あの世とこの世の境目には、川の水と海水が混ざる「汽水域」の様なところがあります。仏教では「中陰」と言いますが、ここに俗に言う「怪奇現象」の原因があるように思います。幽霊、UFO、デジャブ、予言、神託など。ちょうど「飛魚」が海面から飛翔し、海水世界からこちらの一部を覗くように、人のなかにもこういった領域にアクセス出来る人々がいるのでしょう。垣間見た内容は、その人によりかなり様相が異なるようですが・・・・・ . . . 本文を読む
宇宙空間の漆黒を背景に、ほのかに明るい地平線がゆるやかに弧を描いています。手前に太平洋が広がる碧い地球です。淡く白雲が霞んでいる。ここは、赤道に近いフィリピンのはるか上空。広大なユーラシア大陸の東端に、細く南北にノの字描いた日本列島が、何とか確認できます。さらに、ズームインして見てみましょう。 本州と九州をラジカセに見立てれば、ちょうどカセットをはめ込んだような形で、四国が納まっています。この島 . . . 本文を読む
桜の花が、咲き始めた頃。 やわらかな日差しがここちよい。
火葬場の広い駐車場の真ん中で、一人の女の子が泣きさけんでいる。「ビエーンー ビエーンー おかあしゃん、 おかあしゃん」 事情を知らない喪服のおばさん達が 「まあ可哀そうにそうに、こんな幼子を残して・・・」 目にハンカチをあてながら、通り過ぎて行く。 女子の名は小春、五才になった。左手にペコちゃんキャンディ、右手で空に向かいバイバイして . . . 本文を読む
何も知らぬとは言え、案内書によれば一番初めのお寺は、徳島県にある。そこで、納経帳なる、朱印を押してもらうスタンプ台帳のような物を買い、とりあえず、そこの本堂にお参りして、納経所で三百円払い印を押してもらう。これを88回繰り返し、スタンプを集めて廻ることが、どうやら、お遍路さんの基本的スタイルらしいことがわかった。 徳島への車中では、嫁にガイドブックを音読させ、お遍路の予備知識を頭に入れつつ、炎天 . . . 本文を読む
昨夜の内に、一番札所霊山寺の駐車場まで、移動し一夜を明かす。ワゴン車の後ろ2列の席を、平らにし布団を敷き、阿波踊りの疲れもあり、ぐっすりと良く寝た。と、言いたいところだが、真夏である。窓を開ければ涼しいが、蚊が容赦なく攻撃してくる。閉めればダイエットには最適だが、寝るには最悪だ。エンジンかけっぱなしで、エアコン入れるには、ご近所迷惑だろう。なんせディーゼル車でガラガラ音が凄まじい。結局、窓を開け . . . 本文を読む
この後、地蔵寺ー安楽寺ー十楽寺ー熊谷寺ー宝輪寺と順にお参りを終え、昼前には早くも10番札所の切幡寺へ到着、だんだんと参拝の仕方にも慣れてきた。お寺は山の中腹にあるらしく、ふもとの駐車場から歩く。が、登れど、登れど、参道つきることなく、汗が吹き出る。やがて、山門らしき所に到着。ふと横を見れば、なんと、ここにも駐車場があったではないか!あらためて、情報収集の甘さを悔やむ。 ここからは、石段。鋭い勾配 . . . 本文を読む
ガイドブックによれば、次こそは大変なお寺らしい。その名を焼山寺(しょうざんじ)。まだ自動車などない昔、その参道の険しさは別名「遍路ころがし」と恐れられた難所だそうだ。しかし、わがバタンコ88号にとっても大変である。山道に入ってから、かれこれ一時間、ハンドルを切る手が、右へ、左へ、休む間もない。谷側は恐いので、ならべく山肌ギリギリに時速亀kmで牛歩きをする。時おり、ガリ、ゴリと嫌な音、朽ちかけたボ . . . 本文を読む
