しおんの部屋

3DCG とか スクリプト とか…

blenderのedit_bonesのマトリクスについて

2023年10月28日 | Blender 3DCG
Blender ワンポイント情報?(説明が長くなってしまった…)


Blender には bones , edit_bones , pose.bones があり、それぞれ様々なマトリクスを持つ。
今回は edit_bones のマトリクスについて考える。

edit_bones のマトリクス関連の属性は以下1種類

・matrix:armature空間でのボーンの位置と回転(※)を示すマトリクス
     ※ head,y軸方向,roll を含み length,sizeは含まない

マトリクス全般に言えることだが、4x4 計16個の値は一定の規則を満たす必要があり、矛盾する値を設定するとblenderが不安定になる。
よって編集モード時は edit_bones の回転や位置を matrix ではなく、以下属性で指定する。

・head:head位置(armature空間)
・tail:tail位置(armature空間)
・roll:Boneのy軸周りの回転角

matrix と head , tail , roll は相互変換が可能だが、matrix には length,size の情報は含まれないので、相互変換する場合は matrix と以下属性をセットで考える必要がある。

・length:boneの長さ(変更するとtail位置が移動)


ところで matrix を使うと何ができるのかというと、edit_boneのlocal空間 と armature空間 の変換を行うことができる。

<変換例>
armature空間 = matrix @ edit_boneのlocal空間
    head = matrix @ ( 0 , 0 , 0 ) # 原点 が headのローカル位置
    tail = matrix @ ( 0 , b.length , 0 ) # 原点からy方向にlengthの位置 が tailのローカル位置


blenderのpythonコンソール で matrix,length と head,tail,roll の相互変換を確認してみる。
用意した関数は以下2種類。

・matrix_length_2_head_tail_roll
・head_tail_roll_2_matrix_length
( webから得られた情報を組み合わせて作ったが、今のところ正しい結果を得られている )

上記関数内では以下関数を利用しているため、古いBlenderでは利用できない場合がある。

・bpy.types.Bone.AxisRollFromMatrix
・bpy.types.Bone.MatrixFromAxisRoll

  #
  # 確認用コード
  #   表示が全て 0 なら確認OK
  #   属性によっては 1e-7程度 の演算誤差が発生する
  #
  import numpy
  #
  # matrix と length を head と tail と roll に変換する関数
  def matrix_length_2_head_tail_roll( m , l ):
    a , r = bpy.types.Bone.AxisRollFromMatrix( m.to_3x3() )
    h     = m.translation
    t     = a * l + h
    return h , t , r
  #
  # head と tail と roll を matrix と length に変換する関数
  def head_tail_roll_2_matrix_length( h , t , r ):
    a = t - h
    l = a.length
    m = Matrix().Translation( h ) @ bpy.types.Bone.MatrixFromAxisRoll( a , r ).to_4x4()
    return m , l
  #
  # 一致確認用関数 ( 各要素の差を取り、最も大きい値を表示 )
  def f(p,q):return max([abs(a-b) for a,b in zip(numpy.ravel(p),numpy.ravel(q))])
  #
  # editモードに変更
  _ = bpy.ops.object.mode_set( mode = 'EDIT' )
  #
  # 選択されたedit_boneを取得
  b = bpy.context.active_bone
  #
  # matrix_length_2_head_tail_roll の確認
  h1 , t1 , r1 = matrix_length_2_head_tail_roll( b.matrix , b.length )
  print( f"name  {   b.name         }" )
  print( f"head1 {f( b.head   , h1 )}" )
  print( f"tail1 {f( b.tail   , t1 )}" )
  print( f"roll1 {f( b.roll   , r1 )}" )
  #
  # head_tail_roll_2_matrix_length の確認
  m1 , l1 = head_tail_roll_2_matrix_length( b.head , b.tail , b.roll )
  print( f"mat   {f( b.matrix , m1 )}" )
  print( f"len   {f( b.length , l1 )}" )
  #
  # boneの local空間 から armature空間 への変換の確認
  h2 = b.matrix @ Vector((0,0,0))
  t2 = b.matrix @ Vector((0,b.length,0))
  print( f"head2 {f( b.head   , h2 )}" )
  print( f"tail2 {f( b.tail   , t2 )}" )


最後に roll について触れておく。

roll は y_axis 周りの回転だが、roll=0 の時 z_axis や x_axis がどの方向になるのかが今までわからなかった。が、最近判明したので説明する。
まず boneのy_axis が armature空間のY軸 と一致しているなら、roll = 0 の時 boneのz_axis と armature空間のZ軸方向 も一致している。この状態のboneをhead位置を中心に、x_axis と z_axis の平面上任意の軸( x_axis z_axis そのものとは限らない ) まわりに 0以上180未満の範囲で回転させた場合、y_axis が真反対となる場合を除き、1回の回転でbone を全ての方向に向けることができる。この時の x_axis,y_axis,z_axis の方向が roll=0の時の方向となる。
例外として 回転角度が180度の場合は、回転軸によらず y_axis は正反対を向くが、x_axis と z_axis は 回転軸次第で 一定に定まらない。
よって、回転角度が180度の場合のみ z_axis を回転軸とする。

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