あれは中学三年の秋だった。夕方、ぼくはいつものように風呂を沸かすために、外に置いてある石炭を取りに行った。
その時、頭の上の方に気配を感じた。何だろうと見上げてみると、2〜3メートル上を、豆球程度の小さな光の群れが、ゆらゆらと飛んでいる。
それは鳥の群れのように隊列を組み、その形は飛行機のようでもあり、魚のようでもある。全体の長さは2メートル程度、高さが50センチ程、奥行きは薄暗くてよくわからなかった。
最初は骨組みが組んであって、そこに豆球を付け、誰かがそれをラジコンで飛ばしているのかと思った。しかし、目を凝らしてみると骨組みなど見えない。光の一つ一つが前になったり後になったりして、まるで意思を持って動いているように見える。
「これはラジコンなんかではなく、光の生物じゃないか。もしかしたらUFOかもしれん」
そう思ったぼくは、手に持っていた石炭を放り出し、その光の群れを追いかけた。ぼくに気づいたのか、光の群れはスピードを上げた。そして、角を曲がった所で、忽然と消えてしまった。
あれは何だったのだろう。時期的にホタルではない。ということは、やはりUFOだったのか。あれから50年、ずっと疑問に思っている。
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