《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

2013年2月 欧州の政治経済-世界の動きⅢ

2013-04-08 14:43:25 | 欧州の政治経済―世界の動きⅢ
2013年2月 欧州の政治経済-世界の動きⅢ

《軍事》
○シリアの反政府勢力支援のために輸出規制を一部緩和(18日 EU外相理事会)。反政府勢力への軍事的な技術協力を可能にするほか、防護用の装備なども供給。これまでのシリアへの武器禁輸の3ヶ月延長の決定と同時に。マリでの政府軍を訓練するための50人規模の部隊派遣を正式決定。
【EUの武器支援は技術協力も含む。だとすると軍事的に大きな効果があるのかもしれない。EUは対マリでは妙に足並みがそろっている。フランスのマリでの利益がEU全体の利益と合致しているということか。】

《景気経済指標》
○ユーロ圏の2012年7~9月期の住宅価格指数(10年=100)98.8。前年同期比2.5ポイント下落(31日 EU統計局)。前年水準を下回ったのは4期連続。スペイン、アイルランドの下落が大きい。
○2012年12月のユーロ圏の失業率11.7%。前月比横ばい(1日 EU統計局)。
○1月のユーロ圏CPI、前月比2.0%(1日 EU統計局)。
○1月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数PMI、47.9。前月比1.8ポイント上昇(1日 英マークイット)。
○12年10~12月期のユーロ圏GDPは前期比実質0.6%減少。年率換算で2.3%減少(14日 EU)。欧州債務危機に伴う景気悪化を映したが、足元では景況感が持ち直しつつある。(国別)独、0.6%減。設備投資や輸出が低迷。仏、0.3%減。伊、0.9%減。1月のPMIは47.9で50を下回っているが、11ヶ月ぶりの高い水準。13年1~3月に景気が底入れの見方も。
○欧州主要16カ国の1月の新車販売台数、前年同月比9%減の85万7500台。16ヶ月連続の減少(19日 欧州自動車工業会ACEA)。
○EUの1月の新車販売台数は90年以来最低の水準に (同上)。債務危機に伴う内需減速に苦しむ欧州企業にとって昨夏から続くユーロ相場の上昇による輸出採算の悪化は業績への追い討ち。
○ユーロ圏の13年通年のGDPは実質マイナス0.3%と予測 (22日 EUの欧州委員会)。昨年11月から0.4ポイント下方修正。2年連続のマイナスに。欧州委は年内の景気上向きのシナリオを描くが、高止まりする失業率(12年末で11.7%、ユーロ導入以来最悪。13年、14年も現在より悪化予想)と内需減少(13年も前年比1%減少)、くすぶる債務危機(24~25日のイタリア総選挙を注視)、通貨ユーロ高の三つが足かせ。12年はマイナス0.5%。
【ユーロ圏は2年連続のマイナスの可能性。リーマンショック、金融緩和と政府債務問題は新興国経済への波及で世界経済にダメージを与えている。世界同時でないことに不思議さ。】

《失業率の高止まり》
○欧州、人員削減に政府介入(13,2,5)。①ベルギーの南部ワロン地域のナミュトルでアルセロール・ミタルの工場閉鎖で1300人解雇に反対し1000人の大規模デモ、ベルギー政府は計画撤回に向け介入へ。フランスでは米タイヤ大手のグッドイヤーの工場閉鎖で政府が撤回求め介入。プジョーシュトローエンPSAの工場閉鎖による8000人解雇に対し、仏裁判所が同計画の停止を命令。②ユーロ圏の失業率は12年12月で11.7%の過去最高。失業者は1871万人(オランダの人口を上回る)。欧州の自動車や鉄鋼の市場が縮小、12年の新車販売台数は欧州主要18カ国で17年ぶりの1200万台割れ。企業は不採算部門の整理で赤字削減、しかし失業率の悪化は社会問題。このジレンマ。
【解雇反対のデモがいたる所で起こっている。】

《ユーロ高》
○ユーロ圏各国の貿易収支が大幅に改善(13.2.20)。債務・財政危機で輸入が減少し、欧州域外への輸出がユーロ安で伸びているため。対外収支の改善は国債の消化を海外の資金に頼る必要性を低下させるため危機沈静化へ。しかし、足元ではユーロ安の修正が鮮明、輸出は不透明。
【債務・財政危機で輸入が減り、貿易収支が改善し、ユーロ高へ。なんという矛盾。】
○12年2月実施の2回目の3年物資金供給のうち12%の611億ユーロを市中銀行が返済(22日 ECB)。資金繰りが改善した銀行が返済するが、金額が市場予想の半分で銀行環境は厳しいと受け止められ、ユーロ売りへ。
【ユーロ高が欧州経済の足かせのひとつへの対策であれば非常に危険なかけになるが、そんなことをするのかという問題がある。】  

《ドイツ》
○1月の新車販売台数、前年同月比9%減の19万2100台 (4日 ドイツ自動車工業会)。減少は3ヶ月連続。輸出台数も南欧市場の不振の影響で8%減少、生産台数も1割の落ち込み。
【ドイツでも自動車販売は3ヶ月連続減少している。】

○南欧株、政治不安(スペイン首相ラホイに不正資金疑惑)で急落(4日)。スペインの株価指数IBEX35週末比3.8%、イタリアFTSE・MIBは同4.5%下落。10年物国債利回りはスペインは5.4%,イタリアは4.9%の上昇。スペインは7日に国債入札予定。

《ギリシア》
○2012年のPB基礎的財政収支が4億3400万ユーロの黒字に(11年は35億ユーロの赤字)(4日 ギリシア財務省)。
【ギリシアで基礎的財政収支が黒字に。ギリシアでさえもPBが黒字に転換したのに、日本はその見込みがない。】

《イギリス》
○ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、英国債格付けを最上級のトリプルAから一段階引き下げた(22日)。景気見通しの厳しさ(15年以降も低成長)と財政赤字削減目標達成(債務残高はGDP比-%が16年に96%に)が難しいと判断。
【イギリスの国債も最上級から格下げになった。】

《キプロス》
○24日のキプロス大統領選の決戦投票で、中道右派・民主運動党DISYのアナスタシアディス党首が当選、任期は5年(24日)。緊縮財政に前向き。12年11月のEUが金融支援(キプロスGDPに匹敵する175億ユーロ)とセットの緊縮財政で原則合意。DISYは国営企業の民営化に賛成。3月にもEU支援を最終決定。
【キプロス大統領選挙では緊縮財政派が勝った。】

《イタリア》
○イタリア総選挙結果、上院で過半数を占める政党連合がなくなり政局混乱が長引く恐れ(13.2.27)。①連立政権で合意。下院で過半数を得た改革推進派の中道左派連合と緊縮財政政策の修正要求の中道右派との連合、②再び総選挙・ナポリターノ大統領の任期は5月15日までで上下院の議員と各州の代表らが4月15日に次期大統領を選出する。再選挙は緊縮反対の「5つ星運動」(風刺喜劇役者グリッロ党首、下院で単一政党で首位、上院で2位)が躍進の可能性、③再び実務者内閣。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