普段なら大小様々ですが年間20〜30、個人でも10位の舞台をこなして来た我々喜久川流。
コロナ禍となり、それがゼロとなって3年…
やはり3年って長いんですよ…
家元が、今回の発表会にどれだけ意欲を持っていたか…それを一番近い位置で見てきたのは私だと思います。
という訳で、今回は喜久川流家元
喜久川旭の舞姿をご紹介。
まずは…吉幾三さん「情炎」
本人、半年前から女形何をやるか迷いに迷って、結果大好きな吉さんの曲に落ち着いたようです。
この踊り、本番まで私以外は誰も見てないんです。
稽古風景を見た私の口から出た言葉は
「これはズルいでしょ!(笑)」
家元はしたり顔でニヤッと笑っておりました。
動画でお見せしたいんで、そのうちに。
そして、大トリとして踊ったのは
鳥羽一郎さん「一本道の歌」
鳥羽一郎さんのデビュー40周年第1作 作詞は武田鉄矢さん。
何かに一所懸命に生きてきた方々に送る応援歌のような曲なんですが…
聴いた瞬間、家元の顔が浮かび、私が推薦した曲。
生い立ちもさることながら、度重なる大病にもめげす、日本舞踊一筋に生きる家元、喜久川旭。
内側から出てくる感情をそのまま振りにしたような踊りで、作り込まれた振りを見るより、感覚に直接訴え掛けるような踊りでして…
会場で見ていらしたご家族、舞台袖で見ていた我々一門に、志しと覚悟を伝えるような舞姿。
うちの奥さんも最前列で見ていて、ボロボロに泣いてしまったとか。
普段、うちら夫婦を「息子、娘」と呼んで憚らない家元ご夫妻。
二代目を継ぐ者として、その後姿をしっかりと見据えて、志しを受け継ごうと思いを新たにした舞姿でした。