【石上さん】
1月に入ってまとまった雨が降るようになってきましたが、ダガット周辺では一週間ほど降雨が少ない日が続いてます。エビの漁獲もまだまだで、ようやく投網で10kgを超えてきたところ。普段ならそろそろ増える時期なのですが。
そこで今回はオニテナガエビについてひとつ。
この時期はこの周辺全域でオニテナガエビの漁獲が増え、エビの時期となりますが、同時によろしくないオニテナガエビも多く流通するようです。
現在ダガット周辺では雨が少なく、上流のタビン川の流れも弱いです。一方セガマ川は増水しているので、流量の少ないタビン川・ダガット川を押し戻してセガマからの流れが村まで入ってきてます。液肥や除草剤を大量に含んだアブラヤシ農園の土が大量に流れ出した光が通らない赤茶色のちょっと苦い水です。
村までくる頃には大分薄まっているようですが、農園に近い流域では弱ったり死んだエビが浮くようになります。(この前の増水の時には村に近い小さなシルバロン農園の周辺で20キロ以上のエビが浮き、魚や他の水生生物も腐り、酷い事になってました。)
それを喜んで拾う農園労働者が沢山捕れると街で売ったり、少数の漁師が元気なエビと混ぜて売ったりします。そんな事がサバ州、ボルネオ各地で起こるわけです。
このエビを下処理をしないで頭部ごと食べると腹痛や下痢になる事があるので気をつけて下さい。どのみちそんなエビは泥臭くて美味しく食べられないんですけどね。
エビは農薬にさらされると目が白く濁って見分けられるそうですので、ボルネオ在住の方は美味しくて健康なオニテナガエビを選んで楽しんでくださいね!
《返信》
ものすごくリアルです。今までいろいろな方に伺ったお話の中で最もリアルです。ありがとうございます。
気象と生物(生命)と人間の暮らしの関わりがすごくわかります。
だから理科教育は自然を学ぶだけでなく、自然と人々の暮らしとのかかわりに言及しなければならないのです。
プランテーションが出した「苦い」水で浮いたエビを売り、そしてそれを食べるプランテーションの労働者。
自分の仕事場が我が身を蝕む食材の元凶だったことを、知る由もない教育環境。むごい食物連鎖、いや、経済食い物連鎖。
そして苦い水を作り出しているのは私たち。
「マッチで火をつけたら、せめてポンプで火を消そう。」
せめてそのくらいはしなければならない。
「知らなかったでは済まされない。」
だから学びたいし、教えなければならない。
知ってしまったからには、せめて川岸から100mにはプランテーションを作らせない、緑の回廊づくりにまずは参加した。
そうしてようやく、「自分のできる範囲のこと」となる。
石上さん、これからもよろしくお願いします!
1月に入ってまとまった雨が降るようになってきましたが、ダガット周辺では一週間ほど降雨が少ない日が続いてます。エビの漁獲もまだまだで、ようやく投網で10kgを超えてきたところ。普段ならそろそろ増える時期なのですが。
そこで今回はオニテナガエビについてひとつ。
この時期はこの周辺全域でオニテナガエビの漁獲が増え、エビの時期となりますが、同時によろしくないオニテナガエビも多く流通するようです。
現在ダガット周辺では雨が少なく、上流のタビン川の流れも弱いです。一方セガマ川は増水しているので、流量の少ないタビン川・ダガット川を押し戻してセガマからの流れが村まで入ってきてます。液肥や除草剤を大量に含んだアブラヤシ農園の土が大量に流れ出した光が通らない赤茶色のちょっと苦い水です。
村までくる頃には大分薄まっているようですが、農園に近い流域では弱ったり死んだエビが浮くようになります。(この前の増水の時には村に近い小さなシルバロン農園の周辺で20キロ以上のエビが浮き、魚や他の水生生物も腐り、酷い事になってました。)
それを喜んで拾う農園労働者が沢山捕れると街で売ったり、少数の漁師が元気なエビと混ぜて売ったりします。そんな事がサバ州、ボルネオ各地で起こるわけです。
このエビを下処理をしないで頭部ごと食べると腹痛や下痢になる事があるので気をつけて下さい。どのみちそんなエビは泥臭くて美味しく食べられないんですけどね。
エビは農薬にさらされると目が白く濁って見分けられるそうですので、ボルネオ在住の方は美味しくて健康なオニテナガエビを選んで楽しんでくださいね!
《返信》
ものすごくリアルです。今までいろいろな方に伺ったお話の中で最もリアルです。ありがとうございます。
気象と生物(生命)と人間の暮らしの関わりがすごくわかります。
だから理科教育は自然を学ぶだけでなく、自然と人々の暮らしとのかかわりに言及しなければならないのです。
プランテーションが出した「苦い」水で浮いたエビを売り、そしてそれを食べるプランテーションの労働者。
自分の仕事場が我が身を蝕む食材の元凶だったことを、知る由もない教育環境。むごい食物連鎖、いや、経済食い物連鎖。
そして苦い水を作り出しているのは私たち。
「マッチで火をつけたら、せめてポンプで火を消そう。」
せめてそのくらいはしなければならない。
「知らなかったでは済まされない。」
だから学びたいし、教えなければならない。
知ってしまったからには、せめて川岸から100mにはプランテーションを作らせない、緑の回廊づくりにまずは参加した。
そうしてようやく、「自分のできる範囲のこと」となる。
石上さん、これからもよろしくお願いします!