入院24日目。以来、毎日欠かさず夫の元へ通い続けたが先日、普段通りに回復した と思わせる夫が、何時もの様に私の
言葉に眉をしかめ舌打ちせんばかりの態度。これは今までも繰り返されていた事で、その度に私は腹を立て暫くは会話も無
く夫を無視してきた。今回も元気な時と同じに私は2日間、病院へ行かなかった。もう付き添う必要はなく洗濯物を受け取
り翌日届け、夫のリハビリに同行、同席して同じ経験をさせて貰い、夜だけ自宅に戻ると云う生活を続けていたのだから。
しかし、2日目に“訊いておきたい事、大事な事はないか?" と夜10時に電話してきた夫。まるで間もなく死ぬ人の様な力
のないかすれ声。翌朝、駆け付けると頬がゲッソリ落ち生気の無い顔の夫。信じられない急変振りに愕然。矢張り何時も
通りではなかった、病人だったのだ。精神面が病状に大きな影響を与える事を、改めて痛切に思い知らされた。私も入院中
ひっくり返された亀の如く仰向けに寝たまま12本のチューブに繋がれた状態で(膵臓癌の術後)2週間もの間、補助ベッドで
熟睡できず苦しかっただろう付き添いを続けて呉れた夫に“もう来るな、帰れ”と云った事があった。が、夫は取り合わず
夜中も1.2時間置きに氷枕の取り替えや汗拭きを黙々と続けて呉れた。昼間は仕事、そのまま夕方から朝まで付き添い介護。
お陰で今の私が有るのに今回、とんでもない仕打ちをにしてしまった後悔と反省。今後は決して腹を立てない、怒らない。
言葉や態度は人を傷付ける凶器にもなる。ならば是非にも、人の心を救える暖かい優しい言葉や態度を心がけ実践しよう。