EKKEN♂

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のま猫を糾弾する人は「権利」について都合が良すぎるのではないか

2005-10-07 | WEBにまつわる話
 モナーには何の愛着もないし、avex関係のアーティストの音楽にも何の興味もないけど、のま猫問題は面白いねぇ。
 のま猫を、目のカタキにする人たちには、いくつかのパターンがあるので、まとめて「あんたらのここがヘン!」とする事は出来ないのだけど、あんまり‘のま猫’をいじめると、結局は自分達の首を締めてしまう事になりますよ。
 
 のま猫が出てくるフラッシュの曲「恋のマイアヒ」は、先にフラッシュがあったのではなく、曲が先だったという事を忘れていませんか?
 もちろん、あの曲は、あのフラッシュがあったからこそ、大ヒットしたものだと思います。ヒットしたのはフラッシュ職人のおかげである事は否めません。
 しかし元来著作物であるアーティストの曲を、権利者に無断で利用していたことは事実です。avex側がそのフラッシュに興味をひき、公式フラッシュとして認知したから良かったものの、これは特例といってよいでしょう。(細かな話になると、このいきさつがもっと複雑だったのは分かっているのですが、その詳細については、ここではあまり関係のない話なので、「大筋でそうだった」と解釈して下さい)
 ネットにはたくさんの面白フラッシュが転がっており、作成者には何の悪意もないだろうし、見る人を楽しませてくれているのですが、その大部分が他人に著作物の権利を侵害している事は棚に挙げて、「俺たちのモナーを返せ!」と糾弾していることには、違和感を覚えます。
 モナーがいつ「キミタチ」のものになったのか、僕にはサッパリ検討がつかないのは別にしても、フラッシュにおいて利用されている音楽のほとんどは、その権利者がハッキリしているものです。
 少なくとも、「モナーを勝手に使われた」と認識し、それを糾弾するのなら、音楽業界側から正当な権利の主張として「勝手に私達の音楽を利用したコンテンツを作らないで頂きたい」とネット監視の強化がなされる可能性が出てきます。そうすると、今後面白フラッシュの作成にはかなりの制約が出てくるのです。

 フラッシュに限らず、アスキーアート(AA)と呼ばれるものについても、似たようなものです。
 AAの著作権が誰にあるのか、あるいは、そもそもAAに著作権があるのかどうか、という法的な議論は別にして、どうも2ちゃんねるの間では「AAの権利はAA職人のもの」という認識がなされているようです。(多くの職人が「名無し」であることを考えると、これもおかしな話だとは思いますが)
 オリジナルのAAであれば、その主張はごもっともなのですが、コミックスやアニメのキャラを利用したAAの場合、それは二次創作であり、その権利を丸ごと主張するのは変な話だし、AA作成ツールなどで画像を取り込んでAA処理したものの場合、それが「二次創作」と言えるのかも疑問です。
 
 つまり、自らは「法的にかなり黒に近いグレーな行為」をしておきながら、自分達が「法的には何の問題もない、心情的に不快なだけの行為」をされたときには、ありもしない権利を主張するのって、あまりに自己都合に良すぎるのではないか、ということ。


関連はないけれど、のま猫問題について共感したブログなど

 リンク先を読む限り、のま猫糾弾派には、何の建設的意見が出されないばかりか、論理的に破綻しているものが多すぎるので、この記事はコメントオフにします。
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NGワード:まとめサイト読め

2005-10-07 | WEBにまつわる話
 この言葉が出やすい状況においては、使いたくなる気持ちは十分わかるのです。
 何が起きているのか全く分かっていない者から、あまりに天然過ぎる発言が出されたりするケースが、多々あったりするものですから。
 ただ、状況をよく理解してもらう為に、「まとめサイト読め」と、特定のまとめサイトに誘導する事は、あまり是とは思えないんだなぁ。
 
 ブログというのは、全体ではなく、個々の記事単位で読まれやすいものなので、関連記事に何の誘導していない本文で「過去ログ読め」「激しく既出」という発言を安易にするのは、僕は嫌いです(NGワード:激しく既出参照)。過去ログ読め・激しく既出が持ち出されるのは、そう言われた人が、その記事までの経緯を読んでいない事は確かなのですが、しかし、本文中で誘導されていなければ、悪いのは書き手のほうであって、責任を読み手に押し付けることじゃない。
 で、一見似たような趣旨とも取れる「まとめサイト読め」なのですが、これが良くないな、と思うのは、「NGワード:激しく既出」で書かれた内容とはちょっと違った理由によります。

 BLOG STATIONのKenさんが、次のように仰ってます。(抜き出した部分が、該当記事の要旨とは、関連性が薄い事はご容赦ください)
昨今、ウェブ界隈で話題になっている事柄についての「まとめサイト」が、よく読まれるようになった。特に、2ちゃんねるのログは膨大な割に、ノイズ的な情報が多く、消え去るのが早いこともあって、わかりやすく要約された「まとめサイト」は、全体の流れを大雑把に理解するのに役立っている。
しかし、この場合も、「まとめサイト」の編者というフィルターを通して、我々は物事を見ているのだということを忘れてはなるまい。

BLOG STATION:孫引きがいけない理由
太字は引用者による強調

 この意見にはほぼ同意です。
 お笑いネタのまとめサイトの場合は、‘編者のフィルター’はたいした問題とは思いませんが(フィルター能力の低い人がまとめれば、かえってつまらなくしてしまう事はありますが)、意見の衝突をまとめたもの(いわゆる「炎上サイト」の動向記録や、最近の「のま猫問題」のまとめたものなど)の場合は、その多くが、自分と主張を同じくする者にとって有利なまとめ方がされているものです。
 自分達の主張に不利な発言が「ノイズ」として処理されてしまい、結果的にそのまとめサイトを読んでも、不快感を覚えるか、洗脳されるだけです。しかもまとめた人本人は「あくまで中立」と思っているから余計に性質(たち)が悪い。
 ネット上の揉め事を観察するのが好きな人は多く、まとめサイトがそうした人の需要があるのはわかるのですが、もしその揉め事に対して、観察だけでは物足りなさを覚え、自分も意見を述べようと思うのなら、なるべく自分の目で「何が起きているのか」を見聞すべきであって、安易にまとめサイトを頼ったり、あるいはそうした人への助言として「まとめサイト読んで来い」と、特定のまとめサイトへ誘導するのは、あまり好ましい事ではないな、と思います。