持ち前のガッツで日に日に動きがよくなるマロン。
当初は『次に発作が起きたら覚悟してください』
『寝たきりになるかもしれません』と言われていたので、
マロンと一緒にいられる一日一日がとても大切で愛おしく感じていました。
通院のたびに先生に褒められ、
私の方も、こんなところが回復した、とか、
こんな風に頑張ってます、などと報告できるのが楽しみでした。
最近体をおこそうとすることが多くなり、
支えてやると四本の脚に力を入れて立ち、
脚を踏み出そうとする動作も見られるようになったので、
介護用のハーネスを使ってみようかと思い、
受診の際に相談したのです。
先生は、とてもいいことだと勧めてくださり、
タオルで代用することもできるかもしれないと言ってくださったのですが…。
『でもね、残念だけど自分で歩けるようにはならないよ』
さらりと告げられた言葉に、
胸の奥をぎゅっと掴まれたような心地になりました。
たくさんの症例を診てこられ、
同じような病気のわんこの予後もご存知の先生のひとことは、
とても重いものでした。
ありのままのマロンをすべて受け入れていたつもりだったけれど、
分不相応な期待をしているように見えたのかもしれません。
もしそんな私の期待に応えようと、
マロンが無理して頑張っていたいたのならごめんね。
元気で手のかからないわんこになって欲しいのではないのです。
少しでも穏やかで快適な時間を過ごして欲しい。
マロンががんばりたいのなら傍で見守って手伝ってやりたいだけ。
でも、今よりもよくなって欲しい気持ちはもちろんゼロじゃない。
でもでも、このままでも、
もっと不自由なことがおきても、
マロンを愛する気持ちは微塵も揺らがないからね。
辛かったら頑張らなくてもいいんだよ。
こんな風にちょこんと自分で座っていたマロンたんは、
明日を見つめているように、私には見えるのです。
ミカ