(その2)からの続きです。
低音フルートを愛でる会 in くまもと の参加レポート「その3」です。
さて本番当日。
台風接近が心配されましたが、低音パワーで台風は吹き飛び……
…とはならず、午前中は結構な大雨です。
しかし前日、お客さんが一人でもいらしたらコンサートは開く!
という主催者さまの力強い言葉もあり
台風接近で来られなくなった方々を除き
ほとんどの参加者は予定通りに会場入りしました。
リハーサルを経たのち、コンサートの開演は13:30。
あいにくの天候で、会場は満席とはなりませんでしたが
それでも雨の中、いらしてくださった方々に感謝です。
低音フルートの世界を楽しんでもらえれば、と
心を込めて演奏しました。
※入場料は一般1000円、学生500円。益城町在住の方は無料。
当日のプログラムは次のとおり。
【第1部】
楽器紹介
Song for japan
イーナの歌/ソリスト:多久潤一朗
演奏:フルートアンサンブル'90 with special players
【第2部】
アヴェ・ヴェルム・コルプス
ジュ・トゥ・ヴ
wave
演歌メドレー
火祭りの踊り
曲はすべて、低音フルートオーケストラのために
多久潤一朗さんが編曲したものです。
第2部はクラシックから演歌まで、
あえて異なるジャンルから曲を選んだ、と多久さん。
アルトフルート以下の低音フルート族だけでも、
さまざまな表現ができることに驚きです。
個人的には、多久さんのバスフルートの音色を間近で聴き、
バスフルートいいわ~ と思ったコンサートでした。
コンサート終了後は、
多久さんによる「フルート特殊奏法道場」が開催されました。
宴会に使えそうな特殊奏法や
「へ?それフルートの音?!」と思わずにはいられない
不思議な奏法などを実演・指導してくれる多久さん。
参加者も自分のフルート(ここでは普通のフルートを使用)で
実際に特殊奏法にチャレンジしてみました。
(そのもようは非公開なので
特殊な奏法ってなに!?と思った方は
YouTubeで「多久潤一朗」や「マグナムトリオ」で検索してみてください)
今回のイベントの様子を多久さんご本人もブログで報告されています。
一日目
二日目
アルトフルート以下のフルート族たちは
業界(?)では「特殊管」と呼ばれています。
しかし、舞台上にずらりとならんだ楽器たちを見ていると、
もはや特殊管は「特殊」ではないな…と思った二日間でした。
最後になりましたが、
鹿児島から参加した皆さん、お疲れ様でした。
会場に聴きに来てくださった皆さん、ありがとうございました。
そしてこの特別なイベントを実現してくださったフルートアンサンブル'90のみなさん、
熊本の人々のパワーと明るさに感激しました。ありがとうございました。
そして、多久さん、台風の中はるばる九州までありがとうございました!
(了)
(その1) からの続きです。
低音フルートを愛でる会 in くまもと の参加レポート「その2」です。
今回のイベントは2日間にわたって次のようなスケジュールで行われました。
9/17(土):受付、練習、益城町散歩ツアー(希望者)、展示ブース、親睦会(希望者)
9/18(日):展示ブース、練習、コンサート本番、多久潤一朗氏によるフルート特殊奏法道場、打ち上げ(希望者)
まず第1日目。
台風が九州に接近しつつあるなか、会場の「益城町文化会館」に、各地から参加者が続々と集まってきました。
参加者は
アルトフルート:30名
バスフルート:18名
Fバスフルート:3名
コントラバスフルート:5名
(台風のため当日参加できなかった人も含む)
なんと50人以上! みな、低音フルートが好きな人たち。
県別の内訳は
熊本県:28名
福岡県:14名
大分県:2名
佐賀県:1名
長崎県:1名
鹿児島県:5名(1人は当日欠席)☆全員、薩摩フルートの会のメンバー!
そしてなんと
千葉県、大阪府、神奈川県から参加された方も!!
