◎「神さまのいない日曜日」(全12話)
墓守と人間のハーフのアイ・アスティン(cv豊崎愛生)、12歳。年の割りに声が少し幼いアイが最初に語ります。
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神様は月曜から金曜までにアレコレして、
「神様は土曜に休んだ。そして神様は日曜に、世界を捨てた。あの世はもやは満杯だ。この世も直ぐに行き詰まる。ああ失敗した。そう言って神様がこの世界を捨てた日から、人は死ななくなりました。」
「そんな人々を助けるために、神様が最後の奇跡として使わしたのが、墓守なのだそうです。」
神様、無責任すぎだろ!
さて、人間が死ぬと死者になり、墓守に葬られない限りは死者として生き続けて人間と同じように生活するというのも、実質的に、人間は死なないで永遠の命を持つような感じ。
墓守による埋葬だけが、心臓が止まって死んでも体が腐っても動く死者を葬ることが出来るのだとか。
また、子供が生まれないから、無数にいる墓守が葬らない限りは人口は増えも減りもしないというのは、なるほど、上手く考えました。
(それはそれとして、戦いや出会いや協調などを経て、機械の体による永遠の命を最後になって拒否するように成長していく星野鉄郎の話については、名作アニメの「銀河鉄道999」でも御覧下さい。TV版は長過ぎるので、映画版でも。
何の憂いも無い世の中は詰まらなくて元気が無くなると思いますが、元気でたいした苦労もなければ長生きしても良いかなとは思いますが、長生きすれば体は衰えるし生活費の問題もありますから、ある年齢以降は長生きするほど苦労が増える気がします。だから永遠の命は不要です。)
3話「死の谷Ⅲ」でも、アイの実の父であることが分かったキヅナ・アスティン(ハンプニー・ハンバート)(cv浪川大輔)が人間なのに不老不死で、幸福に死ぬことを願い続け、ようやく死ぬことが出来ましたし。
○ さて、無料タブロイド誌の「アニカンVol.124(2013年7月24日)」の、熊澤祐嗣監督のインタビュー。
これによると、「アイが見て、知りえる情報のみを提示したかった」とのことで、設定を説明しすぎると興ざめになるから説明しすぎないようにしたのだとか。
確かに物語は少し分かりにくかったですが、私は雰囲気を楽しんだので、それ程気にはなりませんでした。
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○ 夕焼けっぽく輝く絵や輝かしいけれど柔らかい光の雰囲気が、この世のものではない感じや厳粛な感じが少しあって良い感じですが、その中でのアイの幼い顔と声に、最初は少し違和感を感じたものです。
でもこれは、アニメ世界の中でも少し異質で、子供っぽくて、前向きな行動をする墓守のアイ、それに対する、大人で物静かでいつも何かに違和感を感じているかのような本当の墓守のスカー(傷持ち)(cv能登麻美子)ということでバランスをとっていますし、更にエンディング曲でもバランスをとっています。
○ エンディング曲は、見られたり触れたりすると死者になってしまうから眼と肌をいつも隠して筆談で会話するウッラ役の小松未可子さんの「終わらないメロディーを歌いだしました。」(→歌詞と動画へのリンク)。
静かだけど伸びやかに歌うところが良い感じにアニメ全体をバランスさせるとともに引き締めていて、かつ、永遠の命を否定する歌詞と少しの希望を持たせる感じの曲であり、良かったです。
下は、CDの通常版のジャケット。限定版は正面を向いているのですが、少し斜めを向いた通常版の方が良いです。その下のはネクタイが似合っています。
(小松さんは、声優としてよりはDVDから気になっています。何か、ぶっちゃけて飾らないけれど、ザンネンではない性格が。
→「『宝探し ~至高のペルソナ~ in マザー牧場』感想。モノ好き向けDVD」(2012年11月11日)
ぶっちゃけて飾らないけれどザンネンな性格の明坂聡美さんも好きですけれど。明坂さんのザンネンっぷりの一端は以下で。
→「明坂聡美&水原薫トークショー in 東工大」(2012年10月7日))
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○ ただですね、旅をしながらのロードムービーで中編エピソードを重ねていきますが、それぞれの物語自体は普通かなあ、というかあまり印象に残らないという・・・
物語よりは雰囲気を味わうアニメだったかな、と。
説明を控えたアニメとのことですから、それによって物語が少しあっさりとしてしまい、良い意味での引っ掛かりを感じられなかっただけでしょうけれど。
こういう雰囲気はそもそも嫌いではないですし、このアニメでは上手い具合に作られていたのか、雰囲気は気に入りました。
また、能登さんの大人しめの役が久しぶりな気がして、良かったですし。
更に、喜多村英梨さん演じるディーがイタイ娘で、今夏では他のアニメでもイタイ役をしていますが、「魔法少女まどか☆マギカ」の さやか 以前にイタイ役をどのくらい演じていたのかは記憶が定かではありませんが、イタイ役がピッタリですし。
ただ、ロリ声の豊崎さんは悪くはなかったですが、豊崎さんの声なら高校生以上くらいの声の方が好きですけれど。
【shin】