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吹く風ネット

そしりを受けないものはない

 仏教の論語と言われている法句経というお経に、興味深いことが書いてあった。
「人は黙って座っているものをそしる。多く語るものをそしる。ほんの少し語るものでさえそしる。この世の中にそしりを受けないものはない」という言葉だ。

 小学生の頃のぼくは、実にしゃべり好きな人間だった。よく「口から先に生まれてきた」などというが、そういうたぐいの人間だったのだ。そのしゃべりがいつもギャグを含んでいたため、クラスではわりと人気のあったほうだ。

 ところが、それをよく思わない人間もいた。彼らは、ぼくを見るたびに、いつも罵声を浴びせていたものだ。ぼくも負けじと応戦していた。結局、最後の最後まで、ぼくと彼らは打ち解けることはなかった。中学卒業以来、彼らと会うことはないが、もし会うことがあったとしても、話をすることはないだろう。
なぜなら、いまだお互いに根を持っているだろうからだ。

 それから三十数年後、つまり今だが、ぼくは余計なことはしゃべらない人間になった。
すると今度は、無口だの、暗いだの言ってそしられるようになってしまった。

「しゃべればしゃべったで敵が出来る。しゃべらなければしゃべらなかったで溝が出来る。いったい、どうしろと言うんだ?」というのが、長い間の悩みだった。

 だが、今日その言葉を読んで、思わず「なるほど!」膝を打ったのだった。つまり、「そういう声に反発するのをやめて、執着しないことに努めよ」ということなのだろう。たったそれだけのことで、悩みというのは消えていくものなのだ。なぜかというと、実のないこと、つまり『空』だからだ。しかし、たったそれだけのことが難しい。また新たな悩みになりそうだ。

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