そろそろ夏も終わりに近づいているが、夏はいつも何かをやり残している。終わってみると、夏を充分に満喫できていないのに気づくのだ。
【子供の頃】
子供の頃は、いつも満足に海に行けなかったことを嘆いていた。
海に行く時は、いつも日帰りだった。それも、多い年で2回、少ない年は1回しか行けなかった。海のない地方の方にとっては1回でも贅沢な話だろうが、海水浴場までバスで20分以内、自転車で行ってもさほど時間のかからない場所に住んでいて、これは悲しい。
多い人は、5回も6回も行っていた。また、泊まり込みで遠方の海に行く人もいた。そういう人は肌の焼け方が違う。それをうらやましいと思っていたのだった。
【学生の頃】
学生の頃は、恋が芽生えなかったことを嘆いていた。
思春期になっても、やはり夏は特別な季節だった。子供の頃のように、海に行きたいなどとはあまり思わなくなっていた。ところが、それに代わって、やっかいなものに興味を示すようになった。それは異性である。
けっこう多くの人が、夏休みに知り合った女の子と付き合うようになっていた。しかし、ギターの練習ばかりやっていたぼくには、彼女が出来なかった。というより、出会いがなかったのだ。
ギターの練習ばかりやってはいたものの、友人たちとはそこそこ遊んでいたが、そこには女子がいなかった。それが致命的だった。ということで、学生時代の夏は、やり場のない心の嘆きがあった。
【社会に出てから】
社会に出てからはというと、夏が年間で一番忙しい仕事に就いてしまっため、夏を満喫する時間がなかった。梅雨明けとともに、午前様の生活が始まる。そう、エアコンが売れ出すのだ。
配達業者は全員でエアコン工事に取り組むので、他の商品の配達が出来ない。そのため、営業時間が終わると社員は配達にかり出されるのだ。少ない時で午後10時、多い時には午前2時になったこともある。これが毎日毎日続き、その間休みも満足に取れなかった。
上司はよく「あと少しの辛抱です」と言っていた。が、その辛抱が終わると、すでに夏は終わっているのだ。
「こんな夏を満喫できない会社なんて辞めてやる!」と思いながらも、その会社で11年を過ごした。いよいよ辞める頃には、夏の楽しみ方を忘れていたのだった。
【そして現在】
さて、今でも嘆きはあるのかというと、大いにある。もちろん、もう海とか彼女とか言う歳ではない。では何かというと、それは季節のイベントを満喫できないことにある。夏祭りしかり、花火大会しかりである。
県内では1ヶ月以上も夏祭りをやっているのに、その場所に行ったのは一回だけだ。その一回だけで、「ああ、今年も夏が終わった」と思うのはむなしい。
また花火にしても、家から見える花火を鑑賞するだけで終わっているが、それで満足できるはずがない。近郊の花火大会にはすべて現地に行って、間近で鑑賞したいのだ。それでこそ、夏を満喫できるというものだ。
ということで、この嘆きは来年以降も続きそうである。
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