面白くなかったので、ざっくりと。
◎「サムライフラメンコ」(全22話)
「大人に
どんどん話が大きくなっていきましたが、2クールあったので、それ自体には違和感はあまり感じませんでした。
小さな親切大きなお世話な身の回りの「自称」正義の味方な物語から、地球を滅ぼしかねない敵・宇宙からの敵との戦い、そして自分が正義の味方になりたいから悪の登場を望むという心理(真理?)まで、順を追って描かれていたところは悪くはなかったです。
ただ、ふざけたところとシリアスなところのバランスと出し方のタイミングが私の好みではなかったということなのでしょうし、羽佐間正義/サムライフラメンコ/フラメンレッド(cv増田俊樹)の正義の押しつけが私にはシラケたということなのでしょう。
バカらしいアニメって、その時々の気分や見るタイミングなどによって良いと思えたり駄目と思えたり、微妙なことでの評価の落差が大きいです。
○ これは、見ようという気力を1話から見事に奪い去っていったアニメでした。でも、私がいつか正義の味方、つまりヒーローになるための修行だと思って最後まで見ましたよ(笑)。
ゴミ出しが指定の日にちより数10分早いからって注意されたら、ウザイですね。
羽佐間正義は、どんな小さなルール違反も見逃さず、注意すると。でも弱いからボコボコにされたり、変な覆面でどう見ても変質者ですけれど。
細かいことにこだわり過ぎ、注意した相手などからもウザがられているのに、自分の正義を疑うことなく通す、ほとんど偏執狂の病気ですけれど。
「敵か味方か変態(ヒーロー)か?!」
結局、綺麗すぎる川には魚は棲まない、と言いますが、どこまでを認めるのか、どこからは認めないのかは、多くの人がこの辺、と思うところを探しつつ、基本的に何となく上手く回っているのでしょう。
そこに問題提起をしたのが羽佐間正義なわけです。綺麗すぎる川に住める人間になろう、と。
理想は尊いですし、理想に向けて努力することは必要なのですけれど、なかなか難しいですね。
○ キング・トーチャー(cv速水奨)とか、悪の組織フロム・ビヨンドとか、悪役が、面白いというか、ふざけてるというか、アレでしたが、このアニメには合っていますから、それで良いのでしょう。
「最後の悪」の澤田灰司(cv鈴木晴久)の、自分を注意してくれた羽佐間正義に憧れて悪いことをして羽佐間正義が活躍することになるという、羽佐間正義へのゆがんだ「愛よ!」が苦笑だったり。
○ 総理の奥崎真太郎(cv石井康嗣)はサムライフラメンコらを活躍させていましたが、罠にはめて悪役に仕立て、自分の支持率を100%にしようと。それにより真の敵である、宇宙からの侵略者フラメンコ星人に勝つことが出来ると(支持率が強さに比例する理屈は不明ですし、現実に支持率100%になるようでは、その国民はいずれ痛い目を見るに決まっていますけれど。)。
奥崎総理は、日本と世界の平和を考えている、良いヤツだったんですね。でも、であれば、少なくともサムライフラメンコらには理由を話せば、演技をして協力してくれ、奥崎総理を負かすことは無かったのでは。それでは面白くないのでしょうけれども。
でも、サムライフラメンコはフラメンコ星人に勝ってしまうと。どういう理屈なんだか。
「宇宙の意思」まで出てきたり。悪は根絶されたとか、羽佐間正義が敵や宇宙人を望んだからそれを用意したとか、羽佐間正義の戦いを記録して本にするとか、「宇宙の意思」も謎だったり。
ただ、「正しいことを、したいだけなんです。」と言う羽佐間正義は、正しいとは何かを突き詰めて考えているようには思えず、危うい正義です。
国や時代や状況や考え方が変われば何が正義かなんて変わりますから、絶対的正義なんてあるのか極めて怪しいですし。
例えば、「人殺しはいけない」というのは一見、絶対的正義に思えますが、明らかに違います。
良くある犯罪としての人殺しは絶対的悪と言って良いでしょうから、それを裁いたり防止することは絶対的正義と言って良いでしょう。
しかし、戦争となれば、基本的には、敵をより多く殺すことの方が正義となります。
あるいは、死刑制度を認めるのであれば、死刑制度も、場合によっては人殺しは正義であることを前提として成り立っています。
○ それはそれとして、フラメンコ星人はウルトラマンのバルタン星人とそっくり。バルタン星人は格好良いのですけど、フラメンコ星人はねえ、、、チャチですねえ。。。
それもそれとして、人気アイドルグループの「ミネラル★ミラクル★ミューズ」に飽き足らず、仮面を付けて正義の味方(「ごっこ」かも。)のフラメンコガールズをする真野まり/フラメンコダイヤ(cv戸松遥)、三澤瑞希/フラメンコルビー(cvM・A・O)、森田萌/フラメンコサファイア(cv山崎エリイ)の3人。
何かが満たされればそれが普通になってしまい、別の何かを新たに求めたくなるという有りがちな心理というのも、人間の欲に限度がないことを示していて、悪くはなかったです。
アニメジャパン2014にて。
【shin】