SNS社会では、誹謗中傷が可視化されているという問題があります。
誹謗中傷が見える化すると、それに便乗する人が現れます。
2017年に行った私の研究では、どのような炎上事例でも、6~7割の人が正義感から投稿を書き込んでいるそうです。そこでいう正義感は、自分の価値観での正義です。
しかし動機を掘り下げていくと、何かしらの生活や社会への不満といったものが出てくることも少なくありません。
【“社会が不安定になり、自分も大きな不安を抱える中で、「極端な人」となる人が増え、ネット上に誹謗中傷が増える。
書き込んでいる人は、あくまで相手が悪いから攻撃していると考えている。
しかし実際には、そのように他者に制裁を加えることで、不安を解消してくれるような、いくばくかの満足感を得ようとしているのである”
――山口さん著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社新書)より】
――なぜネット上では、対面では言わないような言葉を使ってしまうのでしょうか。
コミュニケーション研究では、身ぶり手ぶりも表情も見えない非対面コミュニケーションにおいては、相手が人間だという意識が薄れて攻撃的になりやすいといわれています。
SNSで乱暴な言葉遣いをしている人も、リアルで会うとそうではない、ということがあります。
自分が攻撃的な言葉を使ったときに、相手が嫌な顔をしていたら、多くの人は「まずいことを言ったな」と思いますよね。
SNSではそう気づくシーンがありません。
――投稿している人は攻撃している認識がないのですか。
米国の「Re Think」というサービスでは、攻撃的なメッセージを投稿しようとしたときに「本当にこの内容を送りますか?」とアラートがなるようにしたそうです。
すると、これを使った93%のティーンがSNSへの投稿を中止したといいます。つまり、自分に攻撃や誹謗中傷の認識がなく投稿しているんです。
――ただ、さまざまな社会問題を訴える主張に対して、これまでも「言い方に気をつけろ」といった筋違いな批判があったように感じます。
たとえば、過去に「保育園落ちた日本死ね」というブログが話題になりました。あのネガティブな言葉で大きく広まりましたね。
批判したがるやつはみんなバカ。
人の苦しみや辛さを感じとれないアホが意味不明に吠えてるだけ。
読む価値無し。
醜い浅はかな低脳をさらけ出すだけの駄文。
なので見つけ次第削除させ、いかにバカマヌケであるか、本人に自覚させるべきだ。
他人への思いやりや思考に欠ける奴には自分が書いた文章をそのまま返信し、どれだけ腹が立つか思い知らせてやれば良い。