
大根の花の眩しき真昼かな
稜線のくっきり見えて花大根
花大根けたたましく鶏鳴く
吹き来る風を真っ白に花大根
大根の花はてふてふ待ってゐる
大根の花の白さを見つむる日
若き日や厨に咲きし花大根
大根の花に昭和を嗅ぎにけり

花大根もんぺ姿の母偲ぶ
母の干す父のふんどし花大根
昔、まだテレビが白黒の頃だったと思う。森繁久彌のドラマで「大根の花」というのがあったような。昭和四十年代だったのかなあ。「七人の孫」の後のドラマだったのか記憶は定かではないけど。母が見ていて僕もたまに見てたくらいの記憶だけど。昔のホームドラマは何か安らぐものがあった。押しつけるんじゃなく、人生を教えてくれて。