中華Android端末(EKEN M002)を手に入れて、10日程使ってみた。ある程度このM002の評価がまとまりつつある。しかし、このM002を購入する前と手に入れた以降もずっと気になっていた事がある。ネットで、EKENの中華Android端末と同様に良く出てくるのが、moonseのE7001つまり通称iRobot(別名 iPed、aPad)だ。
このiRobotは当初TVでも放映されiPadのコピーものとして紹介された商品だ。この商品の何が気になっていたかと言うと、そのスペックだ。最もEKENのM002とこのiRobotの違いは実はcpuぐらいしかない(他もあるが大差ない)。このcpuの差が何を意味するか?実はこれの正確な意味づけを私は良く知らない。と言うか今までcpuの性能だけの評価が、そのままレスポンスや体感速度に反映された実感はない。つまり体感速度とcpuの性能は他人の評価では、そのまま信じる事ができないと思っている。
しかし、そうは言っても、このcpuの違いがそのレスポンスの違いにあらわれており、ネット情報では、多少の価格の差があっても、EKENの製品を買うより、このiRobotを購入した方が良いと指摘されていた。その根拠として、cpuの性能と実際の体感速度から、この様な評価があるようだ。
moonse E7001 iRobot | EKEN M002 | |
cpu | Rockchip RK2808 600MHZ,500MHz DSP(dual core) | VIA MW8505 533MHz |
main memory | 128MB | 128MB |
SSD | 2GB | 2GB |
価格 | 15,000円~18,000円 | 11,000円~13,000円 |
と言う事で、スピードに関係するcpuの差が、体感速度にどれぐらい現れるのかがどうしても知りたかった。しかしこれを試すには、実際にiRobotを販売している店頭で触るしかない。これは今現在大阪では、限りなく可能性が低い。また通販でiRobotを買ってまで試す気にはならない。つまり試す機会がないので、このEKEN M002との比較が、最終的にできない結論となりそうだった(これも単なる自己満足の範疇だが)。
ところが、突然この機会が訪れた。昨日会社で、先輩が私の所にやってきて、ヘルプが入った。と言ってもほとんど泣き言に近いが・・・。
中国に出張していた方が帰国され、このiRobotを同僚に頼まれ購入してきた。しかし、日本語やネットの環境をどうすれば良いのかわからないから、なんとか助けて欲しいとの事。もっとも頼んだ方は既に頼んだ事を忘れており、突然の入手に驚いていたが、どうしてよいか困っていたらしい。更に中国から一時帰国の中国会社の方も同じiRobotを購入して来ており、同じ様に困っていた。あろうことか更に、もし上記の問題が解決したら、他の方も購入したいらしい????
先輩から話を聞いた後で、この中国Android端末を頼まれた方が近くで、このiRobotをみんなに見せておられたが、みんなの反応がこれまたすごい。要はiPadのコピー物としか映らなかった様で、散々な評価となった様だ。それはそうだろう。これはTVやネットでも報道されていたが、
- アップルマーク -> これは勝手に使用して良いのか?良いはずがない。
- iPadの名称 -> これも良いはずがない
- CE等の認証マーク -> これは著作権以前の話で、認証マークをデザイン化している???
