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キルラキル感想。スピードと勢いが痛快過ぎる、迷作?いや名作

◎「キルラキル(KILL la KILL)」(全24話)

 2013年秋から2014年冬アニメ。アニメイズム枠。
 冬に終わったアニメの感想もこれで最後です。

 「キルカ、キラレルカ

 私は綺麗にキラレました。本望です。


◎ 1970年代だか80年代だか、そんな感じの絵の丸さやラフさや印影とか、あるいは動きとかは、最近の深夜アニメではあまり見ない気がするので、新鮮。当然、現代的な技術や要素も織り交ぜた絵なのでしょうけれど。

 その頃の漫画は、高校と言えば不良が闊歩していて、他校を喧嘩で支配して全国制覇を企むものが多かった気がしますが、このアニメも鬼龍院皐月(cv柚木涼香)が喧嘩で全国制覇を目指すなど、形式上はそんな感じ。

 各話のタイトルも、70~80年代の歌謡曲の題名と同じとのこと(少し漢字を変えているものはあるようですが。)。


 新聞の一面広告。
 良いアニメ、楽しいアニメは、それ程宣伝しなくても人気が出るし評価されることがほとんどだと思いますが、これは原作のないオリジナルアニメだから大々的に宣伝したのでしょうかね。



○ さて、変身するときや変身した纏流子(cv小清水亜美)や皐月とかが裸に近いきわどい衣装になりますが、あるいは、戦って裸か裸に近くなるシーンも多いのですが、また、戦いで服が飛び散ってみんな裸になって勝利する最終24話とか、あれは視聴者サービスもあるのでしょうか?

 いやらしい絵には思えなかったので、ふ~ん、くらいにしか思いませんでしたが、、、制作者の意図をくめず、すいません(笑)。


○ オープニング曲は現代アニソンですが、前期エンディング曲の「ごめんね、いいコじゃいられない。」(詞・曲・歌:沢井美空)はメロディーも歌詞も、80年代アイドル歌謡の少しJポップよりっぽい感じ。それ以上古いとフォークとかになってしまって現代には合わない部分の方が多いのかも知れないので、少し懐かしく現代に通じる部分も多い80年代歌謡ということでしょう。

 80年代アイドルの斉藤由貴さんがTVドラマ「スケバン刑事」(1985年)のEDで歌った「白い炎」の背景とこれのEDの背景がそっくりだそうで、ネットで見るとその通り。そんな雰囲気も良い感じ。


○ 「天元突破グレンラガン」(2007年春夏、全27話)と同じ、監督の今石洋之さん、原作・シリーズ構成・脚本の中島かずき さんに、キャラクターデザインに すしお さんが加わったそうで、未見でしたがグレンラガンの評判が良いのは知っていたので、2013年にTV放送していた再放送を見てみました。しかし、私の苦手なタイプの動きであり物語ということで、数話で挫けました。

 なので、「キルラキル」は特に期待しないで見たところです。

 が、スピードや勢いやバカらしい戦い方やダジャレのような言葉使いや大げさな絵などが徹底していたためでしょうか、楽しかったですし、気に入りました。


○ 16話、これまでの総集編だと思ったら、普通の2クールのアニメなら1話使って総集編をやっても有りでしょうが、勢いが大事なこのアニメで総集編は百害あって一利なしだろと思ったら、鮮血(cv関俊彦)が早口で説明してから、「総集編と聞いてガッカリした諸君、安心したまえ。展開が早いのがキルラキル。総集編もアバンで終わる。ここからは本編の始まりだ。」と言い、オープニング前の1分半のみというのは、正しいですし、逆に笑えました。

 更に逆に言えば、数分で振り返ることが出来る中身しかないアニメとも言えるのですけれど、このアニメは物語の中身がどうこうというのは3番目4番目のことで、絵や勢いなど痛快さを楽しむのが1番です。

 最終話まで見ても、物語としては、人に服を着せることで心まで支配しようとする鬼龍院羅暁(cv朴ろ美)らのREVOCS社、それに反して裸を賛美し自由な心を求める愛九郎らヌーディスト・ビーチのメンバー、そして、父を殺した犯人探しをする流子、母である羅暁を倒す皐月と流子、苦闘の末に裸の勝利、というだけですし。

 この秋から冬にかけて一番話題になったアニメのような気がしますが、どうなのでしょう?


○ 「強化戦維」「戦維喪失」「壊惨総戦挙」「襲学旅行」とか、漢字の使い方が面白いです。文字の線を極太にして画面いっぱいに描かれることが多いので、しかも赤なので、読みにくいですけれど。


○ 3話。「強化戦維」スゲ~。服にこの戦維を多く使えば強くなれるけれど、多いとコントロールが難しいとか、でも流子は100%の「神衣(かむい)」であるセーラー服型の鮮血をそれ程苦労せずに着られたとか。

 生徒会長の皐月も負けじと神衣の「純潔」を着ると、一時的に拒否されそうになったものの、直ぐに着こなすとか。

 バトルがスゲ~。バトルが派手で、剣と剣でのチャンバラと言えばそれまでですが、あり得ない風圧とかで周りの多数の人を吹き飛ばすとか、それを真面目なコメディというかギャグでやっているとか、昔風の絵や動きが痛快に見せています。

 でも一番スゴイのは満艦飾マコ(cv洲崎綾)。負けそうな流子と、皐月の間に、いつもの脳天気な調子で入ったところは、お前はバカか?と言うしかなく、胸は流子の方が勝っているとコミカルな動きで慰めるとか、お前はバカだ!

