この街にチンチン電車がなくなったのは2000年だったから、もう23年経つのだが、今でも時々チンチン電車の夢を見ることがある。
その内容のほとんどが、
『渋滞でバスがなかなか来ない。このままだと遅刻すると思い、電停まで走って行く』
というもので、あまり思い出したくないことばかりを再現してくれる。
とはいえ夢は、当時の電停付近の風景や、電車の車内を正確に再現してくれている。その当時の乗客の服装などを再現してくれることもある。たまに近くの民族学校の制服や、職工さんの油の染みた作業着が、夢の一風景として登場する時もある。
今日、久しぶりに、そのチンチン電車の夢を見た。相変わらず遅刻に絡む夢だったが、いつもと違うことがあった。それは電停のホームのことだ。
ぼくがいつも利用していた電停だが、そこは上りと下りのホームが真向かいにあるのではなく、バス道路を隔てた場所にあった。上りのホームが下りのバス停側、下りのホームが上りのバス停側という具合だ。
で、何が違っていたのかというと、そのホームの位置だ。上りと下りのホームが真向かいになっていたのだ。夢の中では違和感はなかったのだが、目が覚めてから考えてみるとすごく違和感を感じる。
23年の時が記憶を曖昧にしたのだろうか。記憶という遺産の崩壊が始まったようで、ちょっと寂しい気がする。
2,
その電停に絡んだ話だが、実はその電停、バス道路の上り車線方向に下りの電停、下り車線方向に上りの電停があった。しかもそのバス停は、どちらも踏切を越えた所に設けていた。
つまり上り方面に行く時は、電車の踏切を越えた所にある上りのバス停で降り、踏切を渡り、道路を横断して、ようやく上りのホームにたどり着くということだ。
逆に下り方面に行く時は、上りのバス停側にある下りホームで降り、踏切を渡り、道路を横断して、ようやく下りのバス停にたどり着くのだ。
電車が走っていた当時はそう思わなかったのだが、今考えると実に面倒なことをやっていたわけだ。上りの電停は上りのバス停側に、下りの電停は下りのバス停側にあるのが普通ではないのだろうか。さらにバス停も互いの手前に設けるのが普通だ。そうすれば、電車が発車するまで踏切で待たなくても済むのだし、道路も横断する必要もなくなるのだ。電車とバスを併用する際、その手間暇のせいで何度電車やバスに乗り遅れたことか。
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しんた
ma16rira(まーこ♪)
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