「サイダーのように言葉が湧き上がる」感想。さわやかな青春

【ネタバレ】

◎「サイダーのように言葉が湧き上がる」

　「コミュニケーションが苦手な少年　マスクで素顔を隠す少女　十七回目の夏に君と会う」

　「サイダーのように甘く弾ける、少年少女たちの青春ラブグラフィティ！」

　2021年7月22日（木・祝）公開（COVID‐19の影響で、2020年5月15日（金）→2021年6月25日（金）→7月22日と延期になった。）、監督・イシグロキョウヘイ、脚本・イシグロキョウヘイ、佐藤大、原作・フライングドッグ、87分。

　チェリー（cv市川染五郎）、スマイル（cv杉咲花）、ビーバー（cv潘めぐみ）、ジャパン（cv花江夏樹）、タフボーイ（cv梅原裕一郎）、ジュリ（スマイルの姉）（cv中島愛）、マリ（スマイルの妹）（cv諸星すみれ）、紘一（チェリーの父）（cv神谷浩史）、まりあ（チェリーの母）（cv坂本真綾）、フジヤマ（カラのレコードジャケットを抱えていて、想い出のレコードを探している）（cv山寺宏一）など。

　フライングドッグ設立10周年記念作品です（会社設立は2009年）。

　総合評価は上中下で、上の下くらい。

○サイダーのように甘く弾けるさわやかな青春が良かったです。

　「アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーン」とHPにあって、だいたいは眉唾で見て、そこまでではないな、と思う事ばかりですが、本作もそこまでとは思いませんでしたが、良いラストでした。

　群馬県高崎市のイオンモール高崎がロケ地だそうで。地方都市ってこんな感じだな、地方ってイオンがないと不便だよね、でも東京23区のイオンも便利だし、とか思いながら見ていました。

○本作でチェリーの思いを示す重要な俳句ですが（パンフに本作で使われた俳句が全作品載っています。）、それにあやかって私もいくつか。物語にそっていると思うのですが、順番に記憶違いがあったらすいません。

　また、季語が入っていないものもあるので、それは俳句とは言わないはずですが、俳句は習っていませんし普段詠むわけでもないので、そこはご勘弁を。

何もない イオンがあるさ何でもある

汗は出る 言葉は出ない 夏灯

紡ぐ言葉 社会の入り口 父の季語

にぎやかに 夏も華やぐ 三姉妹
ヤマザクラ 意を知り思うは君のこと
スマイルのスマイル見たい 可愛いよ
チェリーのホントを聞きたい そらさないで
何気ない言葉と表情に満たされる
諦める 知るも拒むも 青の時
その涙が思いの深さ知らしめる
夏だけど 顔があかいのは日焼けじゃない

もう会えない？ 伝えられない伝えたい
一歩踏み出す青春 夏の夜に
サイダーのように言葉よ湧き上がれ
この舞台 思い伝われ君だけに
花火のように言葉が響き渡る
響き合う二人の思いと 仲間いる

○公式HPから
「17回目の夏、地方都市⸺。
コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。
彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。
矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。
人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。

俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてＳＮＳを通じて少しずつ言葉を交わしていく。

ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。
ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。
フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。

だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。

物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。

アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーンに、あなたの感情が湧き上がる！」

・なお、別の項で、2020年の公式HPは、
「2020年代、そのはじまりを告げる初夏――
サイダーのように甘く弾ける、 少年少女たちの青春ラブグラフィティ。」
でしたが、2021年は、
「サイダーのように甘く弾ける、 少年少女たちの青春ラブグラフィティ。」
となっていて、COVID‐19め、と思いました。

○2021年7月の新宿ピカデリーにて。

【shin】