 笑えましたし、友達思いなところも良かったです。

 アニメジャパン2014にて。
 マコだらけ。


 本能字学園の模型。


 まどか と ほむら の間の、、、流子。。。



○ 皐月が流子を鍛えているっぽいところは、トドメを刺さないなど、1クール目でもタマに感じられましたが、実は姉妹だったというのは驚き。

 鬼龍院羅暁らのREVOCS社に反対する反制服ゲリラのヌーディスト・ビーチの美木杉愛九郎(cv三木眞一郎)や黄長瀬紬(cv小西克幸)らとも協力して、母である羅暁や、針目縫(cv田村ゆかり)らを倒したわけですが、羅暁は原初生命戦維の世界征服を助けるため、生命戦維を普及させて人を支配しようと企んでいたわけですが、流子や皐月らの活躍により失敗。
 宇宙まで行って決着を付けるとは、、、お約束ですね。むしろ、このアニメには必要です。


 どうして羅暁に勝てたのかは、、、怒れば強くなるのが主人公のお約束だから?。普通なら興ざめですが、このアニメの面白さには、むしろそれが必要です。


 それにしても、愛九郎の脱ぎっぷり、見せたがり、自己陶酔が良いです。三木さんの渋い声がはまっています。昨秋は物語シリーズの、愛九郎とは対照的な堅物の貝木泥舟の役も良かったですし。



◎ さて、何もない無星から、1つ星、2つ星、3つ星と上がると「極制服」に含まれる「強化戦維」の割合が増えて強くなるとともに生活レベルも上がるというのは、現在よりは貧しい者が多く、貧富の差も大きかった70年代、でも経済が右肩上がりの時代で将来に希望が持てた時代
 一方、偏差値による輪切りで大学、ひいては就職が決まり、偏差値で人間の価値までも決まりかねない窮屈さが現在よりも強かった時代
 更に、貧富の差が大きかったことからも階級闘争的なものがまだ念頭にあった70年代というものの反映でしょう



◎ それはさておき、ほとんどの人が着る衣服というのは既製品であり、誰かが作った衣服の中から選んでいるだけです。自分で自由に積極的に衣服を選んでいるように見えて、最初から限られた衣服の中からしか選んでいないという、見せかけの自由。一見沢山の衣服があるように見えても微妙な違いしかない、たいした違いがないという、見せかけの選択肢。しかも、ファッション雑誌や有名人の影響も大きいですし。

 誰かの意見や考えに賛成や反対しているほとんどの人に対し、自分で新たな意見や考えを生み出してみよ、とも言っているアニメのようでもあります

 他人の意見を十分に吟味して自分の責任で決断する程度でも多くの人が出来ていないのですから、それは現実的には難しいです。

 でも、そういう姿勢は必要ですね。

 そういう姿勢があれば、制服を着ようが、皆と同じような衣服を着ようが、心は自由で能動的でいられる可能性は高まります。


 尤も、そういう自由な心を不自由に慣れさせて受動的にする機能が制服や衣服にはありますけれど(多くの規則にもですが。)、それでもそうならないようにするのが教育であり、バランス感覚であり、良識であり、人や国の本当の力でもあり、つまり文化であり、そして教育が文化の多くを創り、文化が教育の多くを創るわけです。(因みに私は、中学校と高校の制服については反対ではなく、概ね、管理目的であれば反対、でなければ賛成といったところです。小学校はない方が良いと思います。)



◎ それもさておき、スピードと勢いが痛快過ぎて素晴らしく(普通のアニメなら1年以上はかけて放送するのではという内容を半年に凝縮。)、真剣(シリアス)で派手な戦いと馬鹿らしさ(コメディやギャグ)のタイミングが良く、多くのキャラが存在感があって、とても楽しい迷作、じゃなかった名作でした。

 アニメ好きには是非見てほしいです。


 秋葉原にて、片太刀バサミは、多分、実物大の模型では。




◎ 余談ですが、他に、比較的最近のアニメで是非見てほしいと押しつけたくなるのは

 ほぼフル3DCGなのにほとんど違和感がないというか、そもそも艦と艦の戦いが楽しい「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」(→感想はこれとかこれとかこれとか。)、

 3人の妖精がグダグダと話したり、アドリブをしたり、明坂聡美さんがぶっ飛んだ「gdgd妖精s」(→感想はこれとこれ。)、

 ロトスコープという映像手法が賛否両論かも知れませんが、それを置いといても、台詞なしで長い映像だけで見せるシーン、感情の爆発、変態への道がド迫力だった「惡の華」(→感想はこれ)、

 今更説明のいらない、ほんわか日常系の名作「ひだまりスケッチ」シリーズ(→感想はこれとかこれとかまとめて、このカテゴリー。)、

 今更説明が面倒な、セカイ系の傑作「最終兵器彼女」(「ぼくたちは、恋していく」というセツナク苦しい初恋物語。)、

 そして、劇団イヌカレーを中心とした不穏な絵と細かく書き込まれた謎ありげな絵がおもしろく、あの結末であれだけの支持を得た「劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」とか、まどかマギカ シリーズ(→感想はこれとかこれとかこれとかこれとかまとめて、このカテゴリー。)、

 といったところです。なお、上に上げたアニメも好きですが、それよりも好きなアニメはありますが、それと見てほしいと思うアニメは基準が少し異なります。
 気が向いたらどうぞ。


【shin】
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