〔よしなしごと)『言葉の宝箱』《かくしごと》

※不定期公開

運の良い方、縁の有る方、勘が働く方。

ご覧戴けたら幸いです。

吉永南央【すべきことをしたら、気分が晴れるわよ】

2025-01-29 21:25:22 | 吉永南央

 


『黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ⑦』吉永南央(文藝春秋2019/6/20)

草が営むコーヒー豆と和食器の店小蔵屋の頼れる店員久実についに訪れた春の予感に浮き立つ店に
「元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けた」と訴え出た衝撃のニュース。犯人は地元名士の息子。
大騒動の町で気付けば久実は浮かぬ顔。暴行を受けたと訴え出た元アイドル。他にも被害者?
小さな町の大事件が小蔵屋の日常を揺るがせる。草が示した道とは? シリーズ第7弾。
『小春日和』『颪の夜』『宿り木』『帽子と嵐』『黄色い実』5話連作短編集。


・生きているということは、変わること。
そう自分に言い聞かせる P22

・誰も彼も順繰りに歳をとりつつ、
若い人たちの嫌がる心配をするようになる P48

・誰かを好きになったら、多少おかしくなるもんじゃない? P105

・すべきことをしたら、気分が晴れるわよ P142

・好きなものを一つ手に入れたら、どうでもいいものを一つ処分しました。
そういう暮らしを始めて二年で、どうでもいいものがなくなりました P153

・大事にしたって、しなくたって、割れる。
割れるから、大事に扱う P207

・世間て、自分の中にあって、自分を苦しめるのかも(略)
人の気に入るようには生きられないのにね P222



蓮見恭子【放っておいて良くなることはない。絶えず気にかけてやらないと駄目になる。夫婦だから、家族だから。そんな関係に甘えて、努力を怠っちゃいけない】

2025-01-29 15:39:55 | 蓮見恭子


『メディコ・ペンナ 万年筆よろず相談』蓮見恭子(ポプラ社2021/11/8)

 

就職活動がうまくいかず自分を見失っていた大学生の砂羽。
またもや面接で失敗し、落ち込みながら訪れた「ペンフェア」で見つけたのは奇妙な看板だった。
それは、「あなたの人生が変わります 万年筆よろず相談」というもの。
「人生が変わる」という言葉に興味を持った砂羽は、看板のお店「メディコ・ペンナ」を訪れることにした。
店主はぶっきらぼうだが万年筆の補修を任せたら随一で、万年筆の買い付けや修理のためにいろんなお客がやってくる店らしい。
そして、それだけではなく、「とある事情」を抱えたお客もやってくるのだとか。
使っているうちにその人の癖が馴染む文具<万年筆>。
そこからにじみ出る使い手の悩みや苦しみを、店主は静かに掬い上げて答えを導いてくれるのだという。
何かに引き寄せられるかのように、砂羽は「メディコ・ペンナ」でアルバイトを始めることにしたのだが――(蓮見恭子 公式HP)


・真面目に努力しても報われるとは限らない。
大人になれば、
むしろ上手に相手の懐に入り込めるとか、
コミュニケーション力に長けていたり、
容姿が優れているとか、
そういった素質の方が大事になる P32

・使いやすいように誂えたり、
古い物を使えるように修理すれば、
物の見方や考え方が変わって、
自然と人生観も変わると思っている P43

・今日から少しだけ丁寧に物を扱い、
人と接する時にも丁寧さを心がけたら、
周囲の評価も変わるんじゃない P45

・使われない道具ほど可哀想なものはないと思う P48

・世の中には無駄なものや、不要なものなんてないんです P119

・最初から挑戦せずにいれば、傷つかなくて済む P121

・放っておいて良くなることはない。
毎日使って、手入れもして、何処か具合が悪いところはないか。
絶えず気にかけてやらないと駄目になる。
夫婦だから、家族だから。
そんな関係に甘えて、努力を怠っちゃいけない P177

・家族関係で悩んでいる人の方が信用できる(略)
逃げられない辛さを抱えながら、
家という檻に囚われている人たちがいる P182

・変わろうとしなければ運は微笑まない P283



青山美智子【だめだよ。心から願ってるわけじゃないことを言葉にしちゃ。言うと本当になっちゃうよ】

2025-01-29 12:27:43 | 青山美智子


『鎌倉うずまき案内所』青山美智子01(宝島社2019/7/26)

 

主婦向け雑誌の編集部で働く早坂瞬は取材のため訪れた鎌倉で古ぼけた時計屋の地下にある、
ふしぎな案内所『鎌倉うずまき案内所』に迷いこんでしまう。
そこには双子のおじいさんとなぜかアンモナイトがいる。
会社を辞めたい20代男子。
YouTuberを目指す息子を改心させたい母親。
結婚に悩む女性司書。
クラスで孤立したくない中学生。
気づけば40歳を過ぎてしまった売れない劇団の脚本家。
ひっそりと暮らす古書店の店主。
平成の始まりから終わりの30年を舞台に6人の悩める人々を通して語られる心がほぐれる6つの優しい物語。
『2019年蚊取り線香の巻』『2013年つむじの巻』『2007年巻き寿司の巻』
『2001年ト音記号の巻』『1995年花丸の巻』『1989年ソフトクリームの巻』


・変化を恐れず味方につけよ P31

・優しいことしか言わない人のほうが、俺は信用できないよ。
仕事紹介しますよって軽く言われてそのまま放置されることって多い P37


・だめだよ。
心から願ってるわけじゃないことを言葉にしちゃ。
言うと本当になっちゃうよ P37

・いつの世も、主婦を見ればその社会の実態がわかるよ。
主婦がイエスと言わない商品は絶対に売れない。
安いっていうだけの理由で彼女たちは財布を開かないし、
モノだけじゃない、時間や労働の値打ちに目をこらしている。
いつも頭と手を使って、細部まで熟考しているんだ。
この時代でどうすれば自分や家族が幸せに暮らせるかって。
それが社会ってことだろ? P46

・かなわなかった憧れを幻で終わらせない P57

・ふたりでひとつ。
結婚って、そういうことなのかもしれない P137