私には30代40代の記憶がほとんどない。
見知らぬ土地で、ワンオペでの子育て。
その子は本当に育てにくい子どもだった。それはもう書きたくない・・・
結婚に夢も希望も持っていた。
でも、一緒に住み始めて数週間で、私は一人なんだなと気付いた。
独身のときは一人なんだから、寂しくても当たり前だった。
結婚したら、楽しいことも悲しいことも分け合えるのかと思っていた。
でも私は一人だった。
二人で生活してるのに、私の前にいる人は私を見てはいなかったように思う。
二人なのに寂しいと感じることがたまらなく寂しかった。
そんな考えは年月とともに消えていくのかと思っていた。でも、ずっと心の隅にあった。
無理やり隅に追いやっていたのかも。
私はわがままでプライドが高いから、何にも満足ができないのだ、いやな性格だと思っていた。
(画像はお借りしています)
何も持たず、息子と家を出てがむしゃらに働いた。
やっと一息つけたころ、自分の手があまりにも汚いのに気がついた。
昔は手のモデルさんみたいと言われたこともあったほどの手だったのに・・・
しわくちゃで黒くて、ゴツゴツ。ガングリオンというのか、関節がまっすぐではなくなってしまった・・・
「ああ、年をとったんだ」そう実感した。
63歳でやっと離婚。
遅かったかな。もう私には未来なんてないじゃないか。
老後といわれる日々を穏やかに過ごすことだけ・・・なのかな。
おばあちゃんの年齢になっちゃった。私の母が、この年のときは一番上の孫は10歳を超えていたな。
私はおばあちゃんなんだ・・・アッという間の一生のような気がする。
離婚に伴ういろんなことが終わりに近づき、そして季節が秋になって、ちょっと心が緩んでいるみたい。
また仕事が始まり、日々忙しくなるまでのセンチメンタルな気持ちだと思う。
明日からはいつも通り、元気に頑張れる。
もう、私を縛っているものは何もないんだから。