Life is …

ある日突然世界が変わってしまったマロンたんと、穏やかで優しい時間が1秒でも長く続くよう試行錯誤する日々の記録です。

早いもので…

2023-10-01 14:30:00 | love

今年の夏は10月まで。

夏の初め、どこかで見かけたそんなニュースに、

まさかさすがに言い過ぎでしょ…と笑ったけれど、

本当にまだ衣替えができそうな気配ではないですね。

マロンの夜鳴きが近所迷惑にならないように、

窓を閉め切った生活をしているので、

24時間エアコンと空気清浄機必須の毎日です。

不器用ながら夢中で過ごした日々も、

気が付けば半年が経っていました。

スリングに入れてだっこでお散歩するのもすっかり日常となり、

入浴介助も少しは上達した、はず。

救世主の鎮静剤は、加減がなかなか難しく、

マロンの様子は日によって変わりますが、

以前のように一喜一憂することは少なくなりました。

自分の時間がほとんどないことや、

寝不足が続いていることにも、

慣れてきたし、望まなくなったし、

それでもそう悪くないって思えるのです。

ジェジュンのライブやトンのファンミには、

しばらく行けそうにないけれど、

だからといって彼らを好きなことには変わりなくて、

CDを聞いたり映像を見たりと、

今できることで楽しみながら、

いつかまた時が来たら、

赤い海の一滴になりたいです。



ずっと切望していた『木蘭の涙』が収録されていて、

すごくすごく嬉しかったTT

ゆっくり本や雑誌を読む時間はなくても、

好きな人の小説だけは読みます。

圧倒的に集中して心を砕く存在があるからこそ、

本当に必要なものだけが残る感覚は、

断捨離に似てるねって言われました。

ぐずぐずとむずがって鳴き続けるマロンを見ていると、

マロンと一緒にいたいという私の願いは、

マロンの辛さと一緒にあるような気もするし、

なぜか無性に『ごめんね』って何度も言ってしまう日もある。

でも穏やかな顔をしている日があると、

まだまだ行ける、大丈夫だよねって思える。

いつまでこんな時間が続くのかわからないけれど、

マロンが今日一日、穏やかに過ごせることが、

私の今一番の望みです。

そんな一日の積み重ねが少しでも長く続くといいな。

モフモフを抱っこするのが心地よい季節が待ち遠しいです。

夏の疲れがいつまでも続く時期、

みんなお体大切にね。

ミカ


試されているのだろうか

2023-08-26 15:28:13 | love
このブログは私が、
マロンと過ごす濃く愛しい時間を記録したくて始めました。
同じように大切ないのちと向き合う人が、
もしかしたら自分だけじゃないと感じるかもしれない。
こんなアプローチや便利なものがあると
参考になるかもしれない。
そして何より自分に言い聞かせる意味もあって、
なるべくポジティブな言葉で、
希望をなくさないように向き合いたいと思っています。
でも不思議なことに私が
『落ち着いてきました』とか、
『穏やかに過ごせています』と書いた後、
決まってがくんと厳しい状況が訪れるのです。
現実は甘くないのだと知らされているのか、
どこまで頑張れるか試されているのか。
脳障害の病状はもう固定しているのですが、
今、少しずつ進んでいるのが痴呆の症状。
鎮静剤も万能ではなく、
マロンの心臓などへの影響を考えると、
乱用することも躊躇われます。
効き目も安定しているとは言えず、
夜、寝る前に飲んでぐっすり眠り、
翌日も穏やかな表情で過ごせたかと思うと、
夜中に目覚めて朝まで鳴き続けることも。
おむつも濡れていなくて、
水も飲んだばかりなのに、
抱っこしても揺らしてみてもだめで、
何時間でも体中を震わせて鳴き続けるマロンと一緒に、
2階のテラスに出て朝陽が昇るのを眺める日も増えてきました。
そうしているとね、
この世界にはマロンと私のふたりだけしかいないような気持ちになるのです。
ああ、完結している…って、
ちょっと感動する。
寄り添えない誰かの感情に振り回されることもなく、
情けない自分の感情を持て余すこともなく、
ただ過ぎてゆく時間の流れに揺蕩っている。
このまま時間が止まってもいいなあって思う。
そんなある意味至福な時は短くて、
すぐに残暑とは言い難い熱気に慌てて部屋に入るのですけどね。
見ていて心配になるくらい全力で鳴くマロンですが、
先生曰く『病気がそうさせるだけで、苦しくて鳴くのではない』そうです。
そうわかってはいても、
見ている方は辛いのですが、
どんなに激しく鳴いていても、
抱っこでお散歩に出ると鳴きやむのです。
お散歩を断られたことは一度もないくらい、
ずうっとお散歩大好きだったものな。
老いは残酷ですね。
それは私たちにも言えること。
心も体もしんどいことが多くなって、
それでも生きていかなくてはならない。
だったらやっぱりそのしんどい時間の中から、
小さな喜びや幸せを探し続けたいのです。
私はね、新作アイスにときめくうちは大丈夫だと思ってます。



