現在、会社で使うパソコンのソフトとして必須なのが、MicrosoftのExcel、メールソフトやグループウェアのスケジュール管理等だ。これら以外にも販売管理用のシステム、経費清算のシステムその他個別のシステムが多く存在しており、これらを使いこなすのは現在最低条件となっている。逆を言えば、これらのソフトやシステムを使いこなせないと仕事にならない。もちろん各専用システムは、使う部分だけを使えれば良い。すべての機能を知っている人も少ない。しかしユーザー部門としてはこれで十分だ。
それに比べて汎用的で何でもできるMicrosoftのExcelを各人が使いこなせているかと言うと、これは個々の能力や熱意などで大きく異なり、個人の差は余りにも大きい。が、とりあえず、数値を入力して簡単な四則演算や合計など関数を入力して、体裁を整えるぐらいは誰でもできるようになっている。
さて、Microsoftと言えば、もうひとつ、メジャーで必須のソフトと言われているWordがある。ところが、当社でもそうだが、このWordを使っている人は非常に少ない。使っていても、以前、誰かが使っていた文章を使って編集するぐらいが多い。そして、新規にWordを使って文書作成を依頼すると、割と躊躇される方が多い。変わりにExcelやPowerPointではだめですか?との返事が返ってくる。Wordは使いづらい或いは面倒だ、こんなソフトは使えないと言う人も多い。
ExcelやPowerPointなら良くてWordとなるとなぜ皆が嫌がるのだろうか?
パソコンの普及期にNECのパソコンで絶大なシェアを誇っていたワープロのソフトがあった。ジャストシステムの一太郎や管理工学研究所の松だ。Windows以前のMS-DOSで動作するソフトだった。Windows3.1そしてWindows95への以降の中でMicrosoftのWordにシェアを奪われ、現在では、MicrosoftのWordの独占状態となっている。企業で事実上の標準となった為、現在は殆ど他社の参入はなく、フリーのソフトの存在はあるが、企業向けでは好き嫌いに関係なくWordを使わざるを得ない状況だ。(※一太郎は現在一太郎2014が発売されているが、売れ行きがどうなっているかは知らない。周りで導入したと言う事例は全く聞かない。)
このWordの独占状態でありながら、実際は上記で述べたように、当社ではその使用率は非常に少ない。一般の人はだが・・・。
一太郎や松には共通点があり、どちらも非常に優れた日本語変換機能を持ち、そして白紙に、文字を記入するように自由なところに文字を配置できた。そして文字の編集も簡単だった。そう文字入力とその編集をするのが大変簡単で、修正も楽だったし、何より、何かをしてもそれがそうなると言う事が予め誰でも予想できた。つまり簡単な文書作成は誰でもできた。
ところが、Wordではそうは行かない。新規で用紙を開いても、自由な所から文字を記入できない。考えながら文字をインプットできない。勝手に余計な事をしてくれる。新規で開いた文書を見ると標準では、A4用紙の縦ではなんと余白が、上35.01mm:下30.0mm:左30mm:右30mmとなっているが、これが標準とは???と頭をひねってしまう。
まあーこれぐらいなら、余白をすぐ設定すれば良いが、上記の本文の白紙上で文字を自由な位置に入力できないと言うのはなかなか一般の方には理解できないようだ。さらに勝手な事をしてくれるのが、箇条書きやインデントなどの処理だ。
たとえば、行頭に「1)」を入力して、適当な文字列を入力がリターンすると勝手に箇条書きに書式が変更され「1)」の次に空白が二文字挿入され、間延びした箇条書きとなる。ルーラーを表示して、調整すればよいが、これを知らないと、調整するのは難しい。しまいには怒り出す人もいる。更に、簡易的な表形式の文書を作成しようとすると、使用フォントがプロポーショナルフォントの場合、まず途中の頭をきっちりそろえる事ができない。これもルーラーやタブの概念を知っていれば良いが、なかなか大変だ。
先にあげた、箇条書きやインデントの処理でも、勝手に余計な処理してくれるので、これらを最初の設定で殺す事がWordを使う上での条件みたいな事になっているが、こんな商品が圧倒的シェアで市場を独占しているのが問題ではある。
したがって、新規で作成する文書でよほどのことがない限り、ExcelかPowerPointで文書を作成する事になる。
皆が欲しがっているのは、MSのWordではないのは確かだ。これほど使えないソフトが市場を独占しているのも珍しい。何という無駄だろうか?
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