ノグチサトキ

名もなきギタリストの物語

最後no昭和

2012-06-24 | 自分史

“自由”、

最後の昭和、80年代には、既に何をやってもいい“自由”に変わっていた。

エコノミックアニマル、ジャパンと言われた時代。

モラル意識も低下していたのかもしれない。

世の中は、浮かれてたし、誰もが望み通り、夢も、欲望も、

手を伸ばせばすぐそこにあるような気がしてた。

景気は、このまま上向き続けると思っていたし、

先行きの不安に駆られることもなく、将来、ましてや、老後のことなんて考える必要もなかった。


明日より、その時、その一瞬に溺れた・・・。


今、考えれば当たり前のごとく、

そんな状況が永く続くわけがない・・・。


昭和も終わり、平成となり、

やがて、景気の陰りが見え始め、

やがて、バブルは崩壊

何をやってもいい自由は、

先行きが見えない中で、なにをどうすることもできない自由に変わってしまった。


“好きなことは、続けなくてはならない”が、

基盤をなくして、続けられるすべもない。


見栄えがよければまだしも、たかだか、ライブハウスで少々ギターを弾いてたといって、

その音楽が基盤となりえるはずもない。

襟を正し、社会に出ることもできず、

理想と現実、観念と行動の狭間に苛み、独りもどかしく、

無為に、何をやっていいのかもさえ分からなくなっていった。

時には酒に、時には女に溺れ、あえきながら、

心身共に行き場をなくした俺は、この街を出た・・・。


つづく



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1 コメント

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Unknown (宮G)
2012-06-25 00:44:18
皆トガッててカッコよかったんやろなぁ。
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