元々この板チョコアイスは好きなのですが、
チョコのカスタード感と中に入っているキャラメルが、
まさにカスタードプリンでした。
ミカ

凪のような夏

2023-08-20 13:56:23 | love

毎日暑いですねー

 
地球沸騰化なんていう、
字を見るだけで息苦しさが増しそうな言葉も出てきましたが、
マロンと私は凪のような時間を過ごしています。
 
新しい病院で処方された鎮静剤のお陰で、
夜中に目を覚ます時間が減っただけでなく、
昼間も比較的穏やかに過ごす時が多くなったマロン。
 
もちろん眠い時にぐずったり、
興奮が抑えられなくて暴れたりすることはありますし、
自分のことを考えたり楽しむ余裕はないのも事実。
 
 
鎮静剤がマロンの体にいいことばかりではないのも承知しています。
 
それでも一時期の、
疲労困憊で泣きたくなるような状態に比べたら、
本当にありがたいのです。
 
病気が良くなるためとか、
あとどれくらいとか、
今のマロンにとって考えても仕方のないことに囚われたり、
元気に歩いてお散歩しているわんこを羨ましく思うこともなくなり、
今日一日穏やかに過ごせたことに心から感謝できるようになりました。
 
状況は前より深刻なんです、きっと。
 
だけどすごく楽になった気がするの、不思議。
 
マロンが鳴いたりぐずったりする理由も、
声のトーンでだいたいわかるようになりました。
 
おしっこやうんちが出た時は、
急かすように高い声。
 
喉が渇いた時は、
はっきりと大きな声。
 
そして人の気配が感じられなかったり、
寂しくなった時は、
ぐずぐずと甘えるような声。
 
これが可愛くて愛しくてね。
 
 
このモフモフのお腹に顔を埋めて深呼吸すると、
マロンが生きているいのちの、
ほの甘い香りに心が満たされて、
私も生きててよかったって思えるのです。
 
 
以前に比べると、
本当に甘えん坊の寂ししん坊になったマロンたん。
 
いっぱい名前を呼んで、
大好きだよ、可愛いよって声をかけて、
べったべたに甘やかしています。
 
 
特別なことはなにもない、
この凪のような夏を、
あと少し楽しもうっと。
 
 
いただきものの、今日のおやつ。
 
 
地元の町の神社のそばにできた和菓子屋さんの、
ご利益のありそうな名前の和菓子がとても美味しかったです。
 
 
 
梅が枝餅みたいなもっちもちの皮は、
冷めてもかたくならないので、
夏は冷蔵庫で冷やして食べるのもおすすめだとか。
 
あんこも、こしあん、つぶあん、季節限定(今は桃)と色々楽しめる。
 
どんな日もおやつは忘れないのです。
 
 
ミカ
 
 
 



 
 

受け入れることの本当の意味

2023-07-31 15:31:45 | love

マロンの体重に対して処方された鎮静剤の1回分は1/4錠。

 

大きさにして2mm四方ほどの、

注意していないと見失ってしまいそうな小ささです。

 

夜10時頃、寝ぐずりのように動き、

大きな声で鳴くマロンに、

ベビーフードのりんごジュレに包むようにして与えると、

ものの数分でストンとおとなしくなりました。

 