- 64GBのディスク容量 -> 実際は2GBなのに、これは虚偽の記載ではないか。つまり詐欺。
となっており、あらためて、とんでもない製品(として販売しているメーカー)だ。このiRobotの実態を正しく消費者に説明しないと、このコアとなるOS:Androidへの冒涜と思えてならない。非常に残念だ。これは、ブランドの時計やバッグ等を堂々とコピー商品として販売しているのと、全く価値観だ。
と言う事で、私はできるだけこの話には参加せず、火の粉が降ってこない様にしていたが、帰宅間際に、どうしても上記の興味が勝ってしまった。
と言う事で、iRobotを触らしてもらい、結果ネットを除く一通りの操作を試す事ができた。ほとんどこの評価は無理と思っていただけに非常に面白い経験をさせてもらった。最も、買ってもらって来た先輩は、私に家で自由に使ってもらって構わないとの事だったが、敢えてこれは辞退させていただいた。日本語環境を導入する時は何らかの対策がいるが、中国から持って来たばかりで、故障となるのは極力避けたかったからだ。それほど、この中華Android端末のハードの信頼性はないし、まさに上手くかどうかは運と言うかバクチだろう。今回の購入した端末も、コネクターが接触不良で交換してもらったらしい。今の所私は、運が良いのかこのバクチには買っている。
さて、前置きが長くなったが、結論を先に述べる。
moonse iRobotとEKEN M002は、ネットで言われているほど、体感的レスポンスに差はない。
これは私がiRobotに期待しすぎた事もあると思うが、cpuの問題だけではなく、おそらくタッチパネルの反応が大きく影響していると考えられる。ディスクトップの切り替え等を指ではじくように右から左に操作すると、EKEN M002では、この操作その物を認識しない事もあったが、iRobotでは、操作は確実に認識した。しかし、後の画面がスライドするスピードはEKEN M002と同じようにスローなトロトロした切り替えだ。このタッチパネルの反応は、微妙にiRobotの方が正確に認識するのは間違いない。しかしその後のレスポンスはEKEN M002と体感的な差はほとんど感じられない。この辺は30分ぐらい画面を触りまくったが、ほぼEKEN M002と同じ感覚であり、指を擦る様な操作も全く同じだ。おそらくこの辺の感覚がcpuの差によるレスポンスの違いを妨げているのだろう。
と言う事で、気になっていたmoonse iRobotへの興味は僅か30分で無くなってしまった。この中華Android端末には、日本で販売されている価格差程の価値はないと思う。最も今回このiRobotの中国購入価格は、1万円を切っているので、最初からこの値段ならありだろう。その時はEKENのM002の価格が幾らか?これも興味があるが・・・。
最後はおまけだ。簡単にEKEN M002とmoonse iRobotの比較表を作成したので掲載しておく。体感速度がほぼ同じなら、別の要因が選択するポイントとなるかも知れない。もちろん価格がその最たる物となるだろうが、今回別の項目がある事も気になった。
moonse E7001 iRobot | EKEN M002 | |
価格 (日本での販売価格) |
15,000円~18,000円 | 11,000円~13,000円 |
画面と本体サイズ | 7インチ液晶 液晶周りが幅広い。まるでEKEN M003と同じだ。要はM002よりかなり大きく重く感じた。逆を言えば、同じ7インチでも小さく感じた。 液晶のタッチパネルはEKEN M002よりは多少まとも(波は打っていないようだった)。 |
7インチ液晶 作りは別だが、大変デザインがよい。持ちやすいし、軽く感じる。 但し液晶のタッチパネルは波を打っている。 |
スイッチ類 | 側面に独立の電源ボタンやメニューボタン、ボリュームボタンがある。 | 電源(戻る)ボタンひとつのみ |
熱の発生 | 多少熱は発生する。 | 発熱と言うより猛熱かも知れない。かろうじて手で持てる状態。 冬は完全な湯たんぽ(簡易暖房機)となるだろう。 |
今回、両方を使ってみた感想で言えば、上記の本体サイズが、同じ7インチ液晶だけでは、その持った感じがだいぶ異なる事だ。iRobotはかなりEKEN M002より大きく感じた。その分不利と思う。スイッチ類に関しては、これは好みの分かれる所だと思うが、EKEN M002で慣れると、逆にスイッチが沢山あるiRobotの操作が面倒になってくる。一個のスイッチしかないシンプルさが私は気に言って来ている。これはiPod Touchでもそうだが、電源ボタンでの電源OFF(ハイバネーション)を除けば、電源ボタンのみで十分と思っている。熱に関しては、あまりiRobotは検証しきれていない。これは、ブラウザーのレスポンスの検証もそうだが、WiFiでネットに接続した時がどうなるか?これの検証が必要だが、その為には当家まで持ってこなければならない。これはできれば避けたいが・・・。
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