東野圭吾氏の『魔球』を読んだ。かなり古く、氏の初期の作品だ。1991年6月の初刊発行となっている。
流石に古いが、古いがゆえになんとも言えない懐かしさがあふれてきた。本文の刑事達の魔球に関する会話に以下の会話があるが、これが何んとも言えない。今では、フォークを魔球と呼ぶ人は誰もいないが、いや懐かしい。
そして、昔は30勝と言うのが、夢ではなかった。昨年のセリーグの最多勝(15勝)を考えると、昔の投手がいかに凄かったかを痛感した。
魔球と言えば、今は何んといっても小山のパームボールだそうです 初めて投げたのは三十三年のカージナルス戦だそうです。 今年は三十勝ぐらいしそうです。 それから阪神の外人投手バッキーのナックル。 あとは村山のフォークかな。でもフォークと言えば、まず杉下ですよね。もう十年ぐらい前になりますが」 |
さて、この『魔球』だが、非常に悲しい作品だ。詳細はまた省くが、巻末に評論家の権田萬治の解説」が掲載されているので、参照願いたい。大変詳細な解説だ。
いずれにしても私は、東野氏の初期の作品も大変好きだ。この『魔球』はこの初期の作品の中でも秀作に入るだろう。
まきゅう | |
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