そしてあんなにひどかった夜鳴きもまったくなく、

朝までぐっすり眠ったのです。

 

……が、朝になっても全く起きる気配がなく、

抱っこしてもぐにゃりとした様子で、

呼びかけにも反応しません。

 

おしっこやウンチが出た時はごそごそと身じろぎますが、

ずっと目を閉じて動かないマロンを見ていると、

『このままもう目が覚めないんじゃないか』と心配になって、

ずっと寝顔を見つめていました。

 

夕方なんとか柔らかくしたフードを口から食べたものの、

しっかり覚醒したのは夜遅くになってからでした。

 

あんな爪楊枝の先ほどの薬ですが、

使い方を間違えないようにしなくてはと、

恐ろしくなりました。

 

夜鳴き対策と、トリマーさんに預ける時に落ち着いてくれればいいので、

食事ができないほど意識レベルが落ちないように、

先生と相談して、処方された錠剤を更に半分にすることに。

 

ネットって本当に便利。

 

薬包紙は翌日配送で届くし、

包み方も詳しい図解で見つかるのです。

 

Amazon | 博愛社 (HAKUAI) 薬包紙(パラピン) 2022-000 中 1包(500枚入) | パラフィンフィルム・ラップ | 産業・研究開発用品 通販

 

 

小分けにしておけば、

トリマーさんにもお守り代わりにお預けすることができる。

 

体内時計が狂うことを少しでも防げるように、

毎朝の日光浴は日課となりました。

 

眠っていてもウンチやおしっこを知らせてくれるマロンたん。

 

認知症かもしれないけど、

何もわからないわけではないのです。

 

鳴いていても抱っこすると鳴きやむし、

声をかけながら撫でてやると耳をピクピクして聞いているし、

抱っこでお散歩の時はずっと気持ちよさそうにしています。

 

想いは伝わっていると思いたいのです。

 

マロンが病気になって最初に言われた、

『一番大事なのはすべて受け入れること』

 

それを私は、病気が引き起こす様々な障害や、

マロンにふりかかる現実のことだと思っていました。

 

けれどその意味はもっと深く、重かった。

 

正解がひとつではない中で、

マロンにとっていいと思える道を選び、

その選択が引き起こす結果や繋がる未来も含め、

すべて受け入れなくてはならないのです。

 

もっとこうすればよかった。

マロンのために本当にそれが一番いいのか。

違う選択をしたらどうだっただろう。

 

そんな後悔も既にいくつもありますが、

少しでも穏やかに、マロンらしく、

いのちを生ききることができるよう寄り添っていたいです。

 

 

 

ミカ

 

 


