氷河時代とはなにか
不勉強で、いまだに氷河時代とはなんぞやということが分かっていない。
なぜかと言うと、
①氷河時代の時代区分と地質学的時代区分がかぶっているからである。
②おまけに若いとき習った洪積世・沖積世の言葉が使われなくなり、
③それに代わる言葉が更新世・完新世とえらく難しい言葉になっているからだ。
④さらにこれらを総括する「第四紀」という言葉の定義が、およそ場当たり的なのだ。
知識を整理するには、以上の点を頭においておいたほうが良い。
1.氷河時代(ice age)
地球が誕生して以来、いくつもの氷河時代があった。代表的なものが次の5つである。
ヒューロニアン氷河時代: 約22億年前
クライオジェニアン: 8億5000万年前
アンデス-サハラ氷河時代: 4億6000万年前
カルー氷河時代: 3億6000万年前
第四紀氷河時代: 約258万年前
我々が生きているのは、第四紀氷河時代の間氷期の一つである。
第四紀氷河時代というのは、“第四紀のあいだに起きた氷河時代”の意味である。
それは約260万年前に始まった。ホモ・エレクトゥスがアフリカで誕生した頃である。*
* 第四紀は「人類の時代」と定義されている。より古い原人が発見されると、第四紀の始まる年代もさかのぼる。かつては181万年前以降を第四紀としていたが、現在は258.8万年前からとされるようになった。
2.氷期(glacial period)
氷河時代はいつも寒いわけではない。寒い寒い氷河期とそれほどでもない間氷期に分かれる。
それはミランコビッチ・サイクルと呼ばれる。4万~10万年の周期で交代し、地球の公転軌道の周期的変化と合致する。
第4紀氷河時代は6回の氷期と6回の間氷期からなる。
約7万年前に地球は最終氷期(ヴュルム氷期)に入った。
この時期は出アフリカを果たしたホモ・サピエンスがユーラシア各地に拡散していく時期と一致するため、非常に重要である。
3.最終氷期
約4万年前に、温暖・湿潤期があり現在よりも湿潤であったとされる。
2万数千年前に最寒冷期が襲来し、2千年ほど続いた。
世界で氷床化と乾燥化・砂漠化が進んだ。海水が蒸発して降雪し陸上の氷となったため、海面が約120メートルも低下した。
北海道と樺太、ユーラシア大陸は陸続きとなり、東シナ海の大部分も陸地となった。
北海道では永久凍土や氷河が発達し、針葉樹林は西日本まで南下した。
4.後氷期・完新世
最終氷期(ヴュルム氷期)は約11,700年前に終了した。
地球は最後(最新)の間氷期に入った。それは特別に後氷期と呼ばれ、地質学的には完新世と一致する。完新世はかつては沖積世と呼ばれた。
5.これをホモ属に近づけてみると
① 260万年前、第四紀氷河時代が始まった。第4紀は地質学的な更新世と一致する。
このころホモ属からエレクトゥスが分離した。
② 160年前、何回目かの間氷期にエレクトゥスは出アフリカを果たした。彼らがジャワ原人や北京原人という地域集団を形成した。*1
③ 60万年前頃、エレクトゥス同様の経過でハイデルベルク人が発生し主としてヨーロッパに拡散した。
④ 15万年前、ネアンデルタール人がハイデルベルク人の居住区に一致して出現している。*2
⑤ 同じ頃、アフリカにホモサピエンスが登場した。
⑥ 8万年前、最終氷期の開始に前後してホモ・サピエンスは出アフリカを果たした。
*1 ドマニシ原人はエレクトゥスに先行した種という説もある。
*2 ネアンデルタール人は、ハイデルベルク人の子孫とする説もある。
地質学者はきわめて扱いに困る人種である。
一つの事物にいくつもの名称をつけ、いくつもの分類を並立することに痛痒を感じていない。
氷河時代の特徴をいくつも羅列するが、それが本質的なものか、偶発的なものなのかの区別をしない。
地質学の分類の決定的な境目は第四紀だが、第三紀があるわけではない。第四紀は正式名称だが、第三紀・第三系は非公式な用語である。
第四紀とそれ以前を分ける基準は「人類の時代」と定義されているそうだ(日本第四紀学会)。こんないい加減な区分は聞いたことがない。
地質学者はきわめて扱いに困る人種である。
一つの事物にいくつもの名称をつけ、いくつもの分類を並立することに痛痒を感じていない。
氷河時代の特徴をいくつも羅列するが、それが本質的なものか、偶発的なものなのかの区別をしない。
地質学の分類の決定的な境目は第四紀だが、第三紀があるわけではない。第四紀は正式名称だが、第三紀・第三系は非公式な用語である。
第四紀とそれ以前を分ける基準は「人類の時代」と定義されているそうだ(日本第四紀学会)。こんないい加減な区分は聞いたことがない。
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