和栄ちゃんとは
別冊少女フレンドの新人賞に同時に入賞したのがお付き合いのはじまり。
デビュー作も増刊少女フレンドの同じ号だった。
それぞれの締め切り間際になると、お互いのところに
泊まり込んで仕事を手伝ったりして、二人で徹夜で漫画を描いていた。
デビュー当時はまだ二十歳だった。(和栄ちゃんと私は1歳違い)
彼女とはデビュー間もなく池袋で初めて会ったその日にすんなり打ち解けてしまった。
私は人見知りが激しい女のはずなのに。
漫画界の荒波にもまれながら、大都会東京の片隅で、時には打ちひしがれ泣きながら、
それでも負けるものかと必死で頑張り続けた日々。
手をのばせばいつも和栄ちゃんがいました。まさに戦友です。
でも彼女は結婚を機に東京を離れ、いつしか漫画界からも遠ざかっていきました。
その彼女が、和栄ちゃんが、本を出版しました。なんと34年ぶり!だそうです。
先日私の手元に届いた一冊の漫画本。
読みました。
私が知っている彼女そのものの作品でした。
読んでいる間中ずっと私の中に良質なエネルギーが流れてくるのを感じました。
彼女らしい丁寧さ。愛情をもって描かれたすべてのキャラクター。
“介護”をテーマにした漫画ですが、辛気臭さや、いかにもな苦労話、
マイナスのエネルギーは一切ありません。
明るく、楽しく、たくましく、でも決して嘘くさくない本物感。
彼女は漫画界を去ったあと、ずっと介護の現場で時を過ごしてきました。
これはそんな彼女だからこそ描けた作品です。
表面的な取材だけではここまで愛情あふれる作品は生まれないでしょう。
日本はもはや世界でも類を見ない超高齢化社会に突入。
“介護”は、もうどんな人でも他人ごとではありません。
長生きすればするほどいやでも襲ってくる現実。
深く考えると落ち込みそうになりますが、でもこの漫画を読んだら、
“陽だまり荘”が現実にあるのなら(いや、必ずあるはず)、将来私は
ここに入所したい!と思いました。
“介護”がまだ他人事、身近にそれを必要とする人がいない人でも、
“介護”関係なく楽しめて、人と人との触れ合い、家族の在り方、年の取り方、
幸せってなんなのかが、じわ~~~とわかってくる漫画です。
私はこの漫画を読むことで、少しだけ自分が慈悲深く、お利口になった気がしました。
※アマゾンも楽天も売り切れてしまいました!
コレクター商品には手をださないでね。高いから。
そのうち再販されると思います。
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街の本屋さんにも置いてあります。
いきなり突然会いに行くと、なんだかそれが最後になりそうで怖くて行けなかった。笑。
でも、やっぱり人生は短い。何があるかわからないし、やっぱり会えるうちに会いに行こう!今年こそ!なんて思ってたら、コロナが!!笑。
和栄ちゃんの本は、友達だから紹介したんじゃなくて、そんなの抜きでたくさんの人に読んでほしい!と思ったから。
それぞれの人物の表情いいです。動作も活き活き!
介護に携わっている人にはぜひ読んでほしいです。きっとお仕事のヒントがいっぱいのはず。もちろんそれ以外の人にも。
人間として大切なもの、自分がいつのまにか失っていたもの、人としてのやさしさ、情け、いろいろなものが私のなかに染み込んできました。
今まで自分にかかわった人たちにもっと優しくしてあげればよかったとか¨。
そうそう、和栄ちゃんはクリスチャンだったのですね。今頃知りました。ごめんなさい。