一筋の光

2023-07-23 16:19:00 | love

マロンの新しい病院を探そう。

既に病気になっている子を診てくれるところで、

マロンを車に乗せて連れて行くことを考えると、

自宅から30分以内の距離にしたい。

そして預かりも受けてくれるところ。

ハードルはなかなか高くて、

インターネット検索でヒットした病院に、

片っ端から電話をしました。

『かかりつけで継続して診ている子しか預かれない』

『病気の治療中や慢性化している子を途中から診るのは…』

病院から言われることは最もですが、

こちらも諦めるわけにはいかなくて。

何軒目かにやっと『一度連れてきてみてください』と言われた時には、

ありがたくて涙が出そうでした。

隣のそのまた隣の市にある病院ですが、

自宅から車で20分ほど。

獣医さんが8人に動物看護士さん、

医療トリミングのスタッフもいらっしゃる大きな病院で、

待合室にも外にも患者さんが溢れています。

やっと順番が回ってきて診察。

前の病院にはCTなどの機械はなく、

シニア犬にとって検査の負担をかけるより、

困っている症状を緩和させることを第一にというご配慮で、

血液検査もしたことがなく、

先生が様子を診て処方してくださった薬をいただくという対症療法でした。

薬の処方箋などもなく、

『気持ちを落ち着かせる安定剤のようなもの』とか

『神経の伝達をよくするもの』などと口頭で説明を受けていました。

それでも先生を信頼していましたし、

不満はありませんでしたが、

新しい病院の診察の流れがあまりにこれまでと違っていて驚きました。

診察室に入るとまず、

「セカンドオピニオンですか?それとも今後ウチで面倒見させてもらえますか?」と聞かれたので、

これまでの経緯を説明し、今、服用している薬もすべてお渡しして、

今後お世話になりたいとお伝えしました。

先生は体温を測り、聴診器で胸の音を聞いて、

瞳孔や手足の反応など全身をチェックした後で、

「年齢や、発症してからの時間を考えても、CTなど麻酔をかける検査については私もリスクの方が大きいのでしない方がいいと思いますが、レントゲンと血液検査で今の状態をもう少し詳しく診せてください」と。

可愛い制服の看護師さんに抱っこされたマロンたんとしばらくお別れ。

―――その後、先生からのお話。

①骨や筋肉の状態は、17歳とは思えないほどしっかりしている。

②3ヶ月以上ステロイドを服用している割に腎臓などの状態も悪くない。

③検査結果と今の様子からみて、脳障害がきっかけとなった認知症がかなり進んでいる。

動きが激しく食欲があるのはステロイドの影響もあって、

ステロイドは長く続けると腎臓などへのダメージもあるけれど、

マロンの場合、食べられなくなったら衰弱が進むと思われるので、

血液検査を定期的にしながらステロイドだけ続けましょう。

厳しい現実だけど、まずは、はっきり現状をお話させてもらいますね。

今後大きな痙攣などの発作が起きる可能性はあるし、

認知症が進行することによって全身状態が弱ることも考えられるし、

総合的に診て、これから良くなるとか病気が治るという可能性は低く、

年単位ではなく月単位で考えてエンディングに向かって緩和ケアを考える段階にいます。

―――――ちょ、まって…

認知症?

つい数か月前までトイレの失敗も全然なくて、

毎日一緒に楽しくお散歩に行って、

夜になったら自分でベッドに行って朝までぐっすり寝ていたのに?

キッチンでりんごを切っていたらいつの間にかそばに来ておねだりしていたのに?

エンディング?

緩和ケア?

言葉を失う私に、

『今、一番望むことはなんですか?』と聞かれ、

「マロンが少しでも穏やかに、楽に過ごせる時間が欲しいです」と、

現状がどうであれこの答えだけは、はっきりしていました。

先生は、

「マロンちゃんを楽にする、という意味だけにおいて言えば、現在の状態はアメリカなどの症例でいうと安楽死の適応です。でもそれは日本人の死生観にはなかなか合いにくいですし、もちろん私たちも勧めるつもりはありません。マロンちゃんもご家族も納得できるエンディングを迎えられるよう薬や周囲の力を借りながら向き合っていきましょう」

衝撃的な言葉が次々と出てきて、

とても気持ちが追い付かず、

先生のお話を聞き洩らさないようにするのが精いっぱいでした。

それでも、突然よそから転院してきた私たちに、

いきなり厳しい現実や、言いにくい予後を伝えなくてはならない中、

それでも色んな方法や薬の可能性や選択肢を示して、

しっかり寄り添ってくださる先生だと感じられました。

時間をかけて相談させていただいた結果、

先生が最優先させるべきだとおっしゃったのは、

『まずご家族が、休むべき時間(夜)に睡眠をとってください。そうでないと、これから何かを選んだり決めたりする時、睡眠不足では正しい(よりよい)判断ができませんよ。それに、私たちがお話する予後は統計的なもので、内臓も筋肉もしっかりしているマロンちゃんの生命力は、人間の予想なんか超えてくれるかもしれない。少しでも長くマロンちゃんと一緒にいたいのであれば、ご家族も健康でいなくてはね』

そしてこれまでの気休めのような安定剤ではなく、

アセプロ(APC)という鎮静剤を処方していただきました。

一日にして世界が変わったけれど、

いつかは向き合わなくてはならない現実はただ厳しいだけではなく、

一筋の光が差してきたようにも思えました。

最近、ベビーフードが使えることに気づいた私。

ご機嫌斜めで水を飲まない時でも、

水のお皿に数滴落としてやると、

甘い香りにつられてゴクゴクいってくれます。

ミカ