みなさんこんにちは蟹バリズムです。
今回紹介するのは『霊魂の不滅』です。
ジャンルはホラー/ファンタジーとなっております。
1920年の作品なので無声映画ですね。
ホラー映画史の中では、そこまで評価されていません。
しかし、この作品で使われている“二重露光”は当時は画期的な撮影方法でした。
そんな歴史のある作品をぜひチェックしてくださいね!
【上映時間】
70分
【制作国】
【監督・脚本・キャスト】
【あらすじ】
大晦日の晩の出来事である。救世軍の女士官で、人生に対し温かい心を抱いて居るエディス・ラーソンは重い病の床に苦しんで居た。彼女が死の床にあっても尚心に懸かるのはデイヴィッド・ホラムの事であった。ホラムは仕方の無い酔払いで、妻や子のあるに拘らず、この晩も教会の庭で除夜の鐘を待ちながら飲み仲間と酒をあおって居た。彼は仲間に彼の友人ゲラーの事を話した。心理学に深い造詣を持つゲラーは大晦日の十二時に死んだ者は次の一年間死神の馬車の御者と成って、悲しみ、罪、絶望のある所、陸と海とを問わず、貧しきと富めるに係わらず死者の魂をその馬車に積み取る為に労々として働くものだと信じて居た。そして彼は去年の大晦日深夜の十二時に死んだのである。ホルムが話し終わってから程なく仲間同志わずかの事から争って、彼は墓石の上へ打ち倒された。折から崇厳に教会の鐘は十二時を報じて響いた。死神の馬車は音も無く教会の庭へ入って来て…
【ネタバレなし感想】
無声映画。
無声時代からの北欧出身の世界的な巨匠ヴィクトル・シェストレム監督。
鳥飼りょうさんの伴奏付きで見させてもらいました。
いやー、音楽の力ってスゴイなって感じました。
重要な場面以外は字幕が出ないので、役者の表情、動き、そしてピアノの伴奏が心情を読み解く鍵となる。
これは無声映画でしか味わえませんね。
本作は二重露光が多様されています。
当時は現像段階での二重露光ができなかったので、一度撮影したフィルムを巻き戻して再び露光させる方法でした。
めちゃくちゃスゴイですよね。
別に映画史上初ではないですが、公開当時は画期的な撮影方法でした。
印象的なのは、夫が斧で妻子を襲う場面です。
これはグリフィスの『散りゆく花』(1919)に影響された場面であり、後にキューブリックが『シャイニング』で同じことをしています。
この連鎖こそが“映画”の面白いところですね。
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