山之口貘という詩人がいた

(1903〜1963)
沖縄出身で、決して豊かではない生活を送りながら、子煩悩で、ほのぼのとした空気の漂う詩を残している
「結婚」という詩がある
"詩は僕を見ると 結婚々々と鳴きつゞけた
ー略ー
僕はとうとう結婚してしまったが
詩はとんと鳴かなくなった
いまでは詩とちがった物がいて
時々僕の胸をかきむしっては
箪笥の陰にしゃがんだりして
おかねが おかねがと泣き出すんだ"

この「おかねが おかねが‥‥」のくだりが私は気に入っていて、時々箪笥の陰から言ってみるのです〜