の電話が鳴る
  「今からじゃ、無理だわ‥‥」と言いながら電話に出る「百合の会でございます」

ホントに結婚相談所なの? コールガールとか?

真知子が戻ってきたのを見て、みな家に入っていく

蘭子と修造が
「ホントにだいじょうぶからしら」などと話している様子をじっとうかがう
岸枝と和子。


 後宮家

悠起枝たちがいきさつを聞いている。
「どこいったんやろな」
「知らないわ」
「そのうちノコノコ戻ってくるに決まってるわ」と悠起枝
「真知子さん、たたいたんだって?」と信枝 「ようやった!」と続ける。
「お姉さんの前で何だけど、あたしも堪忍袋の緒が切れとったよ。
 よっぽど内職はじめようかと思っとったで」

「しかしどこいったんやろな? 春樹君思いつめるタイプやろ?」
「変な事言わないでよ」

 綾の店

徹夜でミシンをかけるという綾たちの店の前に春樹はいた。

「どうしたの?」と出てきた綾に
下駄を両手に持って「火のよう~じん  」という春樹


(つづく)