その日は学期末テストで、早い時間に帰ってきていた。徹夜明けということで、昼食を摂ってからすぐに寝ることにした。
寝たのは二階の自分の部屋、布団に籠もってからすぐに眠ってしまった。
それからどのくらい時間が経ったのだろう、ちょっと目を覚ました時だった。一階の玄関の扉が開く音がした。
「えっ、鍵をかけ忘れたんかな?」と思っていると、足音は階段方向に向かってきた。そして足音は階段を上がる音に変わった。段数は十二段、木造だったので、一段上がるごとにギシギシ音がする。だんだん音が近づいてくる。だんたん気配が近づいてくる。
最後の一段を上がった。そして音が止まった。
・・・その後の記憶がぼくにはない。おそらくそのまま眠ってしまったのだろう。
目が覚めてみるともう人の気配はなかった。ようやく起きだし、何か盗られているものはないかと、まず二階を確認した。が、荒らされている形跡はない。恐る恐る一階に下りてみた。そこにも人の気配はなかった。
まず玄関を確認した。やはり鍵をかけ忘れていた。が、一階のほうも荒らされている形跡はなかった。
「夢だったんかな?いや、きっと夢だったんだ」
一応家周りも確認しておこうと外に出た。
「えっ?」
玄関横に置いていたはずの自転車がないではないか。別の場所にもない。やはり泥棒は来ていたのだ。
しかし、それがわかっても悔しくはなかった。それは乗るたびにパンクする自転車だったので、捨てようと思い、乗らずに放置していたものだった。つまり泥棒が大型ゴミを無料で回収してくれた格好になったわけで、今なら感謝すべきことだ。
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