現在棋王戦の挑戦者決定戦、本田四段(22)VS佐々木大五段(24)が進行中。新時代の幕開けとなるか!?ということで注目を集めています。
そこで、ふと「若手にとって挑戦権を狙いやすい棋戦はどれだろうか?」と疑問が湧きましたので、早速検証してみることにしました。
どの棋戦も挑戦者は毎年1名という意味においては、挑戦権を得ることの難しさの差は本来ないのですが、棋戦によって予戦・本戦の仕組みが異なるので、それによって相対的に若手にチャンスが多くなったり(=シード権が弱い)、既にトップ棋士としての地位を確立したベテランが挑戦しやすかったり(=シード権が強い)という違いが生じると思います。
8大タイトル戦の内、歴史の浅い叡王戦を除く竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖戦について、平成元年度から平成30年度までの挑戦者の年齢のデータをまとめて比較したデータが以下です。
*各棋士の年齢は、「該当年度内に達する年齢」としています。
挑戦者の平均年齢が最も高いのは名人戦。
ご存知の方も多いでしょうが、5クラスある順位戦の頂点=A級リーグの優勝者が名人戦の挑戦者になります。
新人プロは一番下のC級2組に所属し、リーグ戦の成績に応じて1つ上のクラスに昇級します。飛び級の制度がないため、新人がA級に上がるには最低でも4年かかります。しかも昇級枠は少数。昨年の藤井聡七段のように、9勝1敗という素晴らしい成績でも上がれない、ということはざらにあります。どんな実力者でもA級に上がるまでに一定以上の年数がかかってしまうので、名人戦は全棋戦の中で最もベテラン有利・若手不利(というか制度上A級にいない限り勝率100%でも挑戦不可)と言えます。
王将戦も次いでベテラン有利の棋戦です。
王将戦はリーグ戦で挑戦者を決めますが、予選からリーグ入りできるのはわずか3名です。同じくリーグ制、王位戦の新規枠8名と比べると半分以下の定数です。
既にリーグに定着している棋士にとっては最初からベスト7という強力なシード権があるので有利ですが、予選から勝ちあがらなければならない若手には厳しい仕組みです。
そんな中、20歳で挑戦を果たした豊島竜王名人(当時六段)はやはり凄いです。
反対に、相対的に若手有利の結果が出たのは棋聖戦。平均年齢は唯一の20代。挑戦者の過半数が30歳未満というのも棋聖戦だけです。屋敷九段が最年少タイトル挑戦&最年少タイトル獲得の記録を作ったのもこの棋戦です。
ただ、制度的には特別シード権が強いわけでも弱いわけでもないので、この数値は偶然なのかもしれません。
以上が7大棋戦のデータでした。
今回はサンプル不足のため叡王戦には触れませんでしたが、この棋戦は予選が段位別なので四段、五段、六段の若い棋士が確実に1~3名ずつ本戦に上がってきます。
実際叡王のタイトルは高見七段、永瀬七段と20代が続いてますし、制度的にはかなり若手に有利な可能性があります。新たなスターが生まれる可能性の高そうな棋戦として、今後も注目していきましょう。
そこで、ふと「若手にとって挑戦権を狙いやすい棋戦はどれだろうか?」と疑問が湧きましたので、早速検証してみることにしました。
どの棋戦も挑戦者は毎年1名という意味においては、挑戦権を得ることの難しさの差は本来ないのですが、棋戦によって予戦・本戦の仕組みが異なるので、それによって相対的に若手にチャンスが多くなったり(=シード権が弱い)、既にトップ棋士としての地位を確立したベテランが挑戦しやすかったり(=シード権が強い)という違いが生じると思います。
8大タイトル戦の内、歴史の浅い叡王戦を除く竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖戦について、平成元年度から平成30年度までの挑戦者の年齢のデータをまとめて比較したデータが以下です。
*各棋士の年齢は、「該当年度内に達する年齢」としています。
挑戦者の平均年齢が最も高いのは名人戦。
ご存知の方も多いでしょうが、5クラスある順位戦の頂点=A級リーグの優勝者が名人戦の挑戦者になります。
新人プロは一番下のC級2組に所属し、リーグ戦の成績に応じて1つ上のクラスに昇級します。飛び級の制度がないため、新人がA級に上がるには最低でも4年かかります。しかも昇級枠は少数。昨年の藤井聡七段のように、9勝1敗という素晴らしい成績でも上がれない、ということはざらにあります。どんな実力者でもA級に上がるまでに一定以上の年数がかかってしまうので、名人戦は全棋戦の中で最もベテラン有利・若手不利(というか制度上A級にいない限り勝率100%でも挑戦不可)と言えます。
王将戦も次いでベテラン有利の棋戦です。
王将戦はリーグ戦で挑戦者を決めますが、予選からリーグ入りできるのはわずか3名です。同じくリーグ制、王位戦の新規枠8名と比べると半分以下の定数です。
既にリーグに定着している棋士にとっては最初からベスト7という強力なシード権があるので有利ですが、予選から勝ちあがらなければならない若手には厳しい仕組みです。
そんな中、20歳で挑戦を果たした豊島竜王名人(当時六段)はやはり凄いです。
反対に、相対的に若手有利の結果が出たのは棋聖戦。平均年齢は唯一の20代。挑戦者の過半数が30歳未満というのも棋聖戦だけです。屋敷九段が最年少タイトル挑戦&最年少タイトル獲得の記録を作ったのもこの棋戦です。
ただ、制度的には特別シード権が強いわけでも弱いわけでもないので、この数値は偶然なのかもしれません。
以上が7大棋戦のデータでした。
今回はサンプル不足のため叡王戦には触れませんでしたが、この棋戦は予選が段位別なので四段、五段、六段の若い棋士が確実に1~3名ずつ本戦に上がってきます。
実際叡王のタイトルは高見七段、永瀬七段と20代が続いてますし、制度的にはかなり若手に有利な可能性があります。新たなスターが生まれる可能性の高そうな棋戦として、今後も注目していきましょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます