こうしてデジタル化による恩恵を受けている反面、音楽でも映像、写真でもアナログの質感、味わい深さはやっぱり良いよなぁ~と最近つくづく感じるようになってきました。音楽の場合はアナログテープ(磁気テープ)録音、映像、写真ならフィルム撮影。おそらく人間が生で聞いた音、生で観た映像に近い、つまり、よりリアリティーがあるのは断然デジタル記録の方なのだと思います。対してアナログは実際の音、映像が多少デフォルメ(色付け)されて記録される特性があるようです(これは磁気テープ、フィルムの特性ともいえますが)。
デジタル記録の方を好むか、アナログを好むかは人それぞれなのだと思います。僕自身はデジタルのリアリティーさ、クリアさは好きですし、またアナログならではの質感、味わい深さも大好きです。つまりデジタル、アナログどちらにもそれぞれ長所と短所がある、といったところでしょうか。
本音を言えば、アナログの質感は大好き。でも不便なアナログ時代に戻りたいとは思わない。やはり一度デジタルの利便性を経験してしまうと時代を逆行する事はなかなか難しいです。そんな理由から、最近はコンピューターベースのデジタル録音システムの中にアナログミキサーを導入して、デジタルでありながらもどこかアナログ的な質感を加味させるようにしています。最近のテーマは「デジタルとアナログの共存」ですね。
最近、音楽以外に興味がある事といえばカメラなんですが、デジタルカメラは本当に便利で、デジカメにさまざまな撮影モードが用意されているので、その通りに撮影すれば専門的な知識がなくてもそこそこ良い写真が撮れてしまう。ある意味デジカメが勝手に撮ってくれる。確かにリアリティーあるし、高画質。でも音楽と同じで、デジタルの高画質は確かに素晴らしいんだけど、何かもの足りないなぁ~と感じる部分もある。なんかこう「味」「風合い」が欲しいな。
と、デジタルものに対して少しなにかもの足りない印象を持ち始めているところ、昨日たまたま本屋で見つけたフィルムカメラ関連の雑誌にトイカメラが特集されていました。トイカメラとはカメラ本体もレンズもプラスチックで作られた、その名の通り、おもちゃみたいな非常に安価なカメラの事なんですが、実際にこのトイカメラで撮影された写真を見てみると、これがなんともいえない独特の質感、味わい深さ。良いですねぇ~。感性にビビッときちゃいましたよ。僕が求めていた「味」「風合い」とはまさにコレ。
今までトイカメラには全く興味が無かったのですが、フィルムカメラ関連の雑誌や、ネットを見てみるとトイカメラって、けっこう流行っているんですね。特に20代の若い世代を中心にフィルムカメラ、トイカメラが支持されているらしい。デジカメでは出せないレトロな色合い、質感が逆にオシャレに感じられるからなのかもしれませんね。このいわばアナログ回帰的な流れって、数年前からブームのスローライフやロハスに通じる部分がありそうですね。大量生産、大量消費の時代に行き詰まりを感じるようになり、その対極に位置するスローライフのような生活様式が注目される。デジタル化が進むと今度は逆にアナログが再評価されるようになる。ある意味、必然的な流れかも。
そんな訳で、トイカメラについて少し調べてみたら、どうやらHOLGA(中国製)とLOMO(ロシア製)が今のトイカメラブームの中心的存在らしい。HOLGAに至っては、ホルガ会というホルガ専門写真サークルまで出来てしまう程、愛好家の方に支持されているようです(かなり盛り上がっているサークルです)。
とりあえず、トイカメラで撮影された写真を見て下さい。その独特の質感を楽しめます。
<HOLGA>
http://www.superheadz.com/holga/welcome.html
(エフェクティブな写真が多いです)
<LOMO>
http://www.lomo.co.jp/gallery/cross_29.html
(サイケデリックな発色が素敵!)
<DIANA+>
http://www.lomography.jp/microsite/dianajp/gallery
(個人的にはココの写真が一番好き)
要するにトイカメラというのは、品質が悪くばらつきもあり、レンズの性能もイマイチ、光モレする、細かい設定ができない、などなど工業製品としては非常に劣悪なもので、逆にその「いい加減さ」ゆえに高級カメラでは決して出せない独特の風合いが出るようなんです。中国製、ロシア製によくありがちなこういういい加減さ、好きです。そして安い!だいたい5千円~1万円位が中心。トイカメラとカテゴリーされるカメラにもかなりの種類があるようなんですが、その中で僕がカメラ外観デザインと撮影画質が一番気に入ったのはDiana F+。
オールプラスチック製ならではのチープさがなんとも・・・、また更に安っぽいフラッシュがたまらん!それでいて、画質はとってもアーティスティック。この質感は良いですね。何か有機的というか、写真の中から時間の経緯みたいなものを感じます。
デジカメは細かい設定をカメラがやってくれるので誰でも簡単に奇麗な写真が撮れる。トイカメラは細かい設定ができない上に作りの粗悪さからくる画質劣化が逆に独特の風合いを出すため、誰でもアーティスティックな写真が撮れてしまう。この両極に位置する対比、面白いですね。
いずれにしても、しばらくトイカメラにはまりそうです。
そのうち、このブログにトイカメラで撮った写真を載せるかも。
<追記>
安さとバリエーションの多さ、「世界で一番愛されているトイカメラ」という事で一番のおすすめはやはりHOLGAのようですね。一番安いHolga120Nというモデルで、4,830円。安い!さすが中国製。トイカメラの手始めとしてはまずはこの辺りからかな。感性のおもむくままに撮れる感じが良いですね。HOLGAは「世界で唯一魂を持つカメラ」「あまりに人間に似た不完全なカメラ」なのだそうです。きっとこういう不完全なところが人の心を惹き付けるのでしょうね。
HOLGAの使い方を詳しく説明されているサイトがあり、とても参考になります。
http://holga.taken.jp/
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