渋滞している県道、大日寺を経て第十四番札所常楽寺へと到着。少し陽が傾きかけてきた。ここのご本尊さんは88ヶ所中唯一、弥勒菩薩さんだ。ぶったまげた事に、この仏さんは、仏陀が入滅して、五十六億七千万年後の世界に現れて、人々を救ういう。お釈迦さんが、あの世に帰られたのが大体二千五百年前。換算すると、弥勒菩薩は今から、約五億六千六百九十九万九千七百五十年後にお出ましになる。一体、どんな人類が、いかなる困 . . . 本文を読む
5時過ぎには日の出だ。朝陽がまぶしくて目が覚める。少し雲も出ているが、晴れ模様で、街道沿いにもかかわらず、空気澄みわたり、かなり贅沢な朝。エンジン音は気になったが、エアコンのお陰で、ぐっすりと熟睡できた。駐車場をお借りしたお礼に、ここのコンビ二で朝食を買う。NHKで時間どおりのラジオ体操を始める。体が軽い。寝冷えはしてないようだ。今日は徳島県南部を回る。気負いすぎた昨日のスタンプラリー的駆け足参 . . . 本文を読む
気を取り直して、次の第二十一番札所=舎心山 太龍寺 常住院=へとカーナビをセットする。ここも修行のお寺らしい。ガイドブックによれば、「弘法大師は貴族社会に嫌気がさして、当時の大学をやめて、ここの山に登り、虚空蔵求聞持法を修行した」とある。 なんと大師は私と同じく、大学中退であったか。山口百恵と同級生と知った時以来の、共通項発見的感激だ。ただし私の場合は、勉強に嫌気がさし、修行したのはルンペン道であ . . . 本文を読む
バタンコ88号に戻れば、昼飯時である。ロープウエーに、ご満悦のわがお子様達は、快くマクドナルドを断念してくれた。もしマックまでとなれば、徳島市まで引き返すはめになっていた。ロープウエー料金は怪我の功名か。道すがらのコンビ二で、カップ麺に湯をもらい、この真夏に熱々をすする。子等よ、これも修行ぢゃ。なんとも、修行とは貧乏人に好都合である。 第22番札所=白水山 平等寺 医王院=は阿南市の南にあ ここ . . . 本文を読む
魚屋の朝は早い。いつも、3時頃には目覚める。体に滲みついた習慣は、旅先でであっても変わらないらしい。穏やかな早朝の太平洋、遠い水平線のありかは、星明りがしないあたりだろうか。ひと際あざやかに輝くのが、モーングスター、「金星」 いつも、魚市場に向かう軽トラのフロントガラス越しに、見る本当に明るい星だ。深夜放送でもよく話題に出る。英語ではビーナスだと解説していた。なぜヌードモデルが金星なのか、西洋人 . . . 本文を読む
まず始めに、私は鬼嫁ではありません。それに40才ではなく、まだ39才です。そして顔面表皮異常発達症などという、ありもしない病気でもありません。便所の100Wのようなこの男と、どうして結婚するような破目になったのか、いまだによくわからないままです。ついでに言えば、何が嬉しくて、この夏休みにお寺まわりをしているのでしょうか?普通、家族旅行といえば、海外とまではいかなくても、ディズニーランドとかユニバ . . . 本文を読む
熟睡中にもかかわらず、鬼嫁の拳骨で目がさめた。何もなぐることはあるまいに、と思ったが、機嫌が悪そうなので、まだ寝込んでいる子供達をそのままに、「謎のインド人運転手パーカー」に変身してペネロープ様のご命令どうりハンドルを握った。 土佐くろしお鉄道をクロスして、谷間のうねり道をローリングしつつ、第二十七番札所神峯寺の駐車場に到着。腹がすいたのか子供らも起き出して来た。門前、皆で合掌して、いざ参拝。 . . . 本文を読む
すごくいい気持ちで神峯寺を後にした。国道55号に出るまで、眼の前の太平洋が、迫るのを楽しみながら下って行く。耳の奥にあのケーナという笛の音が澄みわたり、脳ミソをカタルシスしている。ひそかに「わしもマスターしちゃる」と誓った。 国道に出れば、土佐くろしお鉄道を右に左に、たまに、かわいい車両に出会いながら、高知を目指し北上する。安芸市にて遅い昼食を駅前のスーパーでとる。鮮魚売場の、かつおのタタキ(さ . . . 本文を読む