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フィリピン物語

1月23日

□こないだ逮捕されたラブリとかいう元モデルが私の部屋に突然やってくる夢を見ました。夢の中でこの女に自転車盗まれたです。

□夢から醒めて、なんとなくフィリピン顔の同級生(日本人)がいたことを思い出した。N君っていう。あだ名はフィリピンだった。

□その彼が立教大学に柔道の試合でやってきたときのこと。場所がわからず、近くの交番を訪ねると、警官にもやはりフィリピン顔に見えたようで、「君って何人?フィリピンとかかな?」と聞いてきたのだった。N君はムカついたが、相手が警官なので、ちょっと顔をそむけながら、小声で「違うって」とひとりごちた。

□すると、警官の顔が明るくなった。返事がないんでフィリピン人だと確信したのである。警官にはフィリピンによい思い出があるらしく、自身のフィリピン旅行の思い出を凄い勢いでしゃべり始めた。

□N君はいよいよ耐えがたくなってきて、こうなったらとことんフィリピン人になってやろうと思った。警官の話が終わると、N君はそれらしい言葉で知っている言葉を元気よく言って立ち去ることにした。「バモラ!」

□警官はフィリピン語で挨拶されたのだと思い、「おっおう。じゃあな。バモラ!」とテレつつもN君と同じくらい元気に返事を返した。これがN君ができるささやかな抵抗であった。

□ちなみにバモラはLet's go!のような意味のポルトガル語で、N君はデタラメに言ったらしいが、さほど遠い意味でもないようだ。

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