私の“通い妻" 生活も終わった。神経質な夫にとっては、耐え難い苦痛な入院生活も明日一日の辛抱。退院後の不安は限りなく付きま
とうが、心配しても先案じで悩んでみても事態は変わらない。それなら明るく楽しく陽気に暮らさねば折角の命、生かされて居る値打
ちがない。今を愉しみ心豊かに暮らそう。退院を待ちわびている夫には以前にも増す、居心地の良い暖かい家庭を愉しんで貰いたい。
それには私の短気も気儘も封じ込め心の生まれ変わりを果たさねば。 お陰で私は、自分磨きの有り難き環境になるのだもの。
処でお世話になっている税理士さんが、お見舞いに病院まで来てくれたが明後日退院と聞いて“5ヶ月間は居られるのに、退院すれば
病身の奥さんが大変だから入院を続けるべきでは " と夫を説得。思わず笑ってしまったが世の中色々、人も色々。この税理士さん
一昨年事故に遭い、足腰を痛めて入院&リハビリでご苦労されたが、奥様に邪険にされた らしい。 確かに一日中亭主が家に
居るのは嵩高いし手もかかり鬱陶しい。 分かる、分かる、実は私も別居結婚を望んだ昔が有る。 今も本音は“亭主達者で留守が
良い" なんだけど、夫には膵臓癌手術の時にかけた数々の苦労と心痛を思えば、返し切れない大恩を今こそ返す時だから。