みなさん、どんだけ低音フルートが好きなんですか……
楽器については、自分の楽器を持参した方、自分が所属する団体の楽器を持参した方、
主催者側で用意した楽器をレンタルされた方がいました。
楽譜は事前にメールで配布されていましたが、
全員で合わせるのはこの日が初めて。
さてどうなることやら…
…と思いきや、皆さん(筆者除く)は事前にしっかりと練習されていたのでしょう、
練習はサクサクと進んでいきます。皆さんすごい。
今回、一番高い音域を担当するのはアルトフルート。
アルトフルートの楽譜にはこれまで見たこともないような高い音域の音が並んでいます。
練習の前半と後半の間には、益城町散歩ツアーも組まれていました(希望者)。
益城町は2016年の地震で被害が大きかった町です。
会場の文化会館の周辺は倒壊した家屋も多く、文化会館も被災しました。
(多久さんが会場周辺の写真を何枚かブログにあげてくださっています)
今回、会場にはプリマ楽器さん(三響フルート取り扱い)のブースと
Taku music (多久ミュージック)さんのブースも設営されました。
三響のブースではバスフルート(旧モデルと新モデル)の試奏ができました。
Taku music のブースでは、ぴかぴか棒や楽譜が人気を集めていました。
練習後には親睦会が開催されました。
熊本県外からの参加者はほぼ出席したのではないでしょうか(未確認)。
県の垣根を越えて、音楽談義、フルート談義、低音フルート談義に花が咲きました。
まだまだ続きます…
前回の記事を投稿したときは夏真っ盛りでしたが、いつのまにか季節はもう秋。
薩摩フルートの会の定期演奏会まで、あと4か月足らずになりました。
会員一同、演奏会に向けて練習に励んでいるところです。
さて、今回は、薩摩フルートの会の話題ではないのですが、
会のメンバー4人(アマチュア含む)が参加した
「低音フルートを愛でる会 コンサート in くまもと」についてレポートします。
このコンサートは多久潤一朗氏監修、
フルートアンサンブル’90の主催により実現した
「低音フルートだけによる演奏会」です。
ここでちょっと簡単にご説明を。
まず、多久潤一朗さん。
「福岡県生まれ、埼玉育ちのフルート奏者、作曲家。
「無数のオリジナル奏法と自由な発想により従来のコンサートのイメージを一新させるパフォーマンスを行う。
東京藝術大学卒業。フルートを木ノ脇道元、佐久間由美子、竹澤栄祐に師事。」
(同氏のオフィシャルウェブサイトのプロフィールページより引用。)
最近では、アニメ「ユーリ!!!onICE」の笛類一式、大河ドラマ「おんな城主 直虎」のフルートを担当されています。
フルートアンサンブル’90について。
「1990年に熊本在住の女性フルーティストによって結成されたアンサンブルです。
メンバー全員が音楽大学等でフルートを専門に勉強し、現在はフルート講師として、またプレーヤーとして活躍中。
熊本のフルートを牽引する団体として活動を続けて来ました。毎年多彩な定期演奏会を開き、多くの固定ファンを獲得しています。」
(フルートアンサンブル’90ウェブサイトより引用)
そして「低音フルート」とは何でしょうか。
薩摩フルートの会の演奏会に足をお運びいただいたことのある方はご存じかもしれませんが、
フルートには、オーケストラなどで普通みかける「フルート」や「ピッコロ」のほか、
「アルトフルート」「バスフルート」という、普通のフルートよりも低い音の出る仲間たちがいます。
さらに、もっと低い音が出る「Fバスフルート」「コントラバスフルート」という
大型のフルートもあります。
アルトフルート:G管と呼ばれる移調楽器です。普通のフルートよりも完全4度低い音(ドの指づかいでソの音)が出ます。長さはフルートの約1.5倍です。
バスフルート:普通のフルートのオクターブ下の音が出ます。長さは普通のフルートの約2倍です。
写真の左から2番目がバスフルートです。アルトはその右側ですがちょっとわかりづらいですね…
Fバスフルート:F管の移調楽器です。バスフルートよりも完全5度低い音(ドの指づかいでファ)が出ます。
コントラバスフルート:バスフルートのさらにオクターブ下の音が出ます。普通のフルートの約4倍の長さです。
Fバスフルートもコントラバスフルートも、横に持って吹くにはあまりに長すぎるので、奏者は縦に構えて吹きます。
(左がFバスフルート。こんな風に縦に構えて吹きます。
右はいずれもコントラバスフルート。写真はS氏提供)
こうした「低音フルート」は、フルートアンサンブルやフルートオーケストラで使用されることはありますが、
「伴奏」を担当することが多く、あまりメロディを担当することはありません。
しかし、この「低音」フルートには普通のフルートにはない魅力があり、
その魅力にハマったひとたちがプロアマ問わず、実は結構いるのです!
「低音フルートを愛でる会」は、そうした低音フルート愛好者で集まって
低音フルートだけでアンサンブルを楽しもうというイベントです。
これまでに何度か東京で開催されていましたが、
低音フルート愛好者がたくさんいる九州でもぜひ開催を!いう声を受け、
多久氏とフルートアンサンブル’90のお力により、
今回、九州は熊本での開催がついに実現しました。
説明だけで長くなってしまったので、
実際のイベントレポートは次回へつづく…(すみません)。
(今回の記事作成にあたり、季刊ムラマツ 2017年秋号を参考にしました)