学校統廃合の影響で来春、全日制が廃校になる都世田谷工(世田谷区成城9丁目)が、
最後の夏に挑む。23区内の都立高で最大級の野球専用グラウンドを持ち、そこで同
校野球部のほか、練習場の確保に苦しむ他校が連日のように訪れては汗を流してきた。
統廃合後の新たにスタートする高校でもグラウンドは残される予定だが、3年生だけ
14人の野球部員は、都世田谷工の歴史を大きく刻もうと、練習に励んでいる。
両翼約94メートル、外野部分には人工芝が敷かれているグラウンド。他校から
「練習に使わせて欲しい」と、ひっきりなしに頼まれる。土曜日曜や長期休暇は他校の
利用で埋まっている。シーズン中は、合同練習も入れて200ゲームは他校が使うとい
う。東京の球児の「サロン」的な存在だ。
99年、初めて東東京大会を制し夏の甲子園に出場した都城東は、東東京大会を前に
約40日間、このグラウンドを借りて練習を重ねた。「高校野球自体の底上げになれば、
それでいいと思って出来る限り貸してきた」。10年間、チームを率いてきた
長嶺(なが・みね)功監督は、こう話す。
昨夏、都世田谷工を引退する3年生たちが、残る2年生14人に「プレゼント」をした。
溶接の授業で、卒業製作として約3カ月かけて作った大きなスコアボード。イニングの上
には、白いペンキで「世田谷工業野球部」の名を、大きく書いた。
「多くの学校が愛したこのグラウンドに、世田谷工野球部の名前をずっと残したい」。
そんな思いのこもったスコアボードを、14人は先輩たちと一緒に穴を掘り、5日間かけ
てグラウンドのわきに立てた。
統廃合後、06年度春には、新たな都立高が開校することになっている。
「このグラウンドを通じて、色々な学校の野球部にいい友達がいっぱいできた」と主
将の小須田芳明君(17)は話す。「新しい学校で野球部が出来たら、部員たちが、
ここは世田谷工だったと誇りに思えるような、そんな結果を最後の夏に刻みたい」
以下の通りです。
長源寺 (住職:原田文隆)
住所 : 山梨市万力3200
☎番号: 0553